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トイプードルの上手なしつけ方!トイレや噛み癖・吠え癖を制御するためのコツ
トイプードルの上手なしつけ方!トイレや噛み癖・吠え癖を制御するためのコツ

ふわふわの被毛にクリクリの瞳。愛嬌たっぷりのトイプードルは、日本でもトップクラスの人気を誇る犬種です。
その一方で、見た目の可愛らしさから「つい甘やかしてしまう」飼い主さんも多く、結果としてトイレの失敗や吠え癖などの問題行動に悩むケースも少なくありません。
しかし、トイプードルは非常に知能が高く、人との絆を大切にする犬種です。
正しい方法で、ワンちゃんの気持ちに寄り添いながらしつけを行えば、どんな子でも落ち着いた性格に育てることができます。
この記事では、動物福祉の視点から「叱らない・押し付けない」優しいしつけの方法を中心に、トイレ、噛み癖、吠え癖などのお悩みを解決するための実践的なコツを詳しく解説します。
トイプードルは初心者でもしつけやすい?

トイプードルは、賢くて人懐っこい性格のため、初心者でも比較的しつけやすい犬種です。
犬の中でも特に学習能力が高く、飼い主さんの表情や声のトーンをよく読み取る性質があります。
その一方で、頭が良すぎるがゆえに「一貫性のない指示」には混乱してしまうこともあります。
昨日は許されたのに今日は叱られた、という状態が続くと、ワンちゃんの中でルールが曖昧になり、反抗的な行動が出てしまうことも。
だからこそ、トイプードルのしつけでは「家族全員でルールを統一すること」が何より大切です。
きちんと方向性を決めて根気よく教えていけば、どんな子でも落ち着いた性格に育ってくれるでしょう。
しつけを始める最適なタイミング

トイプードルのしつけは、家に迎えたその日から始めるのが理想的です。
中でも、生後2〜4ヶ月の「社会化期」と呼ばれる時期は特に重要。
この期間は、ワンちゃんの脳や感情が柔軟に成長する時期で、人・音・環境などさまざまな刺激に慣れる経験が性格形成に大きく影響します。
この時期にポジティブな経験を積ませることで、将来の「怖がり」や「吠え癖」を予防できます。
ただし、最初のうちは新しい環境に戸惑っているため、焦らず“安心させること”を最優先にしましょう。
スキンシップを取りながら、少しずつ「トイレ」や「お座り」などの基本的なしつけを始めると、信頼関係を壊さずに学びを積み重ねられます。
トイプードルのしつけの基本

トイプードルは賢く人の感情に敏感な犬種です。そのため、しつけの基本は「知識」よりもまず心構えが大切。
ワンちゃんの行動には必ず理由があります。叱るよりも「なぜそうしたのか?」を理解し、環境や教え方を工夫することが、最も効果的で優しいしつけの第一歩です。
ここでは、トイプードルの性格を踏まえたしつけの3つの基本を紹介します。
しつけの言葉(コマンド)を統一する
トイプードルは音や言葉をよく聞き分けます。
そのため、家族全員で同じ言葉を使うことがとても大切です。
「お座り」「座れ」など、意味は同じでも違う言葉を使うと、ワンちゃんが混乱してしまい、覚えが遅くなります。
また、コマンドを出すときの声のトーンや姿勢もなるべく一定に保ちましょう。
毎回同じルール・同じ言葉で伝えることで、「この言葉のときはこうすればいいんだ」と理解しやすくなります。
一貫性こそ、トイプードルが安心して学ぶための最大のカギです。
しつけは短い時間で継続的に行う
トイプードルは集中力が高い反面、飽きっぽい一面もあります。
1回のトレーニングは5分以内にして、「楽しく終える」ことを意識しましょう。
「今日はここまで」と区切りをつけることで、次も意欲的に取り組めます。
1日1回長くやるよりも、1日数回、短く繰り返す方が効果的です。
その際、最後は必ず成功体験で終わらせてあげること。
「やればできる」という自信を積み重ねていくことで、ワンちゃんの心が前向きに育ちます。
褒める・叱るのメリハリをつける
トイプードルは飼い主さんの感情を非常によく読み取ります。
そのため、褒めるとき・叱るときのトーンの違いが明確であることが重要です。
成功した時は「すごいね!」「お利口さん!」と明るい声で大げさに褒めることで、ワンちゃんの喜びホルモン(ドーパミン)が分泌され、しつけのモチベーションが上がります。
一方、叱るときは感情的にならず、低い声で短く一言だけ伝えるのがポイント。
例えば「ダメ」や「いけない」と冷静に伝え、すぐに別の行動(お座りなど)を促しましょう。
ただし、叱るタイミングは行動の2〜3秒以内が原則。
時間が経ってから叱ると、ワンちゃんは「何が悪かったのか」分からず不安になるだけです。
行動の理由を理解し、感情ではなく正しいタイミングと方法で伝えることが、信頼関係を壊さずにしつけるコツです。
必ず覚えさせたいコマンド

トイプードルとの快適な生活のために、最低限のコマンドを「楽しく・短く・ポジティブに」教えましょう。
お座り(シット)
おやつを鼻先から頭の上にゆっくり動かすと、自然に腰が下がります。
その瞬間に「シット!」と声をかけて褒めましょう。
アイコンタクトを取りながら行うと、集中力も高まります。
待て(ステイ/ウェイト)
「待て」は衝動を抑える練習です。
数秒から始めて徐々に時間を延ばし、「よし!」で解除。
我慢する力を育てることで、落ち着いた性格に近づきます。
伏せ(ダウン)
おやつを床に誘導して「ダウン」と声をかけます。
伏せの姿勢は安心を感じるポーズなので、リラックスの合図としても使えます。
おいで(カム)
「おいで」は命を守るコマンドです。
呼ばれたら必ず良いことがある(褒められる・おやつがもらえる)と学ばせ、
どんな状況でも戻ってくる習慣をつけましょう。
お手(シェイク)
遊び感覚で教えられるコマンドです。
「お座り」ができた後、「お手」と言って軽く前足を取って褒めましょう。
信頼関係の確認にもつながります。
生活する上で重要なしつけ

トイプードルとの穏やかな暮らしを実現するには、日常生活に関わるしつけが不可欠です。
自分の名前を覚えさせる
名前を呼ばれたら飼い主さんの方を向くようにします。
名前=「いいことが起きる合図」と覚えさせると、呼び戻しにも役立ちます。
アイコンタクトを取れるようにする
アイコンタクトは信頼のサイン。
おやつを顔の前に持ち、ワンちゃんが目を合わせたら「見て」と声をかけて褒めます。
これを繰り返すことで、自然と飼い主さんを意識するようになります。
トイレトレーニング
トイプードルは清潔好きなので、トイレの場所をきちんと覚えれば失敗は減ります。
成功した瞬間に褒め、おやつを与えることで「ここがトイレだ」と学びます。
失敗しても叱らず、静かに片付けましょう。
ハウストレーニング
ハウスを「罰の場所」にしてはいけません。
お気に入りの毛布やおもちゃを置き、安心できる自分の空間として認識させることが大切です。
来客や留守番時にも落ち着いて過ごせるようになります。
トイプードルが悩みがちな問題行動としつけ方

噛み癖・無駄吠え・飛びつきは、原因を理解して根本から対処することが改善の近道です。
噛み癖
子犬期の甘噛みは歯の生え変わり時期に多く見られます。
噛んだ瞬間に「痛い!」と短く声を出して、遊びを中断します。
その後、おもちゃに注意をそらせて「噛んでいいもの」を教えましょう。
体罰は恐怖心を生み、信頼関係を壊すため絶対に避けてください。
無駄吠え癖
要求、警戒、不安など、吠える理由を分析することが大切です。
- 要求吠え:無視して静かになったら褒める
- 警戒吠え:外の刺激に慣れさせる
- 不安吠え:留守番練習や安心環境づくり
原因に合わせて対処すれば、次第に改善していきます。
飛びつき癖
嬉しさのあまり飛びつく子が多いですが、放っておくと習慣になります。
飛びついた時は無視し、お座りができた時だけ構うようにします。
「落ち着けばかまってもらえる」と覚えさせましょう。
子犬をブリーダーから迎えた後のしつけのポイント

新しい家族としてトイプードルの子犬を迎える瞬間は、とても幸せで特別な時間です。
しかし、同時にワンちゃんにとっても「親や兄弟と離れて、まったく知らない環境に入る」という大きなストレスの時期でもあります。
このタイミングで大切なのは、“しつけよりもまず安心感”を与えること。
焦ってトレーニングを詰め込むよりも、「ここは安全な場所」「この人は信頼できる」と感じてもらうことが、その後のしつけ成功を大きく左右します。
ここでは、ブリーダーから迎えた直後に意識したい3つのポイントを詳しく解説します。
ブリーダーからのアドバイスを実践する
ブリーダーさんは、あなたの子犬の“生まれ育った環境と性格”を最もよく理解している存在です。
そのため、引き渡しの際に受けたアドバイスは、最初の数週間は特に忠実に守ることをおすすめします。
たとえば:
- 食事の時間と回数
- トイレのタイミングや合図
- 寝るときに落ち着く場所
- 苦手な音や触られ方
これらはワンちゃんにとって「日常のリズム」であり、急に変えると不安や体調不良につながることもあります。
少しずつ家庭の生活リズムに合わせていくのが理想です。
また、信頼できるブリーダーさんであれば、迎えた後の相談窓口としても頼れます。
困ったときに遠慮せず質問できる関係を築いておくと安心です。
子犬と信頼関係を築く
トイプードルは、人との絆を強く求める犬種です。
しかし、迎えたばかりの子犬にとっては、まだ飼い主さんも“見知らぬ人”。
最初の数日〜1週間は、ワンちゃんのペースに合わせて**「距離を詰めすぎない接し方」**を意識しましょう。
具体的には:
- 無理に抱っこせず、そばで静かに声をかける
- 自分から寄ってきたら、優しく撫でる
- 名前を呼んで、こちらを見るたびに褒める
こうした小さな積み重ねが「この人は安心できる」と感じさせます。
しつけの前に「信頼される存在になる」ことが、長期的に見て最も効果的なトレーニングなのです。
褒めながら地道に取り組む
子犬のしつけは、一朝一夕には身につきません。
特にトイプードルのように繊細で感受性の強い犬種は、失敗を責められると自信を失ってしまうこともあります。
トイレの失敗や噛み癖が出ても、「怒る」のではなく「なぜそうなったか」を観察しましょう。
例えば、
- トイレの場所が分かりにくい
- 遊び時間が足りずにストレスが溜まっている
- 寂しくて注意を引きたがっている
といった“理由”があるはずです。
成功したときは、すぐに笑顔で褒める・ご褒美を与えることで、ワンちゃんの中に「できた!」という喜びを積み重ねましょう。
このポジティブな体験が、自主的に正しい行動を選ぶ力を育てます。
また、焦って多くを教えようとせず、
1日ひとつの課題に集中して少しずつ進めることが、ワンちゃんの心を守りながら成長を促すコツです。
まとめ
トイプードルのしつけで大切なのは、「愛情」「一貫性」「観察力」の3つです。
ワンちゃんの行動をただ正すのではなく、なぜそうしたのかを理解し、環境を整えることで、本当の意味でのしつけができます。
褒められると喜び、叱られると戸惑う――そんな純粋なワンちゃんの心に寄り添いながら、焦らず、楽しく、少しずつ信頼関係を築いていくことが成功への近道です。
家族全員でルールを統一し、褒めながら一緒に学ぶ姿勢を持てば、トイプードルは必ず応えてくれます。
優しくもしっかりとしたしつけを通じて、かけがえのない家族との絆をより深めていきましょう。
Breeder Familiesについて
BreederFamiliesのブリーダーを通じて ワンちゃんをお迎えすることが、 ペットをとりまく社会課題の解決に繋がります。
私たちが目指すのは、営利優先の悪徳ブリーダーを減らし、責任と愛情を持つ優良ブリーダーを支援することで、ワンちゃんの福祉が守られる社会の実現。
目の前の子犬だけでなく、親犬や引退犬も大切にされる環境を作り上げ、すべてのワンちゃんに優しいブリーディング環境の普及にむけて活動しています。