足が短い犬15選!短足犬の特徴や性格、飼いやすさを解説

ダックスフンドの兄弟

ちょこちょこと短い足で歩くワンちゃんたち。そのユニークな体型と愛らしい仕草に、一目惚れしてしまった方も多いのではないでしょうか?

けれど、この「短足」の体型は単なる見た目の個性ではなく、それぞれの犬種が人と共に働く中で築かれてきた“目的を持った進化”の結果でもあります。

本記事では、そんな短足犬の魅力や背景に加え、人気の犬種15選を詳しくご紹介。さらに、健康面での注意点や、飼育時に押さえておきたいポイントも動物福祉の視点から丁寧に解説していきます。

 

足が短い犬種の魅力とは?

海岸とコーギー

足の短いワンちゃんたちは、その姿形だけで多くの人を魅了してやみません。胴長短足のシルエット、コミカルな歩き方、低い姿勢からこちらを見上げる仕草——まるでぬいぐるみのような愛らしさに溢れています。

しかし、その体型にはしっかりと意味があります。足が短くなったのは自然の進化ではなく、人と一緒に働くために選択的に交配された結果。そのため、短足犬たちは「見た目がかわいい」だけではなく、「目的に沿った体」でもあるのです。

また、短足のワンちゃんは比較的地面に近いため、においに敏感なタイプが多く、好奇心旺盛で行動的な傾向があります。飼い主と一緒に何かをするのが大好きなパートナーにもなりやすいでしょう。

コーギーのように足が短い犬がいるのはなぜ?

足が短くなった理由は、犬種によって異なります。

  • ウェルシュ・コーギーは、もともと牧場で牛を追い立てる牧羊犬でした。大きな牛の足元に入り込んで作業をするため、蹴られにくく、俊敏に動けるように足が短くなったとされています。
  • ミニチュア・ダックスフンドは、アナグマやウサギなど、地中に住む小動物を狩るための猟犬でした。細長い体と短い足は、狭い巣穴に潜り込みやすい形状として、人為的に作られてきたものです。

このように、短足体型には“人と共に働くための進化の歴史”が刻まれているのです。

足が短い犬に共通する特徴

短足犬たちには、いくつか共通する特徴があります。

  • 活発で好奇心旺盛:地面に近く、においへの感度が高いため、遊びや探検が大好きな子が多いです。
  • 食欲旺盛な傾向:太りやすく、体重増加が足腰に大きく影響します。
  • 関節や腰への負担が大きい:特に胴長短足タイプは椎間板ヘルニアなどのリスクが高めです。
  • 段差や滑りやすい場所に弱い:体の構造上、ジャンプや急な動作に適していません。

 

足が短い犬の中で人気・有名な犬種15選

ここからは、短足犬の中でも特に人気・知名度が高い犬種を15種類ご紹介します。それぞれの性格や特徴、暮らしやすさのヒントも一緒にまとめています。

1. ミニチュアダックスフンド

ミニチュアダックスフンド

胴長短足の代表格ともいえる犬種。明るく陽気で、初対面の人にも比較的フレンドリー。掘る・追う・吠えるなどの狩猟本能が残っているため、遊びは刺激的なものが喜ばれます。
小型ながら活動的で、しっかりと運動時間を確保する必要があります。

2. ウェルシュ・コーギー

ウェルシュ・コーギー

短い足と大きな耳、つぶらな瞳が特徴的。人懐っこく、遊び好きでエネルギッシュ。牧羊犬としての名残で非常に賢く、指示にもよく反応します。しっかりとしたしつけを通じて、家庭犬としても頼もしい存在に。

3. パグ

パグ

独特なしわと丸顔が魅力。おっとりとした性格で無駄吠えも少なく、室内犬として人気が高い犬種です。短頭種特有の呼吸器系の注意が必要ですが、運動量が少なくてもストレスを感じにくい子が多いです。

4. フレンチブルドッグ

フレンチブルドッグ

「フレブル」の愛称で親しまれ、明るく人懐っこい性格が魅力。運動量は少なめですが遊び好きで、表情も豊か。暑さに弱く、特に夏は室温管理が欠かせません。短頭種特有の呼吸音やいびきも個性のひとつ。

5.シーズー

シーズー

ふさふさの被毛とまん丸な顔立ちが特徴。おっとりとマイペースで、家族の中でも比較的静かに過ごせる子が多いです。甘えん坊で、静かな暮らしを望む家庭にも適しています。定期的なグルーミングは必須。

6. スコティッシュ・テリア

スコティッシュ・テリア

引き締まった体とキリッとした顔つきが印象的。独立心が強く、冷静で勇敢な性格を持っています。しつけには一貫性が求められますが、家族に対しては愛情深く忠実です。

7. ボストン・テリア

ボストン・テリア

「アメリカの紳士」とも呼ばれる、タキシード柄が特徴のワンちゃん。陽気で賢く、穏やかに暮らせる性格。時に頑固さや嫉妬深さが見られることもありますが、それもまた魅力のひとつです。

8. ビーグル

ビーグル

大きな垂れ耳と表情豊かな目元が印象的。陽気でエネルギッシュな性格に加え、においを追跡する能力が高い“嗅覚の達人”。お散歩や追跡遊びが大好きです。集合住宅では吠え声への配慮が必要な場面も。

9. キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

柔らかな毛並みと優しい目元、そして穏やかな性格が特徴の犬種。他のペットや子どもとの相性も良く、社交性が高いため、多頭飼いや家族の多い家庭にも向いています。

10. ペキニーズ

ペキニーズ

ライオンのような見た目と気高い雰囲気を持ち、堂々としたマイペースな性格。甘えん坊ですが、独立心も強めです。運動量は少なくて済むものの、被毛のケアは欠かせません。

11. バセット・ハウンド

バセット・ハウンド

短足・胴長・大きな垂れ耳と三拍子そろったユニークな体型。マイペースで優しく、人に寄り添う性格。のんびりした暮らしを好みますが、嗅覚を使った遊びや散歩には高い満足感を感じます。

12. チワワ

チワワ

世界最小クラスの小さな体に、大きな瞳と勇敢な心。足も短くコンパクトな体つきで、飼育スペースを取らずに暮らしやすいですが、気の強さや神経質な一面が出ることもあるので、丁寧な社会化が大切です。

13. マルチーズ

マルチーズ

真っ白で絹のような毛並みが魅力。甘えん坊で飼い主が大好きな子が多く、初心者にもおすすめの小型犬です。長毛種のためお手入れはこまめに。元気で明るい性格です。

14. ポメラニアン

ポメラニアン

ふわふわの被毛とクリクリの目、そして意外なほどの活発さと賢さを持ち合わせた犬種。吠える傾向もあるため、環境に応じたしつけが必要です。被毛のボリュームもあり、日々のブラッシングが欠かせません。

15. ジャック・ラッセル・テリア

ジャック・ラッセル・テリア

小型ながら非常にエネルギッシュで、アスリート級の運動能力を誇ります。遊びや運動が大好きで、散歩時間が短いとストレスに。しっかり運動できる環境がある家庭におすすめです。

 

見た目が愛らしい短足犬は飼いやすい?

見上げるダックスフンド

見た目がキュートでコンパクトなワンちゃんたちは、一見すると「初心者でも飼いやすそう」と思われがちです。しかし、短足犬ならではの構造的なリスクや生活上の注意点があることも忘れてはいけません。

特に注意したいのは、

  • 足腰にかかる負担
  • 肥満による健康リスク
  • 運動や生活環境の工夫

など、短足ならではのケアが必要である点です。「飼いやすさ」という言葉の裏には、飼い主の正しい理解と工夫が欠かせません。

では実際に、短足犬を飼ううえでどんな点に注意すればよいのでしょうか?
次の章では、健康や生活環境、日々のケアについて、より具体的に解説していきます。

 

短足犬を飼う上で注意したいこと

散歩するダックスフンド

足が短く、胴が長いという体型は見た目にとても魅力的ですが、そのユニークな体型ゆえに、他の犬種とは異なる配慮が必要です。
とくに、椎間板や関節への負担、生活環境のリスク、肥満の影響など、短足犬に特有の注意点を理解しておくことは、ワンちゃんの健康と幸せを守るうえで欠かせません。

ここからは、短足犬と安心して暮らしていくために、飼い主として特に気をつけたい4つの視点から、具体的な対策とポイントをわかりやすくご紹介します。

椎間板ヘルニアなどの病気に注意

短足で胴が長い犬種は、背骨の構造上、「椎間板ヘルニア」になりやすい傾向があります。これは、椎骨と椎骨の間にある椎間板が突出して神経を圧迫する病気で、以下のような症状が見られます。

  • 歩き方がぎこちない、ふらつく
  • 抱っこを嫌がる、背中を丸めている
  • 立ち上がるのをためらう

さらに、股関節形成不全や膝蓋骨脱臼(パテラ)といった関節系のトラブルも要注意。いずれも早期発見・早期対応がカギとなるため、日頃の観察と定期的な健康診断が重要です。

適度な運動と体重管理の重要性

短足犬は、体が地面に近いため負担がかかりやすい構造です。そこに肥満が加わると、関節や背骨への負担が倍増します。

対策ポイント:

  • 高カロリーなおやつを控える
  • 成犬でも1日2回以上、適度な散歩を
  • 食事はライフステージと体型に合ったフードを選び、量をコントロール
  • 月に1回は体重測定を習慣に

体重管理は、健康寿命を延ばすうえで最も効果的なケアです。

滑りやすい床での対策

フローリングやタイルなどの滑りやすい床材は、短足犬にとっては関節へのダメージ要因になります。特に子犬期やシニア期は足腰が弱いため、転倒のリスクも高くなります。

推奨される対策:

  • 滑り止めマット、コルクマットの敷設
  • カーペットを敷く部屋を生活の中心に
  • 足裏の毛を定期的にカットしてグリップ力を保つ

日常の歩行や遊びの中で、「滑らない環境」を整えることがケガ予防の第一歩です。

段差や階段の昇り降りへの配慮

ソファ、ベッド、玄関など、ちょっとした段差でも、短足犬にとっては大きな負荷になります。

おすすめの配慮:

  • ソファやベッドにはペット用スロープやステップを設置
  • 階段はできるだけ抱っこで移動
  • 子犬やシニア犬は段差のある部屋を避けて生活スペースを限定する

「いつの間にか悪化していた」を防ぐためにも、日常の動線にある“小さな段差”にこそ注意が必要です。

まとめ

足が短いワンちゃんたちは、見た目の可愛さだけでなく、人と共に生きてきた歴史や機能的な理由を備えた存在です。陽気で人懐っこく、飼い主との暮らしにしっかりと寄り添ってくれるパートナーにもなり得ます。

一方で、体型の特性から足腰への負担がかかりやすく、体重管理や生活環境の配慮は欠かせません。ほんの少しの気遣いと正しい知識が、ワンちゃんの健康寿命を大きく左右します。

見た目の魅力だけにとらわれず、その体の個性を理解したうえで、長く健やかに寄り添えるパートナーとして迎えてあげてください。

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