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トイプードルの平均寿命は?長生きさせるための飼い方や気をつけたい病気
トイプードルの平均寿命は?長生きさせるための飼い方や気をつけたい病気

ふわふわの毛並みと人懐っこい性格で、幅広い世代から愛されているトイプードル。
家族の一員として迎えたからには、「少しでも長く一緒にいたい」と思うのは飼い主さん共通の願いですよね。
この記事では、トイプードルの平均寿命やサイズ別の違い、かかりやすい病気、そして長生きのための具体的な飼い方を、動物福祉の視点からやさしく解説します。
日々のケアで寿命を延ばすポイントを知り、あなたの大切なワンちゃんがいつまでも元気で笑顔あふれる毎日を送れるように、一緒に学んでいきましょう。
トイプードルの平均寿命は12歳から15歳

トイプードルの平均寿命は12〜15歳程度といわれています。
これは小型犬としては標準的からやや長めの寿命で、環境や飼い主のケアによっては20歳近くまで生きる子もいます。
個体差が大きいため、「何歳まで生きるか」よりも「どう生きるか」を意識した生活が大切です。
プードルのサイズによる寿命の違い
プードルには大きく分けて「トイ」「ミニチュア」「スタンダード」の3種類があります。
一般的に小型犬ほど寿命が長く、大型犬ほど短い傾向にあります。
その理由は、体が大きいほど心臓や関節などへの負担が増えるためです。
トイプードルは最も小さいサイズのため、比較的長寿な傾向が見られます。
ただし、体が小さい分、骨や関節が繊細なので、ケガや関節疾患に注意が必要です。
ギネス記録に認定された最長寿命は?
ギネス世界記録に登録されているプードルの最長寿命は、なんと28歳。
これは人間でいうと100歳を超えるほどの年齢です。
この記録からも分かるように、適切な飼育環境と愛情あるケアがあれば、トイプードルは想像以上に長生きできる可能性を秘めています。
毎日の食事・運動・メンタルケアを丁寧に続けることが、長寿への第一歩です。
犬の年齢を人間に換算する方法
トイプードルの年齢を人間に換算すると、次のようになります。
- 1歳で人間の約12歳
- 2歳で約24歳
- その後は1年ごとに約4歳ずつ加算
つまり10歳のワンちゃんは、人間でいえば中年期の56歳前後。
年齢に合わせた食事・運動・健康管理を行うことで、無理なく健やかに過ごせます。
トイプードルがかかりやすい病気

トイプードルは健康的で飼いやすい犬種として知られていますが、遺伝的要素や体の構造上、発症しやすい病気もあります。
日常生活の中で予防や早期発見を意識することで、トラブルを最小限に抑えられます。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
トイプードルをはじめとする小型犬で非常に多く見られる関節の病気です。
膝のお皿(膝蓋骨)がずれてしまうことで痛みや歩行異常を引き起こします。
初期には片足を浮かせてスキップのように歩く仕草が見られ、進行すると足を引きずったり、動くのを嫌がるようになります。
主な原因は遺伝的に膝関節が浅い構造をしていることや、滑りやすい床・段差の上り下り・肥満による関節負担です。
予防のためには、フローリングに滑り止めマットを敷く、ソファへの飛び乗りを控える、適正体重を維持することが大切です。
日常のスキンシップで後ろ足を触り、違和感がないか定期的に確認してあげましょう。
レッグ・ペルテス病
成長期(生後5〜12か月ごろ)のトイプードルに見られることが多い大腿骨の先端が壊死する病気です。
痛みや歩きにくさが特徴で、片足をかばうように歩いたり、足を上げたままにしたりします。
原因は明確ではありませんが、骨への血流が一時的に減少することが要因と考えられています。
早期発見が非常に重要で、異変に気づいたらすぐに動物病院で診察を。
治療後はリハビリや体重管理を続けることで、再発防止につながります。
外耳炎
垂れ耳のトイプードルは耳の通気性が悪く、湿気や汚れがこもりやすいため外耳炎を起こしやすい犬種です。
耳を痒がる、頭を振る、耳から臭いがする、黒い耳垢が出るなどが主な症状です。
原因は、マラセチア菌や細菌の繁殖、アレルギー、耳毛や湿気の影響など。
予防には、週1〜2回の耳掃除と、シャンプー後にしっかり乾かすことが効果的です。
また、トリミングの際に耳の中の毛を整えてもらうことで通気性を改善できます。
慢性化しやすいため、早期治療と清潔な環境づくりを心がけましょう。
進行性網膜萎縮症(PRA)
トイプードルで比較的多い遺伝性の目の病気で、網膜の細胞が徐々に機能を失い、最終的に失明に至ります。
初期段階では夜間の視力が低下し、暗い場所で物にぶつかる、怖がるといった行動が見られます。
この病気は遺伝的要因が強く、現時点では完治が難しいのが現実です。
ただし、遺伝子検査でリスクを把握できるため、ブリーダーから迎える際は遺伝病の検査結果を確認することが大切です。
発症後は家具の配置を変えない、段差をなくすなど、生活環境を整えてあげることで安心して過ごせます。
白内障
加齢によって水晶体が白く濁り、視力が低下していく病気です。
目の中が白っぽく見えたり、物にぶつかる、階段を怖がるなどの行動が見られます。
主な原因は加齢や遺伝、糖尿病などの代謝異常。
早期のうちは進行を抑える目薬などで治療できることもあるため、定期的な目のチェックが欠かせません。
また、抗酸化成分を含むサプリメントや紫外線対策も予防に役立ちます。
シニア期のワンちゃんは半年に一度の眼科健診をおすすめします。
トイプードルを長生きさせるための飼い方

トイプードルを長生きさせるためには、日々の食事や運動といった基本的なケアに加え、ストレスを減らす環境づくりと定期的な健康チェックが欠かせません。
体のケアと心のケア、どちらもバランスよく行うことが、健康寿命を延ばす最大のポイントです。
ここでは、今日からすぐに実践できる具体的な方法を紹介します。
栄養バランスの良い食事を与える
ワンちゃんの健康は、まず「食事」から始まります。
トイプードルは体が小さい分、栄養の偏りや食べすぎの影響を受けやすい犬種です。
年齢・体重・活動量に合ったドッグフードを選び、適量を守ることが長寿への第一歩です。
理想的なのは、AAFCO(米国飼料検査官協会)基準を満たした総合栄養食をベースに、体調に合わせて調整すること。
子犬期は発育に必要な高タンパク・高カロリー、成犬期は栄養バランス重視、シニア期は脂肪を抑えた消化の良いフードを選びましょう。
手作り食に興味のある飼い主さんも多いですが、栄養の過不足が起きやすいため、獣医師やペット栄養管理士に相談してから取り入れるのがおすすめです。
また、食べ方の観察も大切な健康サインです。
食欲の低下、噛みにくそうな仕草、食べるスピードの変化があれば、歯や消化器の不調のサインかもしれません。
毎日の食事が健康チェックの時間になるよう意識しましょう。
ストレス軽減や肥満予防のために適度な運動をさせる
トイプードルは運動好きで、活発なワンちゃんが多い犬種です。
ただし、関節が繊細なため、運動量と強度のバランスを取ることが大切。
1日2回、15〜30分程度の散歩を目安に、無理のないペースで歩かせましょう。
地面が熱い夏場は朝夕の涼しい時間帯に行き、冬は体を冷やさないよう防寒を。
室内でも、ボール遊びや引っ張りっこ、知育トイ(フードが出てくるパズルなど)を取り入れることで、運動と脳の刺激を同時に満たせます。
特に知育トイはストレス発散に効果的で、寂しがり屋なトイプードルの心を安定させるのにぴったりです。
肥満は関節疾患や心臓病などのリスクを高めるため、「おやつ=ご褒美」ではなく「おやつ=栄養補助」と考えるのが理想。
体重を月に一度チェックし、少しでも増加傾向があれば早めに対処しましょう。
長時間の留守番などを控え、ストレスを抑制する
トイプードルは非常に社交的で、「人と一緒にいることで安心するタイプ」のワンちゃんです。
そのため、長時間の留守番やスキンシップ不足はストレスとなり、体調不良や行動問題につながることがあります。
やむを得ず留守番が多い場合は、以下の工夫をしてみましょう。
- 知育トイや噛むおもちゃを与えて退屈を防ぐ
- 留守番カメラで見守りながら声をかける
- 部屋に飼い主の匂いがするタオルや服を置いて安心感を与える
また、帰宅後はスキンシップの時間をしっかりとり、「あなたが帰ってきたことが一番うれしいよ」という気持ちを伝えてあげましょう。
心が安定しているワンちゃんは免疫力も高まり、結果的に長生きにつながります。
定期的な健康診断で健康状態を確認する
トイプードルは外見上とても元気そうに見えても、体の中では病気が進行していることがあります。
年に1回、シニア期(7歳以上)は半年に1回を目安に健康診断を受けましょう。
検査内容は、血液検査・尿検査・心臓の聴診・歯や目のチェックなど。
特にトイプードルは心臓病、歯周病、白内障のリスクが高いため、これらのチェックを重点的に行うと良いです。
また、ワクチン接種やフィラリア予防、ノミ・ダニ対策も忘れずに。
季節や年齢に合わせて獣医師と相談しながら、無理のないペースで健康維持を続けましょう。
診察時には「最近食欲が落ちた」「歩き方が変わった」など、些細な変化も共有すると、早期発見の手がかりになります。
健康診断は“病気を見つける”ためだけでなく、“長生きのための安心確認”でもあるのです。
トイプードルの様子に異常を感じたら専門家に相談

ワンちゃんは言葉を話せないため、小さな変化が体調不良のサインになっていることがあります。
いつもと違う仕草や表情、食欲の変化を「少し様子を見よう」と放置してしまうと、病気が進行してしまうこともあります。
例えば、次のような変化が見られた場合は、早めに獣医師へ相談するのが安心です。
- 食欲や水を飲む量が減った、または急に増えた
- 元気がない、寝てばかりいる
- 歩き方がぎこちない、片足をかばう
- 耳や目、口の臭い・汚れが強くなった
- 皮膚を頻繁に掻く、赤みがある
- 咳や呼吸の異常、体を震わせる
これらは、関節疾患・感染症・内臓疾患・アレルギーなど、さまざまな病気の初期症状であることがあります。
また、トイプードルは感受性が高いため、ストレスや環境の変化が体調に現れやすい犬種です。
引っ越しや飼い主の生活リズムの変化など、思い当たる出来事がある場合も、相談時に獣医師へ伝えると診断の助けになります。
「まだ病院に行くほどでは…」と思うような軽い変化でも、早期発見・早期治療が長生きのカギです。
診察の際は、食欲・排泄・行動の様子を日記やスマホで記録しておくと、より正確に状況を伝えられます。
何より大切なのは、「おかしいな」と感じたときにすぐ動ける飼い主の感覚。
トイプードルの健康を守る最初の一歩は、あなたの“気づき”から始まります。
どんな小さな不安も迷わず専門家に相談し、愛犬にとって最善のケアを選んであげましょう。
まとめ
トイプードルの平均寿命は12〜15歳ですが、適切なケアと愛情によって20歳近くまで生きる子も珍しくありません。
長生きの秘訣は、特別なことをすることではなく、
- 栄養バランスの取れた食事
- 無理のない運動とストレスの少ない環境
- 定期的な健康診断
- 飼い主との信頼関係
といった毎日の小さな積み重ねにあります。
トイプードルは、飼い主の愛情を敏感に感じ取る繊細な犬種です。
だからこそ、「よく見て、よく話しかけ、よく触れる」ことが、健康にも心にも一番の薬になります。
今日から少しずつ、できることから始めてみてください。
あなたの温かい手と優しいまなざしが、ワンちゃんの幸せで長い一生を支えてくれるはずです。
Breeder Familiesについて
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