愛犬が死んだらどうする?後悔のない別れ方と必要な手続き

愛犬が死んだらどうする?後悔のない別れ方と必要な手続き

写真の中の愛犬

愛するワンちゃんとの別れは、人生の中でも特に悲しく、言葉にできないほどつらい瞬間です。突然の出来事に「何をすればいいの?」「どこに連絡したらいいの?」と戸惑う飼い主さんも多いでしょう。

そんなときこそ、焦らずに一つひとつの行動を知っておくことが、ワンちゃんを穏やかに見送るための大切な支えになります。

この記事では、愛犬が亡くなった直後に飼い主がやるべきこと、供養や火葬・埋葬の流れ、行政手続き、そして心のケアまでをやさしく分かりやすく解説します。

どんなに悲しくても、最後の時間を丁寧に過ごすことで、「ありがとう」と穏やかに見送ることができます。

 

愛犬が亡くなったら飼い主がやること

白百合

ワンちゃんが息を引き取る瞬間は、飼い主にとって言葉にならないほどの悲しみの時間です。胸が締めつけられるような思いの中で、「何をすればいいのか分からない」という方も多いでしょう。
けれども、この直後の行動が、ワンちゃんを穏やかに送り出すための大切な第一歩になります。焦らず、深呼吸をして、一つひとつゆっくり行いましょう。

愛犬の遺体の処置(エンゼルケア)

最初にしてあげたいのは、ワンちゃんの体を清めてあげること。
これは「エンゼルケア」と呼ばれ、最期にできる“感謝の時間”でもあります。

  • 清潔なタオルをぬるま湯で湿らせ、体をやさしく拭いてあげる
  • 毛並みを整え、いつものようにブラシをかける
  • 口や肛門まわりを軽く拭き、体液が漏れないようにする

そのとき、「ありがとう」「よく頑張ったね」と声をかけながら行うと、少しずつ気持ちが落ち着いていきます。
ワンちゃんも安心して眠るように見えるはずです。

愛犬の遺体の安置

エンゼルケアが終わったら、遺体を涼しい場所に安置しましょう。
冷房の効いた部屋や玄関など、温度が低い場所が望ましいです。

体の下やお腹のあたりに保冷剤やドライアイスを当て、腐敗を防ぎます。
お気に入りのタオルや毛布で包み、静かに寝かせてあげてください。

「まだ温もりが残っているのに…」と涙があふれるかもしれません。
それでも、この時間はとても大切です。ワンちゃんの姿をそっと見守りながら、ゆっくりと“お別れの準備”を整えていきましょう。

お別れの時間を設ける

火葬や埋葬の手配をする前に、家族みんなでワンちゃんに「ありがとう」を伝える時間を作りましょう。
好きだったおもちゃをそばに置いたり、お花を添えたり、写真を飾ったりして、思い出を振り返ります。
この時間は、家族にとっても心の整理のひとときになります。

「もう少し一緒にいたかった」「楽しい時間をありがとう」——
そうした気持ちを言葉にすることで、後悔のないお別れへとつながります。

供養の方法を決めて連絡する

お別れの時間を過ごしたら、次にワンちゃんの旅立ちの形を決めます。
火葬・埋葬・手元供養など、見送り方はいくつかあります。
家族の想いを話し合いながら、「どんな送り方がこの子らしいか」を考えてみてください。

決まったら、霊園やペット火葬業者へ連絡を入れ、希望の日時を伝えましょう。
信頼できる業者を選ぶために、口コミや対応の丁寧さもチェックしておくと安心です。

 

供養・埋葬方法の選択肢

選択肢

供養の方法にはいくつかの選択肢があります。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、費用面や希望に合わせて選びましょう。

火葬の種類

自治体による火葬

市区町村が行う火葬は、最も費用を抑えられる方法です(数千円〜1万円程度)。ただし、多くの自治体では他の動物と合同火葬されるため、遺骨の返却はできません。
「費用を抑えたい」「簡素に見送りたい」という方に向いています。

合同火葬

民間の霊園などで行われる合同火葬は、複数のペットを同時に火葬する形式です。費用は個別火葬より安く、1万円前後が一般的です。
ただし遺骨の返却はありませんが、合同墓地に納骨して供養してもらえます。

個別火葬

愛犬だけを個別に火葬する方法で、遺骨を返してもらえます。費用は2〜4万円前後。
「お骨を自宅に置いて供養したい」「きちんと見送りたい」という飼い主さんにおすすめです。

立ち会い火葬

個別火葬の中でも、飼い主が火葬に立ち会い、最後まで見届ける方法です。お骨上げ(拾骨)も自分の手で行えます。
費用は高め(3〜6万円程度)ですが、「最後まで一緒にいたい」と願う飼い主さんに選ばれています。

自宅での供養(埋葬・手元供養)の注意点

自宅の庭に埋葬する場合は、自分の土地であることが絶対条件です。公共の場や他人の敷地に埋葬するのは法律違反になります。
衛生面を考慮して、地面を50cm以上掘り、箱や布で包んで埋めましょう。

また、「手元供養」という形で遺骨を家に置くのも増えています。骨壺や小さなメモリアルカプセル、フォトスタンド型の供養グッズなどを使えば、いつでもワンちゃんを感じられます。

ペット霊園や寺院への依頼

ペット霊園や動物供養に対応したお寺では、火葬・納骨・供養をすべて任せることができます。読経や法要など、人と同じように丁寧に供養してくれる施設もあります。
費用は2万円〜5万円が相場ですが、安心してお任せできる点が魅力です。

 

愛犬が亡くなった後に必要な行政手続き

書類手続き

ワンちゃんが亡くなった後は、悲しみで胸がいっぱいになり、なかなか現実的なことを考えられないかもしれません。

しかし、飼い主としての最後の責任として、いくつかの行政手続きを行う必要があります。これらの手続きは、ワンちゃんの情報を正式に整理し、次のステップへ心を向けるための大切な区切りでもあります。

ここでは、忘れずに行いたい手続きとその流れをわかりやすく紹介します。

死亡届の提出(狂犬病予防法に基づく手続き)

生後91日以上の犬を飼育していた場合、狂犬病予防法により、ワンちゃんが亡くなってから30日以内に死亡届を提出する義務があります。
これは「登録情報を抹消し、正しい管理を続ける」ために必要な手続きです。

提出先は、居住地の市区町村の役所または保健所です。
窓口で「犬の死亡届を提出したい」と伝えれば、担当者が案内してくれます。自治体によってはオンラインで申請できるところもあります。

提出の際に必要なものは、一般的に次の通りです:

  • 犬の鑑札(登録時にもらうプレート)
  • 狂犬病予防注射済票(あれば)
  • 飼い主の身分証

手続き自体は5〜10分ほどで完了します。
「この子の登録を終える」というのは少し切ない作業ですが、これはワンちゃんを正式に見送るための最後の公的な手続きです。

畜犬登録の抹消(自治体への届け出)

死亡届を出すと同時に、畜犬登録の抹消も行われます。
これにより、翌年以降の狂犬病予防注射のお知らせが届かなくなります。

自治体によっては、「鑑札と注射済票の返却」を求められる場合もありますので、念のため持参しましょう。
担当者によっては「長い間、大切に育ててくださってありがとうございました」と声をかけてくれることもあり、その言葉に救われる飼い主さんも多いです。

マイクロチップ情報の変更手続き

近年、マイクロチップを装着しているワンちゃんも増えています。
もしワンちゃんがマイクロチップを登録していた場合は、**登録情報の変更(死亡の届出)**を忘れずに行いましょう。

登録先は、装着時に動物病院などで登録した機関です。
代表的なものとしては、

  • 環境省の「犬と猫のマイクロチップ登録システム」
  • 日本獣医師会の登録機関(AIPOなど)

があります。

登録内容を「死亡」と変更しておくことで、データが正確に保たれ、迷子や譲渡などの誤情報を防ぐことができます。
動物病院に相談すれば、代行してくれる場合もありますので、不安な方はまずかかりつけの先生に尋ねてみましょう。

 

愛犬の死でペットロスにならないために

ハートと手紙

大切なワンちゃんを失う悲しみは、簡単に言葉で表せるものではありません。長い時間を一緒に過ごしてきたからこそ、心にぽっかりと穴が空いたような感覚になるのは自然なことです。
「まだ受け入れられない」「何も手につかない」——そう感じても、それは飼い主さんの愛情が深かった証拠です。焦らず、ゆっくりと心を癒していきましょう。

ペットロスを軽くするために大切なのは、悲しみを閉じ込めないことです。無理に我慢したり、早く立ち直ろうとする必要はありません。
次のような方法を試してみると、少しずつ気持ちが整理されていきます。

  • ワンちゃんとの写真や思い出をアルバムにまとめる
  • 手紙を書いて「ありがとう」「大好きだよ」と伝える
  • 同じ経験をした人と話す(家族・友人・SNSコミュニティなど)
  • 専門のペットロスカウンセラーや心理士に相談する

悲しみは、共有することで少しずつやわらいでいきます。

また、供養を通じてワンちゃんへの想いを形にするのもおすすめです。お花を飾ったり、小さな仏壇を作ったり、好きだった場所に行って思い出を語るのもよい方法です。

そして、どうか覚えておいてください。
ワンちゃんは、飼い主さんの優しさに包まれて、幸せな一生を過ごしました。
あなたが笑顔でいてくれることこそが、ワンちゃんにとっての何よりの願いです。

「ありがとう」「また会おうね」——その気持ちを胸に、少しずつ日常を取り戻していきましょう。

 

まとめ

ワンちゃんとの別れは、誰にとってもつらく、簡単に受け入れられるものではありません。
けれども、最期の瞬間まで愛情を込めて見送ることができれば、それは何よりも大切な“飼い主としての贈りもの”になります。

亡くなった後の対応や手続きを正しく行うことは、ワンちゃんの旅立ちを支えると同時に、飼い主自身の心の整理にもつながります。
「ありがとう」「また会おうね」——その気持ちを忘れずに、ワンちゃんとの思い出を胸にこれからの日々を歩んでいきましょう。

Breeder Familiesについて

BreederFamiliesのブリーダーを通じて ワンちゃんをお迎えすることが、 ペットをとりまく社会課題の解決に繋がります。

私たちが目指すのは、営利優先の悪徳ブリーダーを減らし、責任と愛情を持つ優良ブリーダーを支援することで、ワンちゃんの福祉が守られる社会の実現。
目の前の子犬だけでなく、親犬や引退犬も大切にされる環境を作り上げ、すべてのワンちゃんに優しいブリーディング環境の普及にむけて活動しています。

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