ブリーダー紹介
"家族"のようにワンちゃんを大切にするブリーダー紹介(小栗剛さん)|「ちゃんとしたハスキーを」──ペットショップへの疑問から歩み出した、人懐っこいシベリアンハスキーの犬舎
"家族"のようにワンちゃんを大切にするブリーダー紹介(小栗剛さん)|「ちゃんとしたハスキーを」──ペットショップへの疑問から歩み出した、人懐っこいシベリアンハスキーの犬舎
犬舎にお邪魔してドアを開けたその瞬間、私たちは元気いっぱいのハスキーたちの"洗礼"を受けました。大きな体で近づいてきては、しっぽを振り、こちらの様子をうかがう――シベリアンハスキーといえば、どこか凛として近寄りがたい印象を抱いていた私たちは、その人懐っこさにいい意味で驚かされました。
埼玉県でシベリアンハスキー一筋に歩んでこられた小栗剛さん。「ちゃんとしたハスキーを残したい」という一本の想いが、この犬舎のあたたかな空気の背景にありました。
「これ、本当にハスキー?」――ペットショップへの疑問から始まった犬舎
小栗さんにこれまでの歩みを伺うと、その原点には一つの苦い経験がありました。かつて小栗さんは、ペットショップでシベリアンハスキーを家族として迎えました。ところが、成長するにつれて「なんだか様子がおかしい」と感じることが増えていったといいます。
気になって遺伝子検査を受けてみると、その子には別の犬種の血が混じっていることが分かりました。純血だと思っていたハスキーが、実は掛け合わされた雑種だったのです。
この経験から、小栗さんはペットショップという仕組みそのものに疑問を抱くようになります。どこからどう来た子なのか分からないまま売られていく――そんな現状への違和感が、「それなら、自分の手でちゃんとしたシベリアンハスキーを残していきたい」という決意へと変わっていきました。
犬舎といっても大がかりな施設があるわけではなく、ご夫婦の暮らしの延長にあります。医療機器のエンジニアとして働くご主人を、奥さまがいつもそばで支えながら、二人三脚でハスキーたちと向き合っておられます。なかにはウクライナから受け継いだ血統の子もおり、確かな血をていねいにつないでいることが、お話の端々から伝わってきました。
ドアを開けた瞬間の"洗礼"――人懐っこいハスキーたちと過ごした時間
私たちが何より驚かされたのは、やはりワンちゃんたちの人懐っこさでした。先ほど触れた"洗礼"のとおり、犬舎に足を踏み入れると、ハスキーたちがいっせいに近づいてきます。凛々しい見た目からは想像しにくいほど、どの子も甘え上手で、初対面の私たちにも物怖じせず身を寄せてきました。
その様子は、この犬舎が"暮らしの場"そのものであることと切り離せません。一階のリビングは、まるごとハスキーたちのお部屋。人のスペースはといえば、小さな机とパソコンが置かれた一角だけで、広い庭ともつながっています。人が犬に合わせて暮らしている――その関係が、部屋に入った瞬間から伝わってきました。
母犬たちはみな母性が豊かで、子育ても犬舎のみんなで担っているような、あたたかな空気が流れています。
この穏やかで人なつこい性格は、偶然生まれたものではありません。子犬たちはお迎えまで母犬のそばで過ごし、兄弟犬や引退犬とも一緒に遊びながら、犬同士のふるまいを少しずつ学んでいきます。健康管理を兼ねて日々全身に触れられているため、体のどこを触られても嫌がらず、テレビなどの生活音にも自然に慣れています。
見学に訪れた方は、子犬だけでなく親犬や兄弟犬にも会うことができます。代々の家族がそろって人懐っこいその様子を目にすれば、迎えようとしている子犬が将来どんなふうに育つのか、はっきりと思い描けるはずです。
北欧生まれのハスキーが、日本で健やかに暮らすために
和やかな時間のなかでも、健康の話になると、小栗さんの言葉には芯が通りました。シベリアンハスキーは北欧の寒冷な気候で育まれた犬種です。日本の気候とは大きく異なるため、小栗さんは室内の温度・湿度をこまやかに管理し、ハスキーたちが一年を通して快適に過ごせるように気を配っています。
住まいのしつらえにも、ハスキーという犬種への理解が細やかに息づいていました。壁には破られないようシートを張り、噛み切られないようコンセントは金属で囲い、ソファは牛皮を用いるなど、力の強いハスキーと安心して暮らすための工夫が随所に施されています。
床は滑ってケガをしないよう配慮され、トイレまわりは排泄物がしみ込まない素材に。お水も飲みやすい高さに整えられていました。そしてこうした工夫の一つひとつを、小栗さんはお迎えする飼い主さんにもていねいに説明しているといいます。
健康への備えも徹底しています。交配の前には、シベリアンハスキーで発症率の高いPRA(進行性網膜萎縮症)に加え、股関節や肘関節の状態も親犬でしっかり確認し、問題のない親犬だけを選んで掛け合わせています。繁殖犬・成犬は全頭、年に一度の健康診断を欠かさず、子犬は産まれて落ち着いた頃にかかりつけ医で診てもらいます。
母犬の体への負担にも配慮し、初回の発情では交配を見送るなど、出産は無理のない範囲にとどめています。引退犬も含めて数を絞った少数飼育で、一頭一頭に目が届く体制を保っています。
小栗さんの健康への向き合い方を象徴する出来事もありました。口唇裂を抱えて生まれた子犬がいたとき、小栗さんは毎日その子を病院へ連れて行き、二時間おきにカテーテルで栄養を届け続けていました。多くのブリーダーなら諦めてしまうような状況でも、決してその手を離さない。小さな命に真正面から向き合うその姿に、私たちは小栗さんのブリーダーとしての覚悟を見た気がしました。
「覚悟を持って迎えてほしい」――託したあとも続く関係
小栗さんは、お迎えいただく飼い主さんとの向き合い方も大切にしています。お譲りする際には、必ず一度犬舎まで足を運んでいただくようにしているといいます。ハスキーはおとなしい一方で力が強く、時にいろいろなものを壊してしまうこともある犬種です。
かつてのブームのなかで、その大変さを知らずに迎えてしまい、手放されてしまった子がいる現実も、小栗さんは知っています。だからこそ、その子の一生に責任を持てる、覚悟のある方に迎えてほしい――そんな願いから、検討の段階でハスキーとの暮らしを包み隠さずお伝えしています。
託したあとも、関係はそこで途切れません。お迎えの際にはフードをお渡しし、切り替える場合の進め方もあわせて説明して、新しい暮らしの第一歩を支えます。
お迎え後も飼い主さんと繋がり続け、定期的にオフ会も開かれるなど、飼い主同士、そして小栗さんとのつながりが長く続いていきます。ペットショップへの疑問から「ちゃんとしたハスキーを残したい」と歩んできた小栗さんの姿勢は、誠実なブリーダーだけを紹介するというBreederFamiliesのあり方と、まっすぐ同じ方向を向いています。
まとめ
凛々しいシベリアンハスキーが、これほどまでに安心して人に身を寄せてくる――小栗剛さんの犬舎で過ごした時間に残ったのは、あの"洗礼"のあたたかさでした。それは、小栗さんがペットショップへの疑問を出発点に、確かな血統と日々の愛情、そして健康への妥協のない向き合い方を、一つずつ積み重ねてきたことの何よりの証なのだと思います。
北欧生まれのハスキーが日本で健やかに暮らせるように心を配り、小さな命にも決して諦めずに向き合う小栗さん。その誠実な姿は、はじめてシベリアンハスキーを迎える方にとって、大きな安心になるはずです。人懐っこく、力強くも愛らしいハスキーたちと出会いたい方に、ぜひ知っていただきたいブリーダーさんです。
Breeder Familiesについて
BreederFamiliesのブリーダーを通じて ワンちゃんをお迎えすることが、 ペットをとりまく社会課題の解決に繋がります。
私たちが目指すのは、営利優先の悪徳ブリーダーを減らし、責任と愛情を持つ優良ブリーダーを支援することで、ワンちゃんの福祉が守られる社会の実現。
目の前の子犬だけでなく、親犬や引退犬も大切にされる環境を作り上げ、すべてのワンちゃんに優しいブリーディング環境の普及にむけて活動しています。