ペットロスになりやすい人の特徴とは?乗り越えるための心の準備と対策

ペットロスになりやすい人の特徴とは?乗り越えるための心の準備と対策

愛犬を撫でる飼い主

大切なワンちゃんを失った悲しみは、飼い主さんにとって人生の中でもっともつらい瞬間のひとつです。
「もう笑えない」「胸が苦しい」と感じるのは、それだけ深い絆で結ばれていた証拠。

しかし、その悲しみが長く続き、心や体に不調が出てしまうこともあります。これが「ペットロス症候群」です。

この記事では、ペットロスになりやすい人の特徴から、心の準備・予防法・立ち直り方、さらに新しい子犬を迎える際の注意点までを、動物福祉の専門的な視点でやさしく解説します。

今まさに悲しみの中にいる飼い主さんが、少しでも「心が軽くなる答え」を見つけられるよう、心を込めてお届けします。

 

ペットロスになりやすい人の特徴

首輪とリード

ペットロス症候群とは、愛する存在を失った喪失感が心身に大きな影響を及ぼす状態です。
誰にでも起こりうることですが、なかでも特にペットロスを感じやすい人・重症化しやすい人には、共通する特徴があります。

愛犬に依存した生活を送っていた人

「毎日がワンちゃん中心」という暮らしを送っていた人は、愛犬の不在によって生活のリズムそのものを失ってしまいます。
朝起きてから寝るまで、食事や散歩、遊びや会話まで、すべてがワンちゃんとともにあったからです。

愛犬がいない静かな部屋、空っぽのリードを見るたびに、涙があふれてしまう…。
その喪失感は計り知れません。

また、愛犬以外に話す相手がいなかったり、趣味や外出の習慣が少なかったりする場合は、心の支えが一気になくなり、ペットロスが長引きやすくなります。

ストレスを感じやすい人

もともと感受性が豊かで、人の感情や周囲の出来事に強く反応するタイプの人は、ワンちゃんの死という現実に深く傷つきやすい傾向があります。
普段から仕事や家庭でストレスを抱えている人は、心のエネルギーが消耗しており、悲しみに耐える余裕が残っていないこともあります。

その結果、心のバランスを崩しやすく、食欲の低下・不眠・涙が止まらないといった症状が現れることもあります。
「自分は弱い」と責めずに、繊細さは“愛する力の強さ”の証だと受け止めてください。

真面目で責任感が強い人

「もっとできたことがあったのでは」「自分のせいで苦しませたかも」と、過剰に自分を責めてしまう人もペットロスになりやすい傾向があります。
真面目な人ほどワンちゃんを家族として大切に思っていたからこそ、その最期を受け入れることが難しくなるのです。

また、責任感が強い人は、「泣いてはいけない」「家族を支えなければ」と自分の感情を押し殺してしまいがち。

しかし、悲しみを我慢することは回復を遅らせる原因になります。
涙を流すことも、癒しの大切なプロセスです。

人間関係が希薄な人

「うちの子だけが心の支えだった」という飼い主さんにとって、愛犬の死はまるで人生の灯を失ったように感じられます。

ワンちゃんはいつも優しく寄り添い、無条件に愛をくれた存在。
その代わりが誰にもいないと、深い孤独感に包まれてしまいます。

悲しみを共有できる相手が少ないと、心の中に悲しみが溜まり、出口を失ってしまうのです。
そんな時は、信頼できる家族や友人、あるいはペットロス専門のカウンセラーに話をすることが回復への一歩になります。

最後の瞬間に立ち会えなかった人

突然の別れや看取りができなかったケースでは、**「もっとそばにいれば」「最後にありがとうが言えなかった」**という後悔の気持ちが強く残ります。
その思いが心の中で何度も繰り返され、前に進めなくなってしまうのです。

もし立ち会えなかったとしても、後からお別れの手紙を書いたり、写真に話しかけたりすることで気持ちを整理できます。
「ありがとう」「大好きだったよ」と伝えることが、心の癒しにつながります。

 

ペットロスになっている状態とは

ひび割れたハート

ペットロス症候群は、ただ「悲しい」というだけではありません。
心のダメージが強すぎて、体の不調まで起こることがあります。

たとえば次のような状態が見られたら、ペットロスが進行しているサインです。

  • 食欲がなくなる、眠れない
  • 気力が湧かず、何をしても楽しくない
  • 仕事・家事・人付き合いがつらく感じる
  • ワンちゃんの声や気配を感じる気がする
  • 「あの子のいない世界に意味がない」と感じる

これらは自然な反応ですが、長期間続く場合は一人で抱え込まず、心療内科やグリーフケアの専門家に相談しましょう。

 

ペットロスにならない人がいる理由(なりにくい人の特徴)

ペットに寄り添う飼い主

同じように愛犬を失っても、比較的早く立ち直れる人もいます。
それは「悲しまない人」ではなく、心の準備と支えを持っている人です。

ペットの死に対して覚悟ができていた人

ワンちゃんの老いや病気と向き合い、「いつかこの日が来る」と覚悟をしていた人は、ショックを受けにくい傾向にあります。
最期の時間を穏やかに過ごせた場合、「ありがとう」「よく頑張ったね」と感謝の気持ちで送り出すことができ、後悔を最小限に抑えられます。

ペット以外にも趣味や人間関係で充実した生活がある人

ペットとの絆が深くても、人生の軸が「ワンちゃんだけ」に偏っていない人は、喪失感を分散できます。
趣味や友人、地域のつながりなど、心を支える“複数の拠り所”があると、回復が早くなります。

「ペットも自分の人生の一部」として、バランスのとれた愛情を持てることが理想です。

生前の生活を全うし感謝や達成感がある人

「できる限りのことをした」「最期までそばにいられた」と感じている人は、自責の念にとらわれにくくなります。

介護や看病を通じて、愛犬に尽くした時間は、後に大きな心の支えとなります。
「ありがとう」「出会えてよかった」という気持ちが、ペットロスを乗り越える力になります。

 

ペットロスを乗り越えるための心の準備と対策

メンタルヘルス

ワンちゃんとの別れを完全に避けることはできませんが、「いざという時に後悔を減らすための準備」や「悲しみを少しずつ和らげる考え方」はできます。
この章では、ペットロスを防ぐための事前準備と、悲しみを抱えたあとに心を整えるための方法を具体的に紹介します。

愛犬との別れをイメージしておく

多くの飼い主さんが「考えたくない」と避けてしまうのが、愛犬との別れです。
しかし、別れをタブー視するほど、突然の出来事に心が追いつかなくなります。

「もしもの時、どうしてあげたいか」「どんな言葉で送り出したいか」を家族で話し合うことは、決して縁起の悪いことではありません。
それは“最期まで責任を持つ覚悟”を持つ、愛情深い行為です。

たとえば、

  • 延命治療をどうするか
  • 家族みんなで最期の時間をどう過ごすか
  • 旅立ったあとにどんな形で供養するか

これらを話し合っておくだけで、「あのとき決めておいてよかった」と心が救われる瞬間があります。

別れの準備は「悲しみを増やすため」ではなく、「愛を伝えるための準備」なのです。 

医療費や介護の計画や準備をしておく

ペットの介護や終末期医療は、想像以上に体力・時間・費用を要することがあります。
だからこそ、ワンちゃんが高齢になる前に**「現実的な備え」**をしておくことが大切です。

たとえば、

  • シニア期に備えたペット保険の見直し
  • 通院頻度や費用の見積もり
  • 自宅で介護が必要になったときの生活動線の確保

こうした備えがあると、いざという時に慌てず「最善を尽くせた」と思えるようになります。

また、介護を一人で抱え込まないことも重要です。
動物病院やペットシッター、家族・友人など、支え合える環境づくりを意識しておきましょう。

準備とは“悲しみの先回り”ではなく、“後悔を少なくする愛の計画”です。 

自分自身の生活を充実させる

愛犬との時間は何より尊いものですが、同時に「自分自身の時間」も大切にしておくことが、ペットロスを軽減するカギになります。

ワンちゃんに全てを捧げるような生活は、愛情深い反面、失った後に支えを失ってしまうリスクもあります。
趣味・学び・人間関係など、自分の世界を少しずつ広げておくことが、「心の逃げ場」を作ってくれます。

たとえば、

  • 写真や絵でワンちゃんの姿を残す
  • ペット仲間と交流する
  • 動物保護ボランティアや寄付に関わる

など、「愛犬とのつながりを社会に広げる」形も素敵です。
ワンちゃんは、あなたが自分の人生を大切に生きることを一番喜んでくれる存在です。

新しい子犬を迎える

ペットロスを癒すきっかけとして、「新しい命を迎えること」を考える人も多いでしょう。
新しいワンちゃんを迎えることは、悲しみを忘れるためではなく、「再び愛する力を取り戻す」ための一歩です。

ただし、心の準備ができていないうちに迎えると、前の子を思い出して辛くなったり、「代わり」という気持ちが芽生えたりすることがあります。
それは新しい子にとっても、飼い主さんにとっても負担になります。

新しい子を迎えるタイミングの目安は、

  • 「亡くなった子を思い出しても涙より笑顔が出るようになった」
  • 「この子にも幸せをあげたい」と自然に思えた

と感じたとき。

それは、あなたが悲しみを愛情に変えられたサインです。
焦らず、自分の心に問いかけてみましょう。

 

新しい子犬を迎える前に知っておくこと

芝生の上の子犬

ペットロスから立ち直る途中で新しいワンちゃんを迎える場合、心の整理ができているかを見極めることがとても大切です。
ここでは、再出発の前に知っておくべき心構えを紹介します。

ペットロスから立ち直るための期間

「もう立ち直らなきゃ」と焦る必要はありません。
ペットロスの回復には個人差があり、早い人で数週間、長い人では数年かかることもあります。

悲しみの波は、ふとした瞬間に再び押し寄せることもあります。
でも、それは「心が壊れた」わけではなく、愛情が深かった証拠。
泣く日があってもいいのです。

大切なのは、「今の自分を否定しない」こと。
ゆっくりと、自分のペースで回復していけば大丈夫です。
焦らず、少しずつ笑顔を取り戻していきましょう。

新しい命を迎えることへの是非

新しい子犬を迎えることは、ペットロスを乗り越える手段のひとつですが、それが「前の子を忘れること」とはまったく違います。
むしろ、「前の子から受け取った愛情を、次の命へつなぐこと」でもあります。

ただし、「寂しいから」「早くこの悲しみを埋めたい」という理由だけで迎えると、心が追いつかず、後悔することもあります。

迎える前に、

  • 本当に愛情を注ぐ余裕があるか
  • 新しい子を一から育てる覚悟があるか

を自問してみてください。
そして、「新しい子を通じて、前の子の教えを生かす」つもりで接することができれば、それは素晴らしい再スタートになります。

亡くした犬と新しい犬を比較しないために

多くの飼い主さんがつまずくのが、「前の子と比べてしまうこと」です。
「この子はおっとりしていない」「前の子の方が賢かった」などと無意識に思ってしまうのは、当然のこと。

しかし、新しい子は「代わり」ではなく、「新しい個性を持った命」です。

比較してしまうたびに、「この子はこの子の魅力がある」と意識的に言葉にしてあげましょう。
性格、鳴き声、歩き方… すべて違って当たり前です。

違いを受け入れることで、新しい愛の形が育まれます。

そして、亡くなったワンちゃんの存在を「思い出の中の家族」として心に残しつつ、今の子と新しい関係を築くこと。
それこそが、ペットロスを本当の意味で乗り越えることにつながります。

 

まとめ

ペットロスは、ワンちゃんを深く愛したからこそ起こる、自然で尊い心の反応です。
悲しみを感じることは決して悪いことではありません。それは、あなたとワンちゃんが本当に強い絆で結ばれていた証なのです。

別れの痛みはすぐには消えませんが、時間とともに、悲しみは少しずつ感謝や愛しさに変わっていきます。
「一緒に過ごせて幸せだった」「たくさんの笑顔をくれた」と思えるようになるとき、あなたの心は確実に前を向いています。

そして、あなたが再び笑顔を見せたとき、ワンちゃんはきっと天国でしっぽを振りながら喜んでいるでしょう。
これからもその子は、あなたの心の中で、いつまでも大切な家族として生き続けていきます。

Breeder Familiesについて

BreederFamiliesのブリーダーを通じて ワンちゃんをお迎えすることが、 ペットをとりまく社会課題の解決に繋がります。

私たちが目指すのは、営利優先の悪徳ブリーダーを減らし、責任と愛情を持つ優良ブリーダーを支援することで、ワンちゃんの福祉が守られる社会の実現。
目の前の子犬だけでなく、親犬や引退犬も大切にされる環境を作り上げ、すべてのワンちゃんに優しいブリーディング環境の普及にむけて活動しています。

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