子犬のご飯の量はどのくらい?3ヶ月・4ヶ月の月齢や体重ごとに必要な回数や与え方を解説

ドッグフードを食べる子犬

ワンちゃんの子犬期は、一生の中でも特に栄養が大切な「成長のゴールデンタイム」です。骨や筋肉、内臓、そして脳がぐんぐん発達するこの時期に、適切な量のご飯を与えることは健康的な犬生の基盤を作ることにつながります。

しかし「フードのパッケージに書いてある量でいいの?」「3ヶ月や4ヶ月の子犬には具体的にどのくらい?」と迷う飼い主さんは多いものです。この記事では、月齢や体重ごとに必要なご飯の量や回数、与え方の目安を、動物福祉の観点も含めて分かりやすく解説します。

 

子犬のご飯の量はどのくらい?適切な量を与える重要性

ドッグフードを食べる子犬2

子犬にとってご飯は、体を作るための大切な栄養源です。十分な量を与えることで、骨格や筋肉がしっかり育ち、免疫力も高まり、臓器の働きが安定してきます。
反対に、量が不足すると成長が遅れたり免疫力が下がったりし、重度の場合には低血糖によるふらつきやけいれんを引き起こすこともあります。

一方で、多すぎるご飯は肥満を招き、関節や骨格に大きな負担をかけるだけでなく、将来の生活習慣病につながる恐れもあります。
このように「ご飯が少なすぎても多すぎても問題がある」ため、成長段階に合わせた適切な量を調整していくことが欠かせません。

 

ご飯の量を決める方法

ドッグフードとパッケージ

ご飯の量を決める際には、まずフードのパッケージに記載された目安を参考にしつつ、体重をもとにしたカロリー計算を取り入れると精度が高まります。さらに、実際の体調や体型を見ながら微調整を行うのが理想です。

ドッグフードのパッケージを確認する

ほとんどのドッグフードには体重ごとの給与量が記載されています。これは飼い主さんにとって最も分かりやすい基準ですが、あくまで「平均的な子犬」を想定した数字です。運動量が多い子と落ち着いた性格の子では必要なカロリーが異なるため、パッケージは出発点として参考にし、実際の状態を観察して調整することが大切です。

子犬の体重から計算する

より正確に必要なご飯の量を知りたいときは、体重からカロリーを計算してみましょう。

①体重から必要なエネルギー(RER)を計算する

まず安静時に必要なエネルギー量(RER)を計算します。計算式は「RER=体重(kg)×30+70」で、例えば体重3kgの子犬であれば「3×30+70=160kcal」となります。

②RERと活動係数から必要なカロリーを計算する

続いて成長期の活動量を考慮して係数をかけます。生後4か月まではRERの約3倍、生後4か月以降は約2倍が目安です。したがって、体重3kgで生後3か月の子犬は「160×3=480kcal」が1日に必要なカロリーとなります。去勢・避妊手術をしている場合はやや少なめにするのが望ましいでしょう。

③1日のご飯の量を計算する

必要なカロリーがわかったら、フードのカロリー量を確認してグラム数に換算します。例えば100gあたり350kcalのフードなら「480÷3.5=約137g」が1日の目安量です。この総量を月齢に応じて複数回に分けて与えましょう。

 

ご飯を与える回数や頻度の決め方

スプーンからこぼれるドッグフード

子犬は胃が小さいため、一度にたくさん食べることができません。また血糖値を安定させるためにも、少量を複数回に分けて与えることが必要です。

生後2〜3か月の頃はまだ体が小さいため、1日3〜4回に分けるのが理想です。4〜5か月になると消化機能が発達してくるので、1日3回に減らせます。

さらに6〜8か月頃には成長が緩やかになり、消化も安定してくるため、1日2〜3回で大丈夫になります。そして9か月から12か月にかけては成犬に近づくため、1日2回を基本にするのが一般的です。

 

月齢別|子犬のご飯の量・回数・与え方の目安

ドッグフードを食べる子犬3

子犬は成長段階によって必要なエネルギーや消化能力が大きく変化するため、月齢に応じたご飯の与え方が必要です。以下はあくまで目安ですが、発達に合わせた食事管理をすることで健康的な成長をサポートできます。

生後2〜3ヶ月

生後2〜3ヶ月は、ちょうど母乳から離乳食へ移行し、少しずつドライフードに慣れていく時期です。消化器官はまだ未熟なので、必ずぬるま湯でふやかした柔らかいフードを与えましょう。1回の食事量は少なめにし、1日3〜4回に分けて与えるのが基本です。特にこの時期は低血糖を起こしやすいため、食事間隔をあけすぎないように注意してください。

生後4〜5ヶ月

乳歯が生えそろい、噛む力がしっかりしてきます。この頃からはふやかす水の量を少しずつ減らし、ドライフードをそのまま食べられるように慣らしていきます。食事回数は1日3回に減らして問題ありませんが、まだ成長が著しい時期なので、栄養バランスの良いフードを選び、毎日の体重変化をチェックすることが大切です。

生後6〜8ヶ月

成長スピードが緩やかになり、消化機能も安定してくる時期です。この頃には完全にドライフードに切り替えて大丈夫です。1日の食事回数は2〜3回が目安となり、生活リズムに合わせて調整していくと良いでしょう。体重の増加が穏やかになるため、これまで通りの量を与え続けると肥満になるリスクもあるため注意が必要です。

生後9〜12ヶ月(成犬)

1歳に近づくと成長がほぼ完了し、体も大人の体型に近づいていきます。この時期は成犬用フードへの切り替えを考える時期です。食事回数は1日2回が基本となり、体型を維持するために与える量を調整することが重要です。特にこの時期に肥満傾向になると、そのまま成犬期に持ち越してしまうことが多いため、ボディ・コンディション・スコア(BCS)を活用して適正な体型を保ちましょう。

 

ご飯の量を見直すポイント

体重計に乗る犬

子犬のご飯の量は、フードのパッケージや計算で導いた数字を参考にできますが、それだけで完璧とは限りません。実際にワンちゃんの体調や体型を観察し、必要に応じて微調整することが大切です。与えっぱなしにせず、日々の変化を見ながら最適な量を探っていきましょう。

ご飯の量が多い時のようす

ご飯の量が多すぎる場合は、体にいくつかのサインが現れます。お腹がパンパンに張っていたり、便が柔らかすぎて形が崩れていたり、短期間で体重が大きく増えるような場合は要注意です。こうした状態が続くと消化不良や肥満につながり、将来的に関節や内臓へ負担をかけてしまいます。量を減らす際は、いきなり大幅に減らすのではなく、1割程度を目安に少しずつ調整しながら与えるのが安心です。

ご飯の量が少ない時のようす

一方でご飯が少なすぎる場合には、便が硬くて出にくかったり、体重がなかなか増えなかったりすることがあります。元気がなく遊びたがらない、寝てばかりいるといった様子が見られることも少なくありません。特に子犬は成長期に必要な栄養が足りないと、骨格や筋肉の発達に影響が出る可能性があります。このようなサインが見られたら、少しずつ量を増やして調整する必要があります。

観察と調整のコツ

ご飯の量を見直すときは、毎日の体重測定や便の状態のチェックがとても役立ちます。体重は週に1回程度測定して記録を残し、便は色や硬さ、回数を観察しましょう。また、見た目の体型も重要な判断材料です。肋骨が軽く触れるか、腰にくびれがあるかといった「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」を参考にすれば、適正体型かどうかを客観的に判断できます。

もしご飯の量を調整しても不安が残る場合や、体重や体調に急な変化が見られる場合は、自己判断せず獣医師に相談することをおすすめします。

 

子犬のご飯に関するよくある質問

おやつをもらう子犬

ドライフードをふやかしてあげるには?

ドライフードをふやかすときは40℃前後のぬるま湯をかけ、10〜15分ほど置いて柔らかくします。人肌程度に冷めたら与えましょう。熱湯をかけると栄養が壊れる恐れがあるため注意してください。

おやつはいつからあげてもいいの?

おやつは生後4か月頃から少量であれば与えられます。ただし1日の摂取カロリーの10%以内に収めることが大切です。与えすぎると肥満につながるため、しつけやご褒美として上手に活用すると良いでしょう。

子犬の体重を測るには?

家庭で簡単に測るには、飼い主さんが子犬を抱っこして体重計に乗り、その後自分の体重を引く方法が便利です。週に1回は測定し、増減を記録することで成長を把握できます。

ボディ・コンディション・スコア(BCS)とは

BCSとは犬の体型を5段階で評価する指標です。理想的なのは肋骨が軽く触れられ、腰にくびれが見られる状態です。子犬期からBCSを意識して管理することで、痩せすぎや太りすぎを防ぎ、健康的な成長を促すことができます。

 

まとめ

子犬のご飯の量は「パッケージの目安」「体重から計算するカロリー」「実際の体型や行動」をもとに調整していくのが基本です。
生後2〜3ヶ月はぬるま湯でふやかしたフードを3〜4回に分け、4〜5ヶ月で回数を3回に、6〜8ヶ月ではドライフードへ切り替えながら2〜3回、9〜12ヶ月では成犬用フードを1日2回にするのが目安です。

また、ご飯の量は固定ではなく、体重や便の状態、ボディ・コンディション・スコア(BCS)を参考にこまめに見直すことが重要です。毎日の観察と調整が、子犬の健やかな成長を支えるカギとなります。

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