吠えない・吠えにくい犬は?集合住宅でも飼いやすいおとなしい犬を解説

吠えない・吠えにくい犬は?集合住宅でも飼いやすいおとなしい犬を解説

室内のシーズー

「ワンちゃんと穏やかに暮らしたい」「マンションでも近所迷惑にならない子を迎えたい」──そんな願いを叶えてくれるのが、吠えにくい性格を持つ犬種です。
犬が吠えるのは自然な行動ですが、その頻度や理由は犬種や性格、育て方によって大きく異なります。

この記事では、吠えにくいワンちゃんの特徴・集合住宅でも飼いやすいおとなしい犬種・そして無駄吠えを減らす育て方のコツを、動物福祉の視点から丁寧に解説します。
「静かに、そして幸せに暮らせるパートナーを迎えたい」――そんなあなたに寄り添う内容です。

 

吠えない・吠えにくい犬の特徴

リラックスするフレンチブルドッグ

ワンちゃんにも人と同じように、性格や気質の違いがあります。
中には、社交的で落ち着いた性格を持ち、めったに吠えないタイプの子もいます。

吠えにくいワンちゃんの傾向

  • 穏やかで冷静な性格:刺激に過敏に反応せず、落ち着いていられる。
  • 人懐っこく社交的:他の犬や人を敵と見なさないため、警戒吠えが少ない。
  • 安心できる環境で暮らしている:ストレスや不安がないほど、吠える理由が減る。

犬の「吠えにくさ」は、生まれ持った性格+育て方+環境のバランスで決まります。

「うちの子はよく吠える」と悩んでいる飼い主さんも、愛情と正しい対応で落ち着いた性格へと導くことができます。

 

【小型犬】吠えにくい・おとなしい犬種

小型犬は、マンションやアパートといった集合住宅でも暮らしやすい存在です。
ただし中には警戒心が強く、来客や物音に反応して吠えやすいタイプもいます。

ここでは、穏やかで落ち着きがあり、無駄吠えの少ない小型犬を紹介します。
どの子も性格が優しく、人との暮らしに向いています。

パグ

パグ

どっしりと構えた顔立ちと、のんびりした性格が魅力のパグ。

感情表現が豊かですが、興奮して吠えることはあまりありません。
陽気でマイペース、そして「静かな存在感」を持つパグは、集合住宅で暮らす家庭にもぴったりです。

一方で、短頭種のため暑さに弱いので、夏場の温度管理には特に注意が必要です。

穏やかに寄り添う姿が、まるで家族の一員のように安心感を与えてくれるでしょう。

フレンチブルドッグ

フレンチブルドッグ

フレンチブルドッグは「陽気でフレンドリー、だけど静か」なギャップが魅力の犬種です。

吠えるよりも表情やボディランゲージで気持ちを伝えるタイプで、穏やかな暮らしを好みます。
マンションでも飼いやすく、近隣トラブルになりにくいのが特徴です。

一方で少し頑固な一面があるため、しつけは叱るよりも褒めて伸ばすことがコツ。

短頭種なので呼吸の負担を減らすため、涼しい環境づくりも大切です。

シーズー

シーズー

シーズーはおっとりした性格で、家族に深い愛情を示す優しいワンちゃんです。

吠えることが少なく、他の犬や人にもフレンドリーなため、来客の多い家庭でも安心。
静かに寄り添いながらも、時々見せる甘えん坊な姿に癒される飼い主さんが多いです。

ふわふわの被毛は定期的なお手入れが必要ですが、その時間が絆を深めるひとときになります。

マルチーズ

マルチーズ

真っ白で上品な被毛が印象的なマルチーズは、古くから愛玩犬として愛されてきた犬種です。

優しく穏やかな性格で、しっかりと信頼関係を築けば滅多に吠えることはありません。

飼い主さんへの愛情が深く、常に寄り添うように暮らす姿が特徴です。

小柄ながらも芯のある性格をしており、安心感を与えてくれる穏やかな家庭犬です。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

キャバリアは、まるで「愛情のかたまり」とも言えるほど人懐っこいワンちゃんです。

穏やかで協調性があり、常に飼い主さんのそばにいたがります。
無駄に吠えることが少なく、来客にも友好的に接するため、初めて犬を飼う人にもおすすめです。

ただし、寂しがり屋な一面があり、長時間の留守番が苦手な子もいます。

「一緒にいる時間」を大切にすれば、静かで優しい家庭犬として最高のパートナーになります。

 

【中型犬・大型犬】吠えにくい・おとなしい犬種

中型犬・大型犬は、その堂々とした体格から「吠えそう」と思われがちですが、実際はとても穏やかで落ち着いた性格の犬種が多いです。

広めのスペースや十分な運動が確保できる家庭なら、むしろ小型犬より静かで落ち着いた生活ができる場合もあります。

ここでは、体は大きくても優しく、無駄吠えが少ない犬種を紹介します。

ゴールデンレトリバー

ゴールデンレトリバー

世界中で「理想の家庭犬」と呼ばれるほど人気のゴールデンレトリバー。
優しく温厚な性格で、人や他の動物にも友好的に接します。

学習能力が高く、しつけも入りやすいため、吠えるよりも落ち着いて行動する子が多いのが特徴です。

家族への愛情が深く、穏やかで包み込むような優しさを持っています。

ただし抜け毛が多いので、定期的なブラッシングやケアを通じて清潔を保ちましょう。

ラブラドールレトリバー

ラブラドールレトリバー

ラブラドールレトリバーは、明るくフレンドリーで、誰とでもすぐに打ち解けられる性格の持ち主。
感情が安定しており、無駄に吠えることがほとんどありません。

そのため盲導犬や介助犬としても多く活躍しています。
飼い主との信頼関係を何より大切にし、家庭では穏やかに寄り添う姿を見せてくれます。

ただし運動量が多いため、毎日の散歩や遊びの時間をしっかり確保してあげましょう。

バセンジー

バセンジー

「吠えない犬」として知られるバセンジーは、独特な声帯構造を持つため、一般的な吠え声ではなく「ヨーデル」のような音を出します。

静かな犬を望む家庭にぴったりで、非常に清潔好きな性格のため、体臭や抜け毛もほとんどありません。

一見クールで独立心が強い印象を持ちますが、信頼を寄せた飼い主にはとても愛情深く接します。

上品で静かな雰囲気を好む方におすすめの犬種です。

 
ボーダーコリー

ボーダーコリー

ボーダーコリーは、犬の中でもトップクラスの知能を持つと言われるほど賢い犬種です。

飼い主の言葉や表情をよく理解し、無駄吠えするよりも「指示を待つ」行動を取ります。
知的好奇心が強いため、しつけやトレーニングを通じて頭と体を使うことが大好き。

十分な運動と心の刺激を与えることで、非常に落ち着いた性格に育ちます。

頼もしく、信頼できるパートナーを求める方にぴったりです。

 

無駄吠えしにくい犬に育てるには

おもちゃを噛むゴールデンレトリバー

どんなに「吠えにくい」と言われる犬種でも、育て方次第で吠えるようにも、静かに暮らすようにも変わります。

ワンちゃんにとって「吠えること」は、感情を表現する大切な手段。
怒りでもわがままでもなく、「怖い」「うれしい」「かまってほしい」というサインなのです。

つまり、「無駄吠えをやめさせる」よりも大切なのは、ワンちゃんの気持ちを理解し、安心できる環境を整えてあげること。

ここでは、穏やかな性格に育てるための具体的なステップを紹介します。

 
吠えている理由を明らかにする

まず最初に意識すべきは、「なぜ吠えているのか?」という原因の見極めです。
ワンちゃんは言葉を話せない分、吠えることで感情や要求を伝えています。

たとえば――

  • インターホンや物音に反応して吠える「警戒吠え」
  • 飼い主さんに何かを求めて吠える「要求吠え」
  • 不安や孤独、退屈からくる「ストレス吠え」
  • 痛みや不快感を訴える「身体的サイン」

原因を理解せずに叱ってしまうと、「自分の気持ちはわかってもらえない」と感じて、かえって吠えが悪化することもあります。

吠えの裏にある感情を読み取る姿勢が、穏やかなワンちゃんへの第一歩です。

要求吠えに振り回されない

飼い主さんが反応することで、「吠えれば思い通りになる」と学習してしまうケースはとても多いです。
たとえば、おやつがほしいときに吠える → 飼い主があげる → 「吠える=得をする」と覚える、という悪循環です。

この場合、吠えている間はあえて無反応を貫き、静かになった瞬間に褒めてあげることがポイント。
最初は根気が必要ですが、ワンちゃんは徐々に「静かにしていれば褒められる」と理解していきます。

叱るよりも、「正しい行動を見つけて伸ばす」ことが、動物福祉的にも望ましいしつけ方法です。
ワンちゃんが安心して学べるように、穏やかなトーンで接しましょう。

ストレスを溜めないようにする

無駄吠えの多くは、実は心のエネルギーが行き場を失っているサインです。
ワンちゃんが日常の中で十分に遊べず、運動不足や退屈を感じると、吠えることで発散しようとします。

散歩は単なる運動ではなく、「外の世界を感じてリフレッシュする時間」。
毎日20〜30分でも良いので、外の風やにおいを感じさせてあげましょう。

また、留守番が長い家庭では、知育トイや噛むおもちゃを用意して“ひとり時間”を楽しませてあげる工夫も大切です。
飼い主さんとのコミュニケーションタイムをしっかり取ることで、安心感が生まれ、吠える必要がなくなっていきます。

社会化を行う

子犬期(生後3〜12週頃)は「社会化期」と呼ばれ、外の世界に慣れる絶好のタイミングです。
この時期にさまざまな人・犬・音・環境に慣れておくことで、警戒心からの吠えを防ぐことができます。

たとえば、近所をゆっくり散歩しながら子どもや他の犬に会わせてみたり、掃除機やインターホンなどの音を少しずつ聞かせたり。
「これは怖くない」「楽しいことが起こる」と学ばせることで、穏やかな性格に育ちます。

成犬になってからでも、焦らず少しずつ刺激に慣らすことで社会化は可能です。
ポイントは、“無理をさせず、楽しい経験として積み重ねる”こと。

環境を整えることも大切

ワンちゃんが落ち着ける環境づくりも、吠え防止には欠かせません。
寝床やクレートは「安心できる自分のスペース」として静かな場所に設置しましょう。

また、外の刺激(通行人の声や車の音)が気になる子には、カーテンを閉めたりBGMを流すなどの工夫も有効です。

飼い主さんがリラックスしていると、ワンちゃんも安心します。
「安心は伝染する」――これは犬の心理学でもよく言われることです。

 

まとめ

吠えにくいワンちゃんを探すとき、大切なのは「犬種の特徴」だけではありません。
安心できる環境と、飼い主さんの愛情ある関わり方こそが、静かで穏やかな性格を育てるカギです。

どんな犬種でも、理解してもらえる安心感があれば、吠える理由は自然と減っていきます。
そして、ワンちゃんが落ち着いて過ごせるということは、飼い主さん自身も心穏やかに暮らせるということ。

静かで幸せな日々は、飼い主さんとワンちゃんの信頼関係の上に築かれます。
焦らず、穏やかに、心を通わせながら――。
お互いに安心できる「静かな暮らし」を、今日から少しずつ育てていきましょう。

 

Breeder Familiesについて

BreederFamiliesのブリーダーを通じて ワンちゃんをお迎えすることが、 ペットをとりまく社会課題の解決に繋がります。

私たちが目指すのは、営利優先の悪徳ブリーダーを減らし、責任と愛情を持つ優良ブリーダーを支援することで、ワンちゃんの福祉が守られる社会の実現。
目の前の子犬だけでなく、親犬や引退犬も大切にされる環境を作り上げ、すべてのワンちゃんに優しいブリーディング環境の普及にむけて活動しています。

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