"家族"のようにワンちゃんを大切にするブリーダー紹介(藤山朋子さん)|パグ一筋20年、名前を呼べば返事が返ってくる犬舎

"家族"のようにワンちゃんを大切にするブリーダー紹介(藤山朋子さん)|パグ一筋20年、名前を呼べば返事が返ってくる犬舎

「柵に前足をかけて、順番待ちのように顔を並べて出迎えてくれるパグたち」
「柵に前足をかけて、順番待ちのように顔を並べて出迎えてくれるパグたち」

 

鼻の低い顔に、くるりと巻いた尾。パグの愛嬌は、写真で眺めているときよりも、実際に会ったときのほうがずっと伝わってきます。

東京都福生市で、パグだけを20年育てている藤山朋子さん。訪ねてみると、家のほとんどが犬のためのスペースになっていました。

部屋に通されてすぐ、いっせいに声が上がります。初対面の私たちに、パグたちが正直に反応したのです。

けれど藤山さんがおやつを見せて声をかけると、その声はすっと収まりました。あとに残ったのは、柵に前足をかけて「ぼくもなでて」と身を乗り出してくる、人懐っこい顔ばかりでした。

 

はじまりは、一頭のパグとの暮らしから

「△部屋の壁には、これまでのドッグショーのロゼットがずらりと並んでいます」
「△部屋の壁には、これまでのドッグショーのロゼットがずらりと並んでいます」

 

「△ドッグショーの会場にて。チャンピオンの称号を重ねてきました」
「△ドッグショーの会場にて。チャンピオンの称号を重ねてきました」

 

藤山さんに、パグと歩みはじめたきっかけを伺いました。はじまりは、一頭のパグとの暮らしでした。

初代のパグと過ごした日々が、この犬種との長い付き合いの入り口になります。愛嬌のある表情も、思いのほか頑固なところも、暮らしのなかで少しずつ知っていきました。

やがて藤山さんは、自分の手で育てた子をドッグショーに出してみたいと思うようになります。そこから、ショーの日々が始まりました。

もちろん、最初からうまくいったわけではありません。思うように育たない経験も重ねてきたと、率直に話してくださいました。

それでも扱う犬種を広げることはせず、今日までパグ一種だけを続けています。

部屋の壁には、これまでのロゼットがずらりと並んでいました。アメリカのショーにも足を運び、チャンピオンも輩出しています。今も現役で会場に立ち続けているブリーダーさんです。

血統は、スペインやアメリカを中心に海外から迎え入れています。ヨーロッパからも、優れたパグを導入してきました。

犬種本来の姿を守ることと、健康な子を残すこと。藤山さんにとってこの二つは、別々の話ではありませんでした。

 

ドアの向こうは、ほとんどが犬のための部屋

「△日よけを張った人工芝の運動スペース。外の空気を吸いながら体を動かせます」
「△日よけを張った人工芝の運動スペース。外の空気を吸いながら体を動かせます」

 

訪問した日、暮らしの場を見せていただきました。まず伝わってきたのは、この家が犬を中心に組み立てられているということです。

過ごし方は一律ではありません。フリーで室内をうろうろする子と、ケージで休む子は順番に入れ替わります。目の見えない子や妊娠中の子は、また別のサークルで静かに過ごせるようにしてありました。

その日の体調や状態に合わせて、居場所が用意されている。頭数のわりに空気が落ち着いているのは、この設計のおかげだと感じました。

床は、足腰に負担がかからないよう厚みのあるクッションフロア。掃除は朝を中心に、汚れたその都度。何頭ものパグが暮らす部屋でありながら、においが気になることはありませんでした。

ベランダにも、遊べるスペースが用意されていました。屋外には日よけを張った人工芝の一角もあり、外の空気を吸いながら体を動かせます。

ふだんはリビングで自由に過ごし、半分以上の子はうろうろと歩き回りながら、藤山さんと一緒にテレビを見ていることもあるそうです。藤山さんが営む美容室にも運動用のサークルがあり、そこでも短い時間、体を動かして遊んでいます。

 

「ぼくもなでて」――名前を呼べば、返事が返ってくる

「△『ぼくもなでて』と言わんばかりに、まっすぐ顔を向けてくれました」
「△『ぼくもなでて』と言わんばかりに、まっすぐ顔を向けてくれました」

 

この犬舎でいちばん心に残ったのは、パグたちの表情でした。

最初こそいっせいに吠えましたが、藤山さんからおやつをもらってなだめてもらうと、それきりです。あとはもう、すっかり人懐っこい顔になります。

柵の前に座っていると、次々に前足をかけて身を乗り出してきます。「ぼくもなでて」と言わんばかりに、順番待ちのように顔が並ぶのです。

そして藤山さんが名前を呼ぶと、必ず返事が返ってきます。ぱっと顔を上げて、まっすぐに視線を向ける。藤山さんのことが大好きなのだと、見ているだけで伝わってきました。

床に寝そべってくつろぐ子、おもちゃをくわえて歩く子、こちらをじっと観察している子。どの子も緊張していません。初対面の人間が部屋にいても、日常のリズムがそのまま続いていました。

この落ち着きは、育ち方から来ています。子犬は授乳期のあいだ母犬や兄弟犬とずっと一緒に過ごし、他の成犬とも柵越しに関わりながら、犬同士のルールを覚えていきます。

育つ場所も、リビングと続きになった部屋です。手が届くところで日々触れられ、朝7時の掃除機の音にも小さいころから慣れているので、生活音にびくつくことがありません。

見学に来た方は、母犬や父犬だけでなく、祖父母犬にも会うことができます。成長したらどんな姿になり、どんな性格になっていくのか。何世代も並んだ姿を見れば、その見通しが立ちます。

引退した子たちも、そのまま家族としてここで暮らしています。11歳と13歳のシニアの子も一緒です。

子犬を迎えた方から「親犬を譲ってほしい」という声が上がり、争奪戦のようになることもあるそうです。この犬舎の親犬たちが、どれだけ愛されているかが伝わってきます。

 

スタンダードと健康を、一本の線の上に

「△両手にすっぽりと収まる、お迎えを待つ子犬たち」
「△両手にすっぽりと収まる、お迎えを待つ子犬たち」

 

藤山さんが大切にしているのは、見た目の流行に寄せないということです。扱うのは、パグのスタンダードにあるカラーだけ。犬種本来の姿から離れる方向へは進みません。

繁殖に使う親犬には、遺伝子検査を行っています。専門の検査機関であるオリベットにお願いし、パグにとって大切なDM(変性性脊髄症)をはじめ、複数の項目を調べています。

その結果をもとに、問題のない組み合わせだけを選んで交配します。

母犬への配慮は、日々の暮らしから始まっていました。散歩にもきちんと出て、しっかりとした体をつくる。帝王切開になりづらい、丈夫な母犬を育てるためです。

そのうえで、初めての出産は1歳を過ぎてから。「1年に1回しか生ませない。間を空けないと、お母さんが痛むから」。生涯の出産回数も、おおむね3〜4回までに抑えています。

現役の子は約10頭、そこに引退したシニア犬が加わります。世話は基本的に藤山さんおひとりで、美容室の仕事と両立させています。ショーで留守にするときは、次女の方が見守ってくださるそうです。

一頭ずつに目が届く頭数だからこそ、あの落ち着いた表情が保たれているのだと感じました。

 

「トイレは100パーセントにしてから」――託したあとも、続いていく

「△見学の途中、膝の上に乗ってきて、すっかりくつろいでいました」
「△見学の途中、膝の上に乗ってきて、すっかりくつろいでいました」

 

お渡しのあと、迎えた方からとくに喜ばれるのがトイレのことだといいます。藤山さんは、トイレを100パーセントにしてから託しています。

子犬は母犬のすることを見ながら、生後2週間ごろには自然とトイレを覚えていきます。お渡しのころにはトレーニングができあがっているので、新しい暮らしをすんなり始められるのです。

そして、託したあとが本当のお付き合いの始まりでした。飼い主さんからの相談を、藤山さんはひとつずつ受け止めています。

爪が切れないという相談にも応じ、夜泣きで困っている方には「テレビをつけておくと鳴き止みますよ」と、その場で試せる助言を返す。困りごとの解き方まで、経験から出てくるのです。

定期的に近況の連絡が届いたり、ショーの会場に会いに来てくれたり。オーナーさん同士がつながって、パグを連れてキャンプに出かけることもあるそうです。

BreederFamiliesは、犬ときちんと向き合っているブリーダーだけが並ぶ場所を目指しています。

パグという犬種と20年向き合い、託したあとのつながりまで大切にしてきた藤山さんに参加していただけたことを、私たちも嬉しく思っています。

 

まとめ

「△取材の間も、寄り添いながらいつもの日常のリズムで過ごしていました」
「△取材の間も、寄り添いながらいつもの日常のリズムで過ごしていました」

 

一頭のパグとの暮らしから始まり、パグ一筋で20年。藤山朋子さんの言葉には、飾ったところがありませんでした。

壁いっぱいのロゼットも、海外から迎えた血統も、遺伝子検査も、突き詰めれば「健康なパグを残す」という一点につながっています。

そして何より覚えているのは、柵に前足をかけて並んだあの顔と、名前を呼ばれてぱっと振り向いた瞬間です。

部屋のほとんどを犬に明け渡し、引退した子もシニアの子も一緒に暮らし、託したあとも相談に応え続ける。はじめてパグを家族に迎える方にも、安心しておすすめできる犬舎です。

 

藤山ブリーダーの詳細情報や子犬たちはこちら

Breeder Familiesについて

BreederFamiliesのブリーダーを通じて ワンちゃんをお迎えすることが、 ペットをとりまく社会課題の解決に繋がります。

私たちが目指すのは、営利優先の悪徳ブリーダーを減らし、責任と愛情を持つ優良ブリーダーを支援することで、ワンちゃんの福祉が守られる社会の実現。
目の前の子犬だけでなく、親犬や引退犬も大切にされる環境を作り上げ、すべてのワンちゃんに優しいブリーディング環境の普及にむけて活動しています。

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