柴犬を飼ってはいけない?性格や飼い方の注意点を徹底解説

柴犬は日本原産のワンちゃんとして世界的にも人気がありますが、「柴犬は飼うのが大変」と言われることもしばしば。
確かに独特の性格やしつけの難しさから、向き・不向きがあるのは事実です。しかし、きちんと特性を理解したうえで向き合えば、素早く信頼関係を築き、生涯のパートナーとなってくれる心強い存在にもなります。
この記事では、柴犬の性格や飼育の難しさ、注意点、そして後悔しないためのポイントまでを徹底解説します。豆柴についてもふれつつ、ワンちゃんとの幸せな暮らしのために必要な知識をお届けします。
柴犬を飼ってはいけないと言われる理由とは?

“飼ってはいけない”という声の背景には、誤解と準備不足があることも少なくありません。
柴犬は飼育が難しい犬種としてしばしば語られます。SNSや口コミでは、「言うことを聞かない」「噛み癖がなおらない」「人になつかない」といった声が目立ちます。
これは、柴犬の持つ独立心の強さや警戒心、エネルギッシュな性格が影響しています。正しい理解と接し方がなければ、これらの特性が「問題行動」として誤解されがちです。
また、「日本犬だから飼いやすい」「小型犬だから手がかからない」といった誤った先入観で迎えられることもあり、現実とのギャップが「後悔」に繋がることもあります。
柴犬の性格と特徴

柴犬は見た目の可愛さ以上に、性格的な個性が際立った犬種です。
独立心が強く頑固な一面
柴犬は、もともと山間部での狩猟に用いられていた犬種です。その歴史的背景から、指示を待つよりも、自分で状況判断して行動する能力に優れています。
このため、飼い主に従うというよりも、“納得して動く”タイプ。しつけでは「なぜその行動が必要か」を理解させる関わり方が重要です。
また、繊細な感受性も持ち合わせており、叱りすぎや命令口調の連続は信頼関係を損なうことも。
一方で、落ち着いたトーンでの声かけや、褒める場面を明確にしてあげることで、ぐっと関係性が深まります。
警戒心が強く他人に懐きにくい
柴犬は“縄張り意識”と“自己判断力”が強いため、見知らぬ人や環境に対して慎重な態度をとります。これは恐怖や不安からくる反応であり、性格ではなく学習と経験で緩和できる特性です。
幼い頃からの社会化によって、人や物音、環境の変化に慣れさせておくと、大人になってからのストレスや吠えを大幅に減らすことができます。
特に柴犬は「繊細な警備員タイプ」とも言われ、飼い主の反応を見ながら周囲を観察する力が高いため、飼い主がリードして安心させてあげることが大切です。
柴犬の飼育で大変な点

柴犬の気質に合った飼い方を理解せずに迎えてしまうと、「思っていたのと違った」と感じやすい犬種でもあります。
具体的にどんな点が難しいとされているのか、現実的な側面から解説します。
運動量が多く散歩が欠かせない
柴犬は運動欲求が高く、散歩の質・量ともに重視する必要があります。
1日2回、各30分以上が理想とされますが、単なる距離ではなく「刺激のある散歩」がポイント。においを嗅ぐ・音を聞く・地面の質を感じるといった“五感を使う探索”が満足感に繋がります。
また、ボール遊びや軽いランニング、知育おもちゃなどで頭も使わせることで、運動不足からくる吠えや破壊行動の予防にも効果的です。
噛み癖や吠え癖が出やすい
柴犬は「触られること」や「抑え込まれること」に敏感なワンちゃんが多く、接し方を間違えると噛みやすくなる傾向があります。特に、急に撫でようとする、無理に抱っこする、背後から触るといった行動には注意が必要です。
また、無視される・構ってもらえないといったストレスが蓄積すると、吠えることで意思表示をするようになります。これは“悪さ”ではなく、“伝える手段”として学習してしまった結果です。
噛みや吠えへの対応は、「叱ってやめさせる」よりも、「噛まなくてもいい/吠えなくても伝わる環境をつくる」ことが根本的な解決につながります。
柴犬を飼って後悔しないために

柴犬は「しつけが大変」と言われる一方で、特性を正しく理解し、信頼関係を築くことで、飼い主の言葉や気持ちを敏感にくみ取るパートナーになってくれます。
後悔しない柴犬との暮らしを実現するためには、しつけや社会化はもちろん、自分の生活スタイルとの相性や、どこから迎えるかといった出発点も重要なポイントになります。
しつけや社会化の重要性
柴犬は賢く判断力のあるワンちゃんですが、一方で「自分で考えて行動したい」という気質が強く、しつけのアプローチを間違えると反発やストレスに繋がります。
そのため、単に命令を覚えさせるのではなく、“なぜその行動が必要なのか”を理解できるような関係づくりが重要です。信頼関係をベースにしたしつけは、柴犬の持つ能力を最大限に引き出してくれます。
また、社会化期(おおよそ生後2〜12週)にどんな経験をしたかが、吠え癖・咬み癖・人見知りなどの予防に大きく影響します。
この時期に他人・音・他の動物・さまざまな環境に慣れさせておくことで、将来的に穏やかで安定した性格に育ちやすくなります。
飼い主の生活スタイルとの相性
柴犬は、毎日の運動やコミュニケーション、精神的な刺激が必要な犬種です。
たとえば、長時間の留守番が常態化していたり、散歩の頻度が週に1〜2回しかなかったりすると、運動不足やストレスから問題行動が出やすくなります。
逆に、散歩や遊びの時間をしっかり確保できて、日々のしつけや関わりに楽しみながら取り組める環境であれば、柴犬は非常に頼もしく、頭の良いパートナーになってくれるでしょう。
【迎える前のチェックポイント】
- 毎日1時間以上の散歩や運動が可能か?
- 忙しくても関わる時間を持てるか?
- 吠えや噛みに対応する心構えはあるか?
優良ブリーダーから迎えることの大切さ

柴犬との暮らしで後悔しないためには、「どの子を迎えるか」だけでなく、「どんなブリーダーから迎えるか」も非常に重要な判断ポイントになります。
優良なブリーダーは、ただ子犬を販売するのではなく、親犬の健康とメンタルケア、子犬の体調管理、そして柴犬にとってとても重要な“社会化”のプロセスにまでしっかり責任を持って取り組んでいます。
親犬を大切に育てている環境でこそ、安定した子犬が育つ
子犬は、親犬の影響を大きく受けて育ちます。親犬がストレスの少ない環境で穏やかに暮らしていると、その子犬も人間に対して前向きな印象を持ちやすく、精神的に安定した性格に育ちやすくなります。
優良ブリーダーは、親犬の健康状態や生活環境、繁殖の回数・間隔にしっかりと配慮しながら、無理のない繁殖を心がけています。こうした姿勢が、子犬の健やかな成長にもつながっているのです。
健康管理が徹底された子犬なら、安心して迎えられる
信頼できるブリーダーは、親犬・子犬ともに健康診断やワクチン接種、検便、寄生虫予防などを適切に行い、その記録をしっかりと開示してくれます。遺伝性疾患のリスクを減らすため、親犬の遺伝子検査や血統の確認も欠かしません。
健康状態がしっかり確認された柴犬は、お迎え後の体調トラブルが起きにくく、初めての飼い主でも安心して育てやすくなります。
社会性を丁寧に育てられた柴犬は、新しい家庭にもなじみやすい
柴犬の性格を左右する“社会化期”は、生後2〜12週頃に訪れます。この時期にどんな環境で、どんな経験をしたかが、将来の性格に大きく影響します。
この大切な時期の多くをブリーダーのもとで過ごすため、優良ブリーダーは、人の手で優しく接したり、家庭音に慣らしたり、兄弟犬とのふれあいを通じて社会性を育む取り組みを意識的に行っています。
こうした環境で育った柴犬は、人との暮らしに早くなじみやすく、吠えや噛みなどの問題行動も起きにくくなります。
お迎え後も相談できる関係が、安心につながる
優良ブリーダーは、子犬を渡したら終わりではなく、その後の暮らしにも関心を持ち、飼い主からの相談に応じてくれる場合が多くあります。柴犬特有の行動や性格の悩みにも理解があり、育てていくうえでの心強いパートナーになってくれる存在です。
豆柴も大変?豆柴のデメリット

一見すると「小さくて可愛い」と人気のある豆柴ですが、意図的に小さく繁殖された個体には注意が必要です。
体のサイズだけを基準に繁殖を重ねた結果、健康面や性格に問題を抱えるケースも多く、慎重な判断が求められます。
サイズが小さい分、体力や気性に注意
豆柴は見た目こそ可愛らしいですが、柴犬としての気質はしっかりと持っています。
小さいからといって大人しくなるわけではなく、むしろ体が小さい分、気が強くなる傾向も見られるため、しつけは普通の柴犬と同様に丁寧に行う必要があります。
また、小型ゆえに体力がないと誤解されがちですが、運動欲求や活動量は変わらず、散歩や遊びの時間をしっかり確保してあげなければなりません。
健康管理や病気のリスク
サイズの小ささを重視した繁殖は、健康上のリスクも高めます。骨が細くなりやすく、関節や内臓への負担が出やすくなるほか、低血糖や免疫力の弱さなどが懸念されることもあります。
また、豆柴は血統書で正式に認められた犬種ではないため、個体差も大きく、どこまで成長するか予測しにくい点も不安材料のひとつです。
優良ブリーダーは「豆柴」としての繁殖を行わない
本来の柴犬の魅力は、しっかりした骨格と健康的な体つき、そして芯のある性格にあります。
そのため、ワンちゃんの健康と福祉を大切にする優良ブリーダーは、見た目の小ささだけを追求した豆柴のような繁殖は行いません。
健やかに育ち、飼い主と長く幸せに暮らせることを最優先に考えるからこそ、「小さい柴犬をつくる」ことを目的にした交配は、避けるべきだという姿勢を持っているのです。
柴犬を飼う前に確認すべきこと

かわいいだけで決めず、ライフスタイルと責任を考えることが何よりも大切です。
柴犬はしっかりと特性を理解してお迎えすれば、**飼い主の意図を素早くくみ取り、信頼でつながる最高のパートナーになります。**だからこそ、迎える前に以下のような確認が欠かせません。
家族全員の同意と協力
柴犬のしつけやお世話は一人で担うには大変な部分もあるため、家族全体で育てる姿勢が必要です。意見が食い違ったり、しつけ方法が統一されていなかったりすると、ワンちゃんが混乱してしまいます。
長期的な飼育計画と責任
柴犬の寿命は12〜15年と長く、途中で飼えなくなるような事態は絶対に避けなければなりません。ライフスタイルの変化や家族構成の変動なども見越し、最後まで責任を持てる環境かを確認しましょう。
まとめ

柴犬はその凛々しい見た目と忠誠心から人気のあるワンちゃんですが、独立心や警戒心が強く、しつけや飼育には根気と理解が必要です。また、小型の柴犬として注目される「豆柴」も、サイズの小ささに反して活発で扱いが難しいことがあります。
大切なのは、柴犬の特性や気質を正しく理解したうえで、「この子と暮らしていけるか」をしっかり考えること。そして、親犬の健康や子犬の社会性まで丁寧に育てている優良ブリーダーからお迎えすることで、柴犬との暮らしがぐっと安心で楽しいものになります。
特性を知って選び、適切な環境と関わりを整えてあげれば、柴犬はかけがえのない最高のパートナーになってくれます。