”家族”のようにワンちゃんを大切にするブリーダー紹介(西山隼さん)「一番近い犬友達のような存在に」──ワンちゃんの一生に伴走するブリーダー

”家族”のようにワンちゃんを大切にするブリーダー紹介(西山隼さん)「一番近い犬友達のような存在に」──ワンちゃんの一生に伴走するブリーダー

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イタリアン・グレーハウンドと日本スピッツ。見た目も性格も異なる2犬種を専門にしながら、西山隼さんが一貫して大切にしているものがあります。

それは「ワンちゃんを売って終わりにしないこと」。

「親戚まではいかないけれど、家族までもいかない。でも、一番近い犬友達のような存在でいたいんです」そう語る西山さんの犬舎には、一般的なブリーダーのイメージとは少し違う空気が流れていました。

オーナーとの関係づくり、社会化へのこだわり、引退犬への責任、そして業界への問題意識。お話を通じて見えてきたのは、「生まれてから亡くなるまで」を見据えて伴走し続けるブリーダーの姿でした。

 

「お客様以上、家族未満」から始まる犬舎づくり

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△流木から作られた「ラーテル」の絵が入った看板



神奈川県でイタリアン・グレーハウンドと日本スピッツを専門に繁殖している西山隼さん。犬舎名である「Ratel(ラーテル)」には、西山さん自身の強い想いが込められています。

ラーテルとは、“世界一怖いもの知らずの動物”とも呼ばれる勇敢な生き物です。独立した当時、西山さんが目にしていたのは、数百頭規模で犬を飼育する大規模ブリーダーたちの存在でした。

「こうやると儲かるよ、みたいな話もたくさん聞きました。でも、そういうやり方は違うなと思ったんです」

犬を大量生産する仕組みに違和感を抱きながら、小規模でも自分の信じるブリーディングを続けていく。その決意を込めて、「大きな相手にも物おじしない」ラーテルの名前を犬舎名に選びました。

現在は約20頭の犬たちと暮らしながら、スタッフ4〜5名体制で日々のケアを行っています。「効率だけで考えれば違うのかもしれないですけど、今の頭数ならこの人数が必要」と、一頭一頭に目が届く環境を優先しています。

 

野生のイルカからワンちゃんへ──動物の一生に向き合い続けたキャリア

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△海が好き、と話す西山隼ブリーダー

 

実は西山さんのキャリアは、一般的なブリーダーとは少し異なります。ドルフィントレーナーの専門学校卒業後は三宅島でドルフィンスイムのガイドとして働き、野生のイルカと関わる日々を送り、動物園にて鳥の調教にも携わっています。

その後、知人のブリーダーの犬舎を手伝ったことをきっかけに、この世界へ入ります。ブリーダーの仕事を始まる前から変わらない原点は、

「言葉の通じない動物とどう心を通わせるか」

だからこそ、ペット業界の「当たり前」に流されず、本当に犬のため、人のためになっているのか考えることが西山さんのポリシーです。

その視点は犬舎での犬の繁殖に留まりません。

「犬がいるだけで、世界はずっとおもしろくなるんです」その言葉通り、西山さんは犬との出会いだけでなく、犬と過ごすイベント事業や、愛犬とのお別れを支える海洋葬事業にも取り組んでいます。

一見すると別々に見える事業ですが、すべてに共通するテーマがあります。それが、「犬の一生に寄り添うこと」です。

 

「犬側にしわ寄せがいく」──利益追求型ブリーディングへの違和感

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△イタリアン・グレーハウンドに囲まれる西山ブリーダー

 

西山さんが業界の課題として真っ先に挙げたのは、利益優先の繁殖でした。「人間は楽して稼ぎたい。でも、その楽をするしわ寄せが犬側にいってしまう」その言葉がとても印象的でした。

現在のペットオークション市場では、犬種によっては1頭数万円という価格で取引されることもあります。そうした仕組みの中では、どうしても大量繁殖や効率重視の飼育になりやすいといいます。

一方で、西山さんはペットショップへの卸販売はせず、現在はオーナーへ直接譲渡するスタイルを選びました。その理由はシンプルです。

「自分が繁殖した子が、その後どうなったのか知りたいんです」だからこそ、オーナーとの関係も大切にしています。犬を渡したら終わりではなく、その後の人生も一緒に見守っていく。それが西山さんの考えるブリーダーの責任です

 

「ニュートラルな状態で渡したい」──未来の家族に合わせる社会化

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西山さんの犬舎で特に印象的だったのが、社会化への考え方でした。「性格を作るというより、オーナーさんの色に染まりやすい状態で渡したいんです」そのため、子犬たちは様々な刺激に慣れる環境で育ちます。犬舎では一日中ラジオが流れています。男性の声、女性の声、音楽、生活音。様々な音に自然と触れられるようにしています。

さらに面白かったのが“匂い”への配慮です。柔軟剤も一種類に固定せず、複数をローテーションで使用しているそうです。
「僕らの匂いに染めたくないんですよ」あえて様々な匂いに慣れさせることで、新しい家庭に行った時の適応力を高めています。

また、西山さん自身がトレーナーの勉強をしてきた経験から、犬との暮らしで最も重要なのは「怖がらないこと」だと考えています。日常生活の中で過度に怯えない犬に育てること。

それが結果として飼いやすさにつながると考えています。

親犬や兄弟犬と過ごす時間も大切にしながら、人にも環境にも柔軟に対応できる子へ育てていく。それが西山さんの考える社会化です。

 

愛情深く、人と暮らしやすいワンちゃんたち

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イタリアン・グレーハウンドと日本スピッツには共通点があります。それが「愛情深さ」です。

イタリアン・グレーハウンドは、美しいシルエットからクールな印象を持たれがちですが、実際にはとても甘えん坊です。特にイタグレは、クールな見た目とは裏腹に甘えん坊な一面を持っています。家族のそばにいたがり、深い信頼関係を築く犬種です。

一方、日本スピッツについては、人間への愛情が強く、「初めて犬を飼う方にも向いている犬種」と西山さんは話します。素直な反応を見せてくれ、人とのコミュニケーションも取りやすいそうです。

そして、西山さんの犬舎の特徴は、犬たちがオーナーの色に染まっていくこと。実際に全国のオーナーと交流する機会が多い西山さんは、「みんなオーナーさんに似ているんですよね」と笑います。

犬舎で無理に性格を作り込むのではなく、新しい家族の中でその子らしさが育っていく。その土台づくりこそが、西山さんのブリーディングなのです。

 

全国のオーナーが集まる“犬友達の輪”

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△愛犬と楽しめる大型イベントを主催

 

取材中、特に驚いたのがオーナーさんとの関係性でした。年に3回のオフ会に加え、全国規模の大型イベントも主催しています。

ブリーダーの責任は、子犬を送り出すまでではなく、迎えられた後の生活も含めて支えていくこと、と考え、西山さんは全国からオーナーが集まるイベントを開催し、犬との暮らしを楽しむ場を作っています。

また、日常的な相談も数多く寄せられます。トイレトレーニングの相談。しつけの相談。新しく作ったおやつの相談。時には「今度近くでイベントがあるので一緒に行きませんか?」という連絡も。

「本当に犬友達みたいな感じですね」そう話す西山さんの表情からは、オーナーとの距離の近さが伝わってきました。

 

BreederFamiliesに参加した理由 道徳的な命へのまなざしを大切にしたい

スピッツ

 

西山さんがBreederFamiliesに共感した理由のひとつが、ミックス犬繁殖への問題提起でした。

「生き物の命を扱う以上、道徳的な視点をなくしてはいけない」その言葉には強い信念が感じられます。

また、西山さん自身も、遺伝子検査や健康管理、オーナーフォローなど、目に見えない部分に多くの時間とコストをかけています。
だからこそ、単純な価格競争ではなく、「どういう想いで育てているか」を伝えることが重要だと考えています。

BreederFamiliesもまた、そうした背景や価値観まで含めてブリーダーを知ってほしいという想いで活動しています。その考え方に共感いただいたことが、今回の掲載につながりました。

 

ワンちゃんの一生に伴走する“犬友達”でありたい

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取材を終えて最も印象に残ったのは、西山さんが何度も口にした「その後」の話でした。

子犬を迎えた後。
成犬になった後。
引退犬になった後。
そして亡くなった後。

実際に西山さんは、引退犬の譲渡やワンちゃんが亡くなった後の海洋散骨の仕組みまで整えています。それは単なるサービスではなく、「犬の一生に責任を持つ」という考え方の延長線上にあるものです。

「家族まではいかないけれど、一番近い犬友達でいたい」その言葉通り、西山さんはブリーダーという立場を超えて、オーナーとワンちゃんの人生に寄り添い続けています。

犬を迎えることは、十数年続く家族との暮らしの始まりです。そのスタートだけでなく、ゴールまで一緒に歩んでくれる存在がいること。それこそが、西山隼ブリーダーの犬舎の最大の魅力だと感じました。

 

西山隼ブリーダーの詳細情報や子犬たちはこちら

Breeder Familiesについて

BreederFamiliesのブリーダーを通じて ワンちゃんをお迎えすることが、 ペットをとりまく社会課題の解決に繋がります。

私たちが目指すのは、営利優先の悪徳ブリーダーを減らし、責任と愛情を持つ優良ブリーダーを支援することで、ワンちゃんの福祉が守られる社会の実現。
目の前の子犬だけでなく、親犬や引退犬も大切にされる環境を作り上げ、すべてのワンちゃんに優しいブリーディング環境の普及にむけて活動しています。

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