"家族"のようにワンちゃんを大切にするブリーダー紹介(五島秀樹さん)|「お手入れを教えられないと、ブリーダーとは言えない」アフガンハウンド専門の犬舎

"家族"のようにワンちゃんを大切にするブリーダー紹介(五島秀樹さん)|「お手入れを教えられないと、ブリーダーとは言えない」アフガンハウンド専門の犬舎

「芝の運動場で、三頭のアフガンハウンドが出迎えてくれました」
「芝の運動場で、三頭のアフガンハウンドが出迎えてくれました」

 

犬舎に着いてまず目に入ってきたのは、芝の運動場と、そこに立つ三頭のアフガンハウンドでした。長い被毛が風にゆれ、初対面の私たちにも穏やかな表情を向けてくれます。人の手が伸びてきても嫌がるそぶりはまったくなく、そのままそっと寄り添ってくれました。

神奈川県でアフガンハウンドとボルゾイを育てる五島秀樹さん。審査員の資格を持ち、ハンドラーの委員会で後進の指導にもあたる、犬種のプロフェッショナルです。それでいて犬舎に流れていたのは、専門家の張りつめた空気ではなく、犬たちがのびのびと暮らす日常のリズムでした。

 

「格好いい」に惹かれた日から――ショーの世界を歩んできた道のり

△「アフガンハウンドの子犬。すらりとした体つきに、この時期からもう犬種らしさがのぞきます」
△「アフガンハウンドの子犬。すらりとした体つきに、この時期からもう犬種らしさがのぞきます」

 

五島さんに、犬と歩みはじめたきっかけを伺いました。原点はとてもまっすぐな気持ちでした。アフガンハウンドとボルゾイが「格好いい」と感じたこと。その広告を見て一頭を譲ってもらったところから、犬との暮らしが始まったといいます。

譲ってくださった方はドッグショーに出ている方でした。自然とショーを見に行くようになり、やがて自分の犬を出すようになります。先輩ブリーダーから教わりながら、繁殖にも取り組むようになっていきました。今も本業は別にお持ちですが、犬と向き合う時間は生活の一部として深く根を張っています。

歩んできた年月は、肩書きにも表れています。五島さんは審査員の資格を持ち、後進を指導するハンドラーの委員会にも所属されています。ドッグショーには積極的に出陳し、チャンピオン犬も輩出。スタンダードから外れない健康な子を残すために、海外から優れた血統を取り入れることもあるそうです。アフガンハウンドの血統を登録・確認できる海外のデータベースにも登録し、世界のブリーダーの情報にも目を配っています。

手がける犬種は、アフガンハウンドとボルゾイの二種に絞られています。今はアフガンハウンドに軸足を置き、ボルゾイについては今後、繁殖を控えていく考えもあるとのことでした。数を広げるのではなく、知り尽くした犬種に力を注ぐ――その姿勢が、この犬舎の土台にあります。

 

芝の運動場と、人の手を嫌がらない子たち

△「しゃがむと、子犬たちがわれ先にと寄ってきます。人の手を怖がる子は一頭もいませんでした」
△「しゃがむと、子犬たちがわれ先にと寄ってきます。人の手を怖がる子は一頭もいませんでした」

 

△「木陰のある芝の運動場。約100坪の広さで、のびのびと体を動かせます」
△「木陰のある芝の運動場。約100坪の広さで、のびのびと体を動かせます」

 

△「犬舎で過ごす引退犬たち。繁殖を終えたあとも、被毛はそのままに、家族として穏やかに暮らしています」
△「犬舎で過ごす引退犬たち。繁殖を終えたあとも、被毛はそのままに、家族として穏やかに暮らしています」

 

訪問した日、犬たちが暮らす場所をぐるりと見せていただきました。敷地の中には約100坪の運動場があり、芝の上を気持ちよさそうに走れる広さがあります。屋根付きの運動場も備えられているので、梅雨の時期でも十分に体を動かせる環境です。犬たちはケージから順番に運動場へ出され、1日3〜4回、短いときは20分、長いときは1時間ほどの時間をのびのびと過ごします。

犬たちの居場所は、犬舎の建物と、五島さんご自身のお住まい、そして屋内外の運動場に分かれています。年齢を重ねたシニアの子は自宅の屋内で、いつでも目が届くところでお世話をされていました。周りに家がない立地のため、思わず声を出してしまっても気にすることがありません。大型犬たちが遠慮なく過ごせる環境が、そのまま整っているのです。

犬舎は清潔に保たれていました。大型犬がこれだけ暮らしているのに、においはあまり感じられません。毛布を敷いた寝床はこまめに入れ替えられ、床はタイルの上にすのこを重ねて底上げし、水はけが良くなるよう工夫されています。消毒には安全性を考えて木酢液を中心に使い、運動場では次亜塩素酸も併用。犬舎には温度計と業務用エアコンが備えられ、夏はしっかりと稼働させて快適さを保っていました。

そして何より印象に残ったのは、犬たちのおおらかさです。なかにはシャイな子もいますが、明るく人懐っこい子が多く、人の手にも慣れています。触られることを嫌がるそぶりを見せる子が、一頭もいませんでした。こうした環境で生まれてくる子犬たちは、犬にも人にもおおらかに育っていくのだろうと感じました。

その素直さは、日々の積み重ねから生まれています。子犬たちはお母さん犬や兄弟犬と一緒に過ごし、性格の優しい成犬とも遊ばせてもらいながら、遊び方や犬同士のルールを覚えていきます。ショーに出すために五島さんご自身が小さな頃から体に触れてチェックし、時期を見て来客の方にも触ってもらう。子犬の部屋には見守りカメラが2台設置され、常に人の目が届くようになっています。起きたタイミングで部屋の外に出し、ベッド以外の場所で用を足す習慣づけも進められていました。

繁殖を引退した子たちも、そのまま家族として暮らしています。被毛も切らずそのままの姿で、穏やかに過ごしていました。過去に一度だけ、どうしてもと望まれて引退犬をオーナーさんにお譲りしたことがあるそうですが、それはその一頭だけ。あとはみな、終生ここで見守られています。

訪問した日には、うれしい光景にも立ち会いました。1週間前に巣立っていった子犬たちが里帰りしていて、姉妹同士でじゃれ合う姿を見せてくれたのです。巣立った先でも大切にされていることが、その表情から伝わってきました。

 

アフガンハウンド専門だからこその、お手入れと健康

△「お手入れのためのテーブルとドライヤー。アフガンハウンドの被毛は、こまめなシャンプーとブラッシングで保たれています」
△「お手入れのためのテーブルとドライヤー。アフガンハウンドの被毛は、こまめなシャンプーとブラッシングで保たれています」

 

和やかな時間のなかでも、お手入れの話になると五島さんの言葉には芯が通りました。アフガンハウンドは毛を切らずに保つ犬種です。毛玉をつくらないためには、多い子で週に1回、平均でも月に2回のシャンプーが欠かせません。個体によっては月に5回洗う子もいるといいます。

しかも毛質は一頭ごとに違います。その子の毛に合わせたお手入れができるのは、アフガンハウンドを専門に手がけてきた五島さんだからこそ。だからオーナーさんへのお手入れのレクチャーも惜しみません。「アフガンのブリーダーとして、お手入れの方法を教えられないとブリーダーとは言えない」。そう言い切る言葉に、この犬種と長く向き合ってきた自負がにじんでいました。実際、犬たちはきちんと手入れが行き届いていて、においが気になる子は一頭もいませんでした。

健康を守る体制も、ひとつの病院に頼りきりではありません。かかりつけの獣医師に加え、専門医や繁殖科の先生、大学病院ともつながりを持ち、状況に応じて適した医療機関で診てもらえるようにしています。母犬の健康管理は往診で対応してもらい、ワクチンやマイクロチップ装着のタイミングに合わせて子犬も獣医師に確認してもらう。繁殖の前には血液検査を行い、母犬の体に負担がないかを確かめています。

少し驚いたのは、供血犬として大学に協力されているという話でした。定期的に供血に通っており、その際に血液検査やレントゲンを受けるため、健康状態を確認できる機会にもなっているそうです。犬たちの健康が、他のワンちゃんの命を支えることにもつながっています。

食事も、年齢と体に合わせて分けられています。成長期の子犬には栄養バランスがとれて続けやすいフードを、成犬には油分が多すぎないフードを。そこにお肉屋さんから仕入れたお肉を煮込んだものや、魚を混ぜたものをかけ、缶詰も活用します。子犬にはヤギミルクを、繁殖に向かう子や被毛の状態を見ながらビタミンEやDHA系のサプリメントも取り入れています。おやつは生肉をフードドライヤーで乾かした手作り。ボルゾイについては胃捻転を防ぐため、食後の安静時間もしっかりはかっているそうです。

母犬の出産にも、はっきりとした方針があります。初めての繁殖はショーでチャンピオンになってから、3〜4歳ごろまで待って行います。生涯の繁殖は1回ほどにとどめるケースが多く、たとえチャンピオンになった子でも、健康に不安があれば繁殖は行いません。

 

「見て、納得してから」――親犬に会い、成長を一緒に見届けてもらう

△「芝の運動場では、年齢のちがう子たちが思い思いに過ごしています」
△「芝の運動場では、年齢のちがう子たちが思い思いに過ごしています」

 

五島さんのお譲りの仕方には、はっきりとした順番があります。お迎えを検討される方には、まず親犬や成犬に会っていただくのです。

生活環境も、性格も、大きさも。犬種の良いところだけでなく、大変なところも十分に説明したうえで、実際に見て納得できた方に子犬をお譲りしています。だから見学はいつでも可能です。見学は自宅で対応し、ご希望があれば犬たちが暮らす犬舎も包み隠さず見せてくださいます。母犬だけでなく祖父母犬にも会えるので、家系全体の性格や姿を確かめることもできます。

オーナーさんが決まってからのやりとりも、五島さんらしいものでした。毎日、子犬の写真や動画をたくさん送るため、その数は総数1000枚近くになることもあるといいます。お迎え前から一緒に子犬の成長を見ていってほしい、という気持ちからです。もし血統書を提出する期限までにオーナーさんが決まらなかった場合は、ご自身の家の子として迎えるとのことでした。

遠方の方でも、お迎えまでに2回ほど足を運んでいただきます。空輸に頼らないのは、直接会って確かめたうえで迎えてほしいからです。お迎えの際にはフードと、ワクチン接種証明やマイクロチップの証明書をお渡しし、血統書は後日お送りしています。

そして、巣立ったあとも関わりは続きます。里帰りはいつでも大歓迎。むしろ、里帰りしてもらえると自分が思い描いた通りに成長しているかを確認できるのでありがたい、と話してくださいました。お迎え後はLINEで兄弟犬のグループを作り、いつでも相談できるようにしています。お預かりやシャンプー、トリミングも受け付けており、暮らしが続いていくその先まで支えてくださいます。

ショーに挑戦したいという方にとっても、心強い存在です。五島さんはショーチャレンジを推奨しており、審査員としての知識と経験を惜しまず分けてくださいます。

 

「ちゃんとしたブリーダーだけが並ぶ場所」を待っていた――BreederFamiliesへの参加

△「庭に置かれた台に前足をかけて。遊びのなかで、いろいろなものに慣れていきます」
△「庭に置かれた台に前足をかけて。遊びのなかで、いろいろなものに慣れていきます」

 

五島さんは、これまで子犬の掲載サイトに登録することをしてきませんでした。理由ははっきりしています。犬ときちんと向き合っているブリーダーだけが並んでいる場所が、見当たらなかったからです。

BreederFamiliesを知ったのは、インターネットを見ていたときのことでした。掲載の基準に目を通して、「基準がよさそうだった」。長く犬種と向き合い、審査員として多くの犬を見てきた方の目にそう映ったことを、私たちも重く受け止めています。

迎える側からは、どのブリーダーがどんな考えで繁殖をしているのか、外からはなかなか見えません。だからこそ、基準を持った場所が広がっていくことが、迎える人の正しい選択につながっていく。五島さんの参加は、その一歩を一緒に踏み出していただいたということだと考えています。

 

まとめ

△「運動場を駆けてくる子犬。この環境で、犬にも人にもおおらかな子が育っていきます」
△「運動場を駆けてくる子犬。この環境で、犬にも人にもおおらかな子が育っていきます」

 

「格好いい」という素直な憧れから始まり、ショーの世界を歩み、いまは審査員として後進を導く立場になった五島秀樹さん。それでも語り口はどこまでも実務的で、話の中心にはいつも、目の前の犬たちの毛や体、暮らしがありました。

芝の運動場でのびのびと過ごす子たち。触られても嫌がらない、おおらかな表情。被毛をそのままに穏やかに暮らす引退犬たち。そして1週間前に巣立った姉妹が里帰りして、じゃれ合っていた光景。

親犬に会って、良いところも大変なところも知って、納得してから迎えてほしい。お手入れの方法まできちんと伝えられて、はじめてブリーダーだと言える。その筋の通った考え方があるからこそ、アフガンハウンドという少し特別な犬種を、はじめて家族に迎える方にも安心しておすすめできる犬舎です。

 

五島ブリーダーの詳細情報や子犬たちはこちら

Breeder Familiesについて

BreederFamiliesのブリーダーを通じて ワンちゃんをお迎えすることが、 ペットをとりまく社会課題の解決に繋がります。

私たちが目指すのは、営利優先の悪徳ブリーダーを減らし、責任と愛情を持つ優良ブリーダーを支援することで、ワンちゃんの福祉が守られる社会の実現。
目の前の子犬だけでなく、親犬や引退犬も大切にされる環境を作り上げ、すべてのワンちゃんに優しいブリーディング環境の普及にむけて活動しています。

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