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ロングコートチワワの平均寿命とは?かかりやすい病気と長生きする飼い方
ロングコートチワワの平均寿命とは?かかりやすい病気と長生きする飼い方
大きな瞳とふわふわの被毛が愛らしいロングコートチワワ。
その小さな体と上品な佇まいから、世界中で愛されている人気犬種です。
しかし、繊細な体を持つチワワは、日々の健康管理や生活環境の違いで寿命が大きく変わる犬種でもあります。
この記事では、ロングコートチワワの平均寿命やかかりやすい病気、健康寿命を延ばすための具体的な飼い方を、動物福祉の視点からわかりやすく解説します。
「どんな食事がいいの?」「老犬になったらどんなケアが必要?」といった疑問にも丁寧に答えながら、愛犬とできるだけ長く幸せに暮らすためのヒントをお伝えします。
ロングコートチワワの平均寿命は13歳~15歳
ロングコートチワワの平均寿命はおよそ13歳~15歳です。
これは小型犬の中でも比較的長寿な部類に入り、健康的な生活を送れば17歳以上まで元気に過ごす子も珍しくありません。
一般的に犬の寿命は、
- 小型犬(チワワ・トイプードルなど):13〜16歳前後
- 中型犬(柴犬など):11〜14歳前後
- 大型犬(ゴールデンレトリバーなど):9〜12歳前後
とされています。
チワワが長寿傾向にある理由として、体が小さく心臓や関節にかかる負担が比較的少ないことや、家庭で大切に飼われるケースが多いことが挙げられます。
ただし、寿命はあくまで平均値。個体差や飼育環境の影響が大きく、食生活や運動量、ストレスの有無で数年単位の差が出ることもあります。
ロングコートとスムースコートで寿命に違う?
チワワには「ロングコート」と「スムースコート」の2種類がありますが、毛の長さが寿命に直接影響することはありません。
ロングコートは被毛が長く、見た目がふんわりしている一方で、スムースコートは短毛で活発な印象。
ただ、被毛の長さによる性格や体質の違いはわずかで、どちらも健康上のリスクや平均寿命は同じと考えてよいでしょう。
つまり、「毛の長さ」よりも大切なのは、どんな生活環境で育てるかです。
日々の食事内容や運動量、定期的な健康チェックこそが、チワワの寿命を左右します。
ギネス記録から見るチワワの最長寿命
ギネス世界記録によると、最も長生きしたチワワは21歳まで生きたと報告されています。
人間の年齢に換算すると100歳を超えるほどの驚異的な長寿です。
長生きの秘訣は、
- 無理のない食生活(適正体重の維持)
- 穏やかなストレスの少ない生活
- 定期的な健康診断と早期治療
- 飼い主さんの愛情とコミュニケーション
だとされています。
つまり、長生きの鍵は特別なことではなく「毎日の積み重ね」にあります。
ロングコートチワワも、日々のケア次第でこの記録に近づける可能性が十分あるのです。
チワワが成犬・老犬になるのは何歳?
チワワは成長が早く、生後10〜12か月ほどで成犬と見なされます。
その後、7〜8歳ごろから老犬(シニア期)に入るといわれています。
ただし、これはあくまで一般的な目安で、遺伝的要素や生活環境によって変わります。
健康的に育てられたワンちゃんは10歳を過ぎても元気いっぱいということも珍しくありません。
シニア期に入ったら、
- フードをシニア用ドッグフードに切り替える
- 運動量を少し減らし、体に負担をかけない遊びに変える
- 歯や関節、心臓などの健康チェックをこまめに行う
ことが大切です。
飼い主さんが年齢に合わせたケアを意識することで、老化の進行をゆるやかにし、健康寿命を延ばすことができます。
ロングコートチワワがかかりやすい病気
ロングコートチワワは超小型犬のため、骨や関節、呼吸器などに負担がかかりやすい体の構造をしています。
ここでは、チワワに多い病気とその特徴を詳しく見ていきましょう。
水頭症
脳内の脳室という部分に脳脊髄液が過剰に溜まる病気です。
先天的に発症することが多く、
- 頭頂部(泉門)が膨らんでいる
- ふらついた歩き方をする
- 頭をかしげる
などの症状が見られます。
早期発見が非常に重要で、MRI検査による診断で確認されます。軽度であれば薬でコントロール可能ですが、重度の場合は外科的治療が必要なこともあります。
気管虚脱
気管が押しつぶされてしまい、呼吸がしづらくなる病気です。
特に首輪を強く引っ張ると悪化するため、散歩時は必ずハーネスを使用しましょう。
「ゼーゼー」「ガーガー」といった呼吸音が聞こえたら、早めの受診が必要です。
また、肥満や興奮、喫煙環境なども悪化の要因になります。
静かで空気の良い環境を整えてあげましょう。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
小型犬に多い関節疾患で、膝のお皿がずれて足を引きずる・スキップするような歩き方をするのが特徴です。
放置すると歩行困難になることもあるため注意が必要です。
床が滑りやすいと関節に負担がかかるため、フローリングには滑り止めマットを敷くことが予防につながります。
また、太りすぎも膝への大きな負担となるため、体重管理も欠かせません。
骨折
体が非常に小さいチワワは、ソファからの飛び降りや抱っこ中の落下でも簡単に骨折してしまうことがあります。
特に成長期は骨が柔らかく、注意が必要です。
家具の配置を見直し、段差を少なくするなどの安全対策をしておくと安心です。
老犬になるにつれ注意するべき病気
チワワは年齢を重ねても比較的元気なワンちゃんが多い犬種ですが、老化は静かに少しずつ進んでいきます。
7〜8歳を過ぎた頃から、体の代謝や免疫力が低下し、臓器や関節の機能も衰えていきます。
そのため、“病気の早期発見・早期ケア”が健康寿命を大きく左右する時期になります。
ここでは、シニア期のチワワに特に多く見られる病気と、飼い主さんができる具体的なケアの方法を解説します。
腫瘍(がん)
シニア犬の死亡原因で最も多いのが「がん(腫瘍)」です。
チワワでは乳腺腫瘍・皮膚腫瘍・リンパ腫などがよく見られます。
注意すべきサイン:
- 体にしこりがある
- 急に体重が減った
- 食欲が落ちている
- 元気がなく、寝てばかりいる
こうした変化は、単なる老化ではなく病気のサインであることも多いです。
早期に発見できれば手術や投薬で治療・延命が可能なケースも少なくありません。
日常でできるケア:
毎月一度は体全体を優しく触り、しこりや腫れ、痛みの反応をチェックしてあげましょう。
「いつもと違う」に気づくのが、飼い主さんにしかできない最初の一歩です。
僧帽弁閉鎖不全症
チワワをはじめとする小型犬で最も多い心臓病のひとつです。
心臓の弁がうまく閉じず、血液が逆流してしまうことで心臓に負担がかかる病気です。
主な症状:
- 咳をする(特に寝起きや運動後)
- 呼吸が荒くなる
- 階段を登るのを嫌がる
- 元気がなく、疲れやすい
この病気は進行性で、完治は難しいものの、早期治療で症状をコントロールすることが可能です。
心臓の音を定期的に聴診してもらうことで、早めに異常を発見できます。
生活面でのサポート:
- 塩分を控えた心臓サポートフードに切り替える
- 無理な運動を避け、ゆったりした散歩にする
- 夏の暑さや湿気での体力消耗を防ぐ
こうした小さな工夫が、病気の進行を穏やかにしてくれます。
白内障
チワワは目が大きくて愛らしい分、目のトラブルが多い犬種です。
白内障は加齢によって水晶体が白く濁り、視界がぼやける・見えづらくなる病気です。
見られる症状:
- 目が白っぽく濁る
- 物にぶつかる
- 夜間の歩行を嫌がる
進行が遅ければ点眼薬やサプリメントで進行を抑えられます。
見えにくくなったチワワは不安を感じやすいため、家具の位置を変えない・段差を減らす・声かけを増やすなど、安心できる環境を整えてあげましょう。
「目が見えない=不幸」ではありません。
見えない代わりに嗅覚や聴覚で世界を感じ取るチワワにとって、飼い主さんの声や匂いは最大の安心感になります。
歯周病
超小型犬のチワワは、歯が密集しているため歯石がたまりやすく歯周病になりやすいです。
放置すると口臭や歯の痛みだけでなく、歯周菌が心臓や腎臓に悪影響を与えることもあります。
予防のポイント:
- 毎日1回の歯磨きを習慣化する
- 歯磨きが苦手な子には、歯磨きシートやデンタルガムを活用
- 硬すぎるガムや骨は歯を欠けさせる恐れがあるので注意
歯は「命の入り口」です。
老犬でもケアを続けることで、食べる楽しみと健康寿命を両立できます。
チワワの健康寿命を延ばす!長生きさせる飼い方
「寿命を延ばす」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、実は毎日の暮らしの中のちょっとした工夫で、健康寿命を数年単位で伸ばすことができます。
チワワが長く幸せに過ごすための基本を、ここで詳しく見ていきましょう。
適切な体重を維持させるための食事管理
チワワの標準体重はおよそ1.5kg〜3kg。
たった数百グラムの増減でも体への負担が大きく変わります。
肥満によって起こりやすい病気:
- 心臓病
- 膝蓋骨脱臼
- 糖尿病
- 気管虚脱
これらを防ぐには、「食事量の見直し」と「高品質なドッグフード選び」が大切です。
- パッケージの給与量を目安にしながらも、運動量に合わせて調整
- カロリー控えめ・高たんぱくのシニアフードに切り替える
- 手作り食の場合は、栄養バランスを獣医師に相談して決める
また、「可愛いから」とついおやつを与えすぎるのはNG。
おやつは1日のカロリーの10%以内に抑え、体重測定を週1回行うことで肥満を防げます。
ストレス軽減や肥満予防に適度な運動や散歩
ロングコートチワワはおとなしく見えても、実は遊び好きで活発な性格の子が多いです。
心身の健康維持のためにも、1日15〜20分の散歩を2回程度が理想的。
ただし、寒さや暑さに弱い犬種のため、
- 夏は早朝・夕方の涼しい時間に
- 冬は防寒着を着せて短時間に
といった季節ごとの工夫が必要です。
室内でも、知育トイを使った遊びや軽い引っ張りっこを行うと、ストレス発散と脳の活性化になります。
「歩く」「遊ぶ」「甘える」この3つのバランスが、長寿チワワの秘訣です。
ケガを予防する環境づくり
超小型犬のチワワにとって、人間の生活空間は危険がいっぱいです。
特に骨が細いロングコートチワワは、落下や滑りによる骨折が多発します。
家庭内でできる安全対策:
- フローリングには滑り止めマットを敷く
- ソファやベッドにはペット用ステップを設置
- ベランダや階段には落下防止ネットを張る
- 小さな隙間やドアの閉まりにも注意
また、子どもや他のペットと同居している場合は、踏まれたりぶつかったりしないような動線づくりも重要です。
安全な空間は、ワンちゃんの安心感にもつながります。
定期的な健康診断で健康管理
どんなに注意していても、目に見えない病気は存在します。
だからこそ、健康診断は「健康であることを確認する大切な儀式」です。
- 成犬:年1回
- シニア犬(7歳〜):年2回
を目安に、血液検査・レントゲン・心臓エコー・歯科チェックを受けましょう。
また、ワクチン接種やフィラリア予防、ノミ・ダニ対策も欠かせません。
定期的に動物病院に通うことで、ワンちゃんの体調変化を記録・共有でき、病気の「兆候」を逃さずに済みます。
心の健康を保つコミュニケーション
長生きの秘訣は、体の健康だけでなく心の健康も深く関係しています。
チワワはとても繊細で、飼い主さんの感情に敏感な犬種です。
日々のスキンシップ・声かけ・アイコンタクトは、ワンちゃんに安心を与える“心の薬”です。
不安やストレスを減らすことで、免疫力の維持にもつながります。
「愛されている」と感じる時間こそが、長寿への最大の栄養なのです。
まとめ
ロングコートチワワの平均寿命は13〜15歳と、小型犬の中でも長寿な犬種です。
しかし、その寿命を「ただの年数」ではなく「元気で幸せに過ごせる時間」にするためには、飼い主さんの毎日の心がけが欠かせません。
食事や運動などの基本的な健康管理に加え、安全な環境づくり・定期検診・心のケアを行うことで、チワワの健康寿命は確実に延ばせます。
特に、飼い主さんの声かけやスキンシップは、ワンちゃんの心を落ち着かせ、免疫力にも良い影響を与えます。
「今日はたくさん笑顔で過ごせたね」と言える日々の積み重ねこそが、愛犬の長生きの秘訣。
ロングコートチワワが心も体も穏やかに年を重ねられるように、今日からできるケアを一歩ずつ実践していきましょう。
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