【Special Interview】
犬猫への関心の”輪を広げる” Cuddle magazine NATANEさん&英里さん
犬猫に関する課題を考えると気持ちが暗くなることもあるけれど、
毎年プロジェクトの形を変化させていく、Cuddle magazineを見ているとワクワクするんです!
前向きな企画の裏にある、二人の犬猫への真摯な気持ちを伺いました。
左:英里
photographer
1999年生まれ。2022年に独立。ポートレート写真を中心に雑誌や広告などで活動中。2023年から犬猫のためのマガジン「Cuddle magazine」の編集者として雑誌編集やイベントの企画・運営なども行っている。
https://www.instagram.com/eri_krmc/
右:NATANE
ヴィジョナリークリエイター、『Cuddle magazine』編集者。
1996年インド生まれ。スペインと日本にルーツを持つ。12歳でモデルとしてのキャリアをスタート。現在はフォトグラファー、アクセサリーブランド〈añil〉のディレクション、『cuddle magazine』の編集・イベント企画など幅広く活動中。
https://www.instagram.com/NATANEdayo/
Cuddle magazineは、NATANEさんと英里さん、2人を中心に制作されているフリーマガジン。撮影で出会った二人は「課題が山積みな犬猫業界について情報発信をしたい」と意気投合して、2023年から活動を始めています。
△2023年に発行されたフリーマガジンvol.1
△寄付につながるイベントや、オリジナルグッズも販売
「自分にも何かできるかもしれない」前向きな情報発信の在り方
NATANE:なるべくポジティブで前向きな情報発信をしたいと考えながら、犬猫について素人ではあるので、一歩一歩勉強をしながら制作しています。手にとってくださった方が犬猫について考えるきっかけになればいいなと。
英里:「自分にも何かできるかもしれない」と犬猫の課題に関わる気持ちの”輪を広げる”には、前向きな気持ちで犬猫のことを発信する場が必要だというのは、最初から話していたんです。
NATANE:情報発信の在り方として、人間の都合で過酷な環境下で生きている犬猫たちの情報をストレートに伝えることも重要と考えています。こんな課題があるんだとハッとしますよね。そういった情報発信をしている方が既にいてくださるので、私たちは新たな切り口から、入り口を広げるための活動ができるのだと思っています。
ーCuddleさんの「輪を広げる」マインドは、2024年の企画ではより一層強く感じました。
△画家である木梨銀士さんをゲストに迎えた
フリーマガジンvol.2
△”Ripples”、日本語で”波紋”
をテーマに展示イベントも実施。
NATANE:そうですね。今回発行したフリーマガジンは、アートとコラボすることで入口が広がったと感じています。
英里:やっぱり私たちができることは、犬猫の課題について触れる機会がなかった人にも犬猫の幸せとは何か、考えるきっかけを少しでも作ること。マガジンの中では劣悪な販売・繁殖を防ぐために2024年から導入された「数値規制」や犬猫の性格に重要な「社会化」などの専門知識はいれながらも、パッと目に入ってくるレイアウトにしたり、内容も対談形式にしたのも読みやすさを重視しました。
NATANE:「チャリティーTシャツ」をつくっているのも、犬猫の課題を知るきっかけになればという思いから。
△インタビュー中、真剣にお話してくださるお二人
ー今回のアートの展示は幡ヶ谷のPADDLERS COFFEEで開催されていて、コーヒーを飲みにふらっと入った方へも入口を広げられていますよね。
NATANE:アートって感覚的なものだと思うから、直接心に影響する部分があると思う。ただの情報発信ではなく、感覚的に楽しめるものは今後も意識してやっていきたいです。
英里:来年の企画も、実は既に構想のタネがあって…。(ここだけの話ですが笑)
ー”輪を広げる”とお話される通り、また今までとは違う仕掛けでとても楽しみです!今後の企画についてはCuddle magazineのインスタをチェックしてくださいね。
育った環境で性格が大きく違う!3頭のトイプードルと暮らす英里さん
△ブラウンの毛並みがかわいいトイプードルたち
-ー英里さんは3頭のワンちゃんと暮らしているんですよね。3頭それぞれについて紹介してもらえますか。
英里:実は3頭みんなトイプードルなんです。
• くるみ 4歳の女の子
一番体が小さくてマイペース。甘えん坊だけど自分の世界をしっかり持っています。ブリーダーさんからお迎えしました。
• みる 3歳の女の子。
今日取材にも連れてきたのですが、一番安定している性格です。お家ではやんちゃでジャイアンですけど笑。のびのびしています。ブリーダーさんからお迎え。
• そらまめ 推定2歳の男の子。
保護犬で預かりボランティアとして預かっていたんですが、そのまま家族になった子です。先住犬に学びながら、我が家に馴染もうと必死な可愛い甘えん坊さんです。どんな環境で育っていたか詳しいことはわかりませんが、怖がりで動きや性格もあまり落ち着きがありません。
ートイプードルの特徴はなにか感じますか?私たちBreeder Familiesは、「自分のライフスタイルにあった犬種を選ぼう」と日頃から発信しています。
英里:まずは毛が抜けないのは大きいと思います。以前飼っていたダックスフンドと比べてもそう感じます。でもブラシをしないとすぐ絡まってしまうので、日々のケアは大切。あとは、吠える声もそこまで響かないなと感じます。
ートイプードルの毛が抜けづらい点は、人気のポイントですよね。性格はどうですか?
英里:犬種による性格ももちろんあると思うのですが、3頭のトイプーの様子をみていても、預かりボランティアをしていても、「性格はその子が育った環境が深く関係しているな」と強く感じます。保護犬だったそら豆は、いつもそわそわしていて他の子よりも寂しがり屋に感じます。
あと、以前チワワもお預かりしたことがあります。一般的に”小さい体でも勇敢な性格”と言われていますが、あまり自己主張がなく吠えない子もいました。
保護犬の子たちは他の子に比べて大きい音や、初めての人など、苦手なことが多いように感じます。それでも心を開いて甘えてくれるととても嬉しいし可愛いです。
ただ、そういう環境はわんちゃんのためにも早く改善されてほしいですよね。
お迎えした後も正解だったのか?と悩むブリーダー選び
△みるちゃん(3歳)と英里さん
ー子犬の時の環境が、将来に大きく影響しますよね。どこで生まれたか、どう育ったのか。くるみちゃんとみるちゃんは同じブリーダーさんからお迎えしたということですが、いかがですか?
英里:くるみはお迎えして早々に骨折してしまって、一つ目にいった病院は手術しないと治せないと言われたのですが、ブリーダーさんに相談して紹介してもらった病院で、手術せずにきれいに治してくれたんです。
ー何かあった時に相談できるのが、ブリーダーさんからお迎えするメリットですよね。
英里:でも、そのブリーダーさんからお迎えしたことが正解だったかと言い切れない、悩むところもあるんです。インスタで見ていて、どんどん飼育している頭数が増えているのも見かけますし、自分で発信している情報だから、いいところしか見えない。
ーまさにそうですよね。私たちの活動を少しお話させて頂くと、「優良ブリーダー」ってなに?って基準が今までなかったので、新たに基準を設けて、実際に犬舎も現地に見に行って、ブリーダーさんの情報を届けています。第三者目線で見てもここはこういいですよっていうのがあると、飼い主さんも安心しますよね。
NATANE:サイトを拝見して、ワンちゃんを探しながら見ているうちに「勉強になる」と感じました。知識が入ってくる感じ。
以前、保護団体さんをCuddleで取材した際に、「いいブリーダーとそうではないブリーダーがいるっていうのは本当にわかって欲しい」とお話されていたことがありました。このサイトがあることによって、いいブリーダーをしっかり守ることができるし、区別がつくようになるといいなと感じました。
英里:Cuddleも絶対保護犬保護猫ではなく、その人にあったワンちゃんのお迎えの仕方があると考えています。
NATANE:なので、ちゃんとしたブリーダーを選べるBreeder Familiesのような選択肢を知って欲しいなと感じました。
ワンちゃんも自分大きく変化した経験から「自分にもなにかできないか」
△Cuddle magazine vol.1にもたくさんのワンちゃんが
紹介されています
ーNATANEさんも以前ワンちゃんと暮らしていたんですよね?
NATANE:チワワと暮らしいた時期があります。それまで寂しい思いをしてきたせいか、はじめは少食で、散歩嫌いで、すごく内気な子でした。でも一緒に暮らしはじめてからご飯を変えてあげたり、散歩や公園に一緒に行ったりして、そうしているうちにどんどん変化を感じはじめました。
英里:どんな風に変化していったの?
NATANE:もう”違うワンちゃん”みたいになって、毛並みも艶々で表情も豊かに、自己主張もするようになった。私自身も一緒に過ごすうちにメンタルヘルスが安定したり。そんなきっかけから「犬猫について自分にもなにかできないか」と興味を持つようになったんです。
ーNATANEさん自身が、「自分にもなにかできないか」を感じて、実践されてきたんですね。そういった想いの”輪を広げる”ことをCuddleさんは目指されてきたんだなあと、改めて感じました。
フリーマガジンの名前に冠している”Cuddle”は「寄り添う・愛を込めて抱き締める」などの愛情表現を表す言葉だと教えていただきました。お2人からは、ワンちゃんだけでなく、入口を広く広げていこう、と多くの人に寄り添う気持ちを強く感じるインタビューでした。英里さん・NATANEさん・みるちゃん、ありがとうございました!
△取材後に公園でお散歩するみなさん
【Cuddle magazineの詳細はこちらから】
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