”家族”のようにワンちゃんを大切にするブリーダー紹介(平井優子さん)|「引退してもずっと家族」海のように明るく優しい犬舎

 

スタンダードプードル

△美しくトリミングされたスタンダードプードルたち

 

スタンダードプードル一筋25年。神奈川の犬舎『シエンデ・マーサーズ』

神奈川県の閑静な住宅地にある『シエンデ・マーサーズ』は、スタンダードプードル専門のブリーダー・平井優子さんが運営する犬舎です。ブリーダー歴25年を誇る平井さんは、これまで繁殖犬すべてをチャンピオン犬として育成してきた実績があります。その実力とこだわりは、飼い主さんが信頼を寄せる理由のひとつです。

犬舎の名前「シエンデ・マーサーズ」は、平井さんの大好きな“海”を意味する造語です。これまで暮らしてきた愛犬たちの多くにも、魚の名前が付けられてきたそうです。その名の通り、海のように明るくきらきらとした平井さんの人柄が、この犬舎全体を包んでいます。


スタンダードプードル

△おばあちゃん犬も明るくスタッフを迎えてくれました

 

「親犬は引退してもずっと家族」命を見届ける覚悟

「親犬は引退しても死ぬまでうちにいます」——この言葉に、平井さんの犬たちへの深い愛情と責任感が凝縮されています。繁殖が終わったからといって手放すことはせず、最後まで一緒に暮らし、その命を見届ける。それが当たり前だと語ってくださいました。

平井さんによれば、「引退したらすぐに手放すブリーダーもいる」とのこと。平井さんは育てる頭数が少なく、少数精鋭でやっているからこそ可能な選択だと話されていました。命をただ「扱う」のではなく「育てる」という哲学が感じられました。

チャンピオン犬

左:ショーにでる毛並みの美しい平井さんのスタンダードプードル
右:犬舎にはチャンピオン犬の証がずらり

 

血統と健康に妥協しない姿勢

チャンピオン血統であることを大切にしつつも、平井さんは「ただ、ショーに出ることがすべてではなく、ブリーダーとして目指す基準として大事にしている」と話します。スタンダードプードルという犬種の特性を理解し、ショーに出ることで犬たちがトリミング台の上に慣れる「テーブルマナー」を身につける利点があると語ってくださいました。

健康管理にも一切の妥協はありません。スタンダードプードルに多い3つの遺伝疾患については、親犬に必ず遺伝子検査を行い、発症のリスクを減らす取り組みを徹底。さらに、胃捻転予防のためグルテンフリーのフードを使用し、「25年間で1頭も胃捻転になったことがない」と語る姿からは、深い知識と経験への自信がうかがえました。

 

スタンダードプードル

△リビングで熱烈に出迎えてくれた、母犬のリマンダちゃん

 

アーモンドアイと顔が魅力、人が大好きな血筋

平井さんの犬舎で育ったスタンダードプードルは、顔立ちも性格も「かわいい」と評判です。丸い目、丸い顔、そしてなによりフレンドリーな性格。実際、見学時に出迎えてくれた犬たちは、スタッフの顔や手をぺろぺろと舐めて歓迎してくれるほど人懐っこく、その姿にとても癒されました。

平井さんは、「性格も血で受け継ぐ。うちは代々、人が好きな血筋なんです」と笑顔で話します。また、スタンダードプードルは人間でいうと3歳くらいの知能があるとされ、「とにかく話しかけてあげてください。言葉がちゃんと伝わる子たちですから」と、迎え入れる飼い主さんへ温かなアドバイスもくださいました。

実際に母犬や祖母犬の姿を見られる点も、この犬舎の大きな魅力です。血縁が確認できることで、将来の姿や性格も想像しやすく、安心感を得られます。


スタンダードプードル

△これまで家族として過ごしてきたワンちゃん達の写真が飾られています

 

家族写真とぬくもりの空間が迎えてくれる犬舎

犬舎を訪れると、そこには清潔で明るい空間が広がっていました。6つの部屋に分かれた犬舎の中では、「今、ヒートが来てるからオスとメスを分けてる」など、個体に合わせた丁寧な管理が行われていることがわかります。1軒家のつくりを活かしながら、まるで家庭の一員のように暮らしている犬たちの姿が印象的でした。

リビングには、これまで育ててきたスタンダードプードルたちの写真がずらりと飾られており、中にはモデル犬として活躍した子の写真も。蛯原友里さんと写る記念写真もあり、犬たちが一頭の個性として大切にされてきたことが感じられました。

家庭的なあたたかさと、プロフェッショナルな管理体制。その両方が共存する犬舎です。

スタンダードプードルの子犬

△血統を大事に産まれてきた子犬たち

 

血統を守りたい。流通のあり方への問い

昨今人気である「パーティーカラー」について、「希少性があり、見た目可愛いですけれど…当舎では今後も扱うことは無いですね。」と冷静に語ります。

また、平井さんは、オークションなどの流通にも疑問と心配を感じているそうです。だからこそ、「Breeder Familiesのように、実態をきちんと伝える場が必要。飼い主さんの理解が深まれば、犬たちの未来も変わる」と語り、Breeder Familiesにも参加してくださいました。

スタンダードプードルのインテリア

△リビングに飾られるシルエットがかわいらしいインテリア

 

犬を迎えることが「幸せ」になるように

平井さんは、海のような笑顔が印象的な方でした。明るく、朗らかで、何より犬への想いがぶれることなく伝わってくるお話ばかりでした。「犬を迎えたい」と思う飼い主さんにとって、こうした誠実なブリーダーと出会えることは何よりの安心です。

初めて犬を迎える人も、経験のある飼い主も、平井さんの犬舎に訪れれば、きっと「ここなら大丈夫」と思えるでしょう。

 

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