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パグの平均寿命が短いって本当?長生きさせるための方法を解説

パグは愛らしい見た目と穏やかな性格で多くの人に愛されていますが、「寿命が短いのでは?」と心配する飼い主さんも少なくありません。

この記事では、パグの平均寿命や寿命が短いと言われる理由、健康に長生きしてもらうための具体的な飼い方、注意すべき病気とその予防策について詳しく解説します。パグと一緒に幸せな時間を長く過ごせるよう、ぜひ参考にしてください。

パグの平均寿命はどれくらい?

パグの平均寿命は12〜15歳とされています。小型犬種の中では平均的ですが、健康管理によってはさらに長生きすることも可能です。

例えば、ギネス世界記録に登録された最長寿のパグは、23歳まで生きたと報告されています。こうした長寿のパグは、適切な食事管理、定期的な運動、ストレスの少ない生活環境、そして飼い主との深い信頼関係が築かれていることが多いです。

他の小型犬種と比べてみると、トイプードルの平均寿命は14〜16歳、チワワは15〜17歳です。パグはこれらの犬種よりもやや短命傾向にありますが、健康維持に気を付けることで、他の小型犬種と同等に長生きすることも十分可能です。

パグの寿命が短いと言われる理由

パグが「寿命が短い」と言われる背景には、いくつかの特徴的な要因が関係しています。これらの要因は、パグが持つ体の構造や遺伝的な要素に由来しており、飼い主が理解し、日常のケアでサポートすることが重要です。

1. 短頭種であることによる呼吸器の問題

パグは短頭種に分類され、愛らしい「つぶれた顔」が特徴ですが、この顔立ちが呼吸器に負担をかけています。鼻が短く、喉や気管も狭いため、呼吸がしづらくなりやすいのです。これを**短頭種気道症候群(BOAS)**といい、軽い運動や興奮で息苦しくなることがあります。慢性的に酸素不足が続くと、心臓や内臓に大きな負担がかかり、寿命が短くなる要因となります。

2. 熱中症のリスクが高い

パグは体温調節が苦手なため、特に暑い季節には注意が必要です。犬は口からハアハアと呼吸することで体温を下げますが、パグは呼吸器の構造上、効率的に熱を放出できません。気温や湿度が高い日には体温が急上昇しやすく、重度の熱中症に陥ることがあります。熱中症は命に関わるため、パグの寿命を縮めるリスク要因です。

3. 肥満になりやすい体質

パグは食欲旺盛で、運動不足になりやすい犬種です。エネルギー消費が少ないまま高カロリーの食事を続けると、簡単に太ってしまいます。肥満は見た目の問題だけでなく、関節や背骨、心臓への負担を増加させ、糖尿病や高血圧の原因にもなります。これらの健康問題が重なることで、パグの寿命を縮める結果につながります。

4. 遺伝的な疾患が多い

パグは遺伝的に特定の病気にかかりやすい傾向があります。例えば、パグ脳炎(PDE)はパグに特有の自己免疫疾患で、けいれんや視力低下を引き起こし、進行が速いと命に関わります。また、皮膚疾患や眼疾患も発症しやすく、これらの疾患は早期発見や治療が遅れると、生活の質を大きく低下させます。こうした遺伝的なリスクが、パグの平均寿命を左右する要因となっています。

5. 体の構造上のリスク

パグはコンパクトな体格と特徴的な骨格を持っています。骨密度が高く、関節に負担がかかりやすい体型のため、運動不足や肥満が続くと関節炎や椎間板ヘルニアになることがあります。また、尾がくるんと巻いているため、脊椎に異常が見られることもあり、痛みや運動機能の低下につながります。これらの構造的な問題が寿命に影響を及ぼす要因となっています。

パグを長生きさせるための飼い方ガイド

パグが健康に長生きするためには、飼い主が日常生活で意識するべきポイントがいくつかあります。

1.栄養バランスが良い食事を与える

栄養バランスの良い食事は健康維持の基本です。パグには、高品質のタンパク質やビタミン、ミネラルをバランス良く含むドッグフードがおすすめです。特に、以下の点に注意しましょう。

  • 添加物を避ける:合成着色料や保存料を含まない無添加のフードを選びましょう。
  • 肥満対策:カロリー過多にならないよう、与える量を適切に管理し、低カロリー高タンパクのフードを選びましょう。
  • 手作り食:手作り食は新鮮な食材が使えるメリットがありますが、栄養バランスが偏らないよう、獣医師に相談しながら進めることが大切です。

2.適度な運動をさせる

運動は肥満予防やストレス解消に欠かせません。パグには1日20〜30分の散歩を目安にしましょう。運動のポイントは以下の通りです。

  • 涼しい時間帯に散歩をする(早朝や夕方)。
  • 室内遊びも活用し、無理なく体を動かす。
  • 呼吸が苦しそうな場合は無理に運動させない。

3.日々のお手入れを欠かさない

日常的なお手入れは健康維持と病気の早期発見につながります。

  • ブラッシング:週2〜3回、毛並みを整え、皮膚トラブルを防ぎます。
  • シャンプー:月に1回程度、シワの間も清潔に保ちます。
  • デンタルケア:歯周病予防のため、毎日の歯磨きを心がけましょう。
  • 爪切り:月1回程度、爪が伸びすぎないようにしましょう。

4.ストレスがかかりにくい環境を作る

パグはストレスに敏感な犬種です。飼い主とのコミュニケーションを大切にし、以下の環境づくりを心がけましょう。

  • 静かで安定した環境を提供する。
  • 留守番の時間を短くし、孤独感を減らす。
  • 定期的にスキンシップや遊びを取り入れる。

5.定期的に健康診断を受ける

健康診断は年に1〜2回受けることで、病気の早期発見につながります。特にシニア期には、半年に1回の頻度で受診することをおすすめします。

パグがかかりやすい病気とその予防策

パグはその愛らしい見た目と穏やかな性格で人気の犬種ですが、体の構造や遺伝的要因からいくつかの特定の病気にかかりやすい傾向があります。飼い主としてこれらの病気を理解し、適切なケアを行うことで、パグの健康を守り、寿命を延ばすことができます。 

1. パグ脳炎(PDE:Pug Dog Encephalitis)

症状:

パグ脳炎は、パグ特有の自己免疫疾患で、脳に炎症が起こる病気です。主な症状には、けいれん発作、首の痛み、歩行困難、視力低下、性格や行動の急な変化が含まれます。進行が速いため、早期に適切な診断と治療が必要です。

治療法:

残念ながら、完全に治す方法はまだ見つかっていません。症状を緩和するために、ステロイドや免疫抑制剤が使われることがあります。

予防策:

遺伝的要素が強いため、確実な予防法はありませんが、定期的な健康診断と、異変に早く気付くことが重要です。信頼できるブリーダーから健康な親犬の子犬を迎えることもリスク軽減に繋がります。

 
2. 短頭種気道症候群(BOAS:Brachycephalic Obstructive Airway Syndrome)

症状:

いびき、ガーガーという呼吸音、運動時の呼吸困難、チアノーゼ(舌や歯茎が青紫色になる)などの症状が現れます。重症の場合、睡眠中の呼吸停止や失神のリスクもあります。

治療法:

症状が軽度の場合は、生活環境の見直しや体重管理で症状を軽減します。重度の場合は、鼻腔を広げる手術や軟口蓋の切除手術が必要です。

予防策:

  • 暑さ対策を徹底し、熱中症を防ぐ。
  • 激しい運動を避け、呼吸が楽になるように工夫する。
  • 肥満を防ぐことで、呼吸器への負担を軽減する。 

3. 鼻腔狭窄

症状:

鼻の穴が狭く、呼吸がしづらくなる病気です。常に鼻が詰まったような音がする、口呼吸が多い、呼吸が苦しそうに見える、といった症状が見られます。

治療法:

重度の場合、鼻腔を広げる外科手術が推奨されます。

予防策:

  • 子犬の時期から呼吸音に注意し、異常を感じたら早めに獣医師に相談する。
  • 無理な運動を避け、常に涼しい環境で生活させる。
     

4. 皮膚疾患

症状:

パグの顔や体にはシワが多いため、汚れや湿気がたまりやすく、細菌や真菌が繁殖しやすいです。皮膚が赤くなったり、かゆみ、脱毛、悪臭が発生することがあります。

治療法:

症状に応じて抗菌薬や抗真菌薬、ステロイドが使われます。

予防策:

  • シワの間を定期的に拭き取り、清潔に保つ。
  • 月に1回のシャンプーで汚れや皮脂を落とす。
  • 湿気がこもらないよう、シャンプー後はしっかり乾かす。 

5. 眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)

症状:

まぶたが内側に巻き込まれ、まつ毛が眼球に当たることで角膜を刺激し、涙の量が増えたり、目を痛がったりします。放置すると角膜潰瘍や視力低下を引き起こす可能性があります。

治療法:

軽度の場合は目薬や軟膏で炎症を抑えますが、重度の場合は外科手術が必要です。

予防策:

目の周りを定期的にチェックし、涙の量や充血に注意する。
異常を感じたら、早めに獣医師に相談する。
 
6. 肥満

症状:

体重が過剰に増え、動きが鈍くなる、呼吸が荒くなる、関節に負担がかかるといった症状が現れます。肥満は関節疾患や心臓病、糖尿病の原因となり、パグの寿命を縮めます。

治療法:

食事管理と運動による減量が基本です。重度の肥満の場合、獣医師の指導のもとでダイエットプランを立てることが必要です。

予防策:

  • 食事の量を適切に管理し、低カロリーのフードを選ぶ。
  • 毎日適度な運動をさせ、肥満を防ぐ。
  • 定期的に体重を測定し、適正体重を維持する。

まとめ

パグは短頭種特有の呼吸器の問題や熱中症のリスク、肥満になりやすい体質、遺伝的疾患、体の構造的なリスクといった要因から、寿命が短いとされることがあります。しかし、適切な健康管理、栄養バランスの取れた食事、適度な運動、日々のお手入れ、そして定期的な健康診断を行うことで、これらのリスクを軽減し、健康で長生きさせることが可能です。愛情をたっぷり注ぎ、パグとの幸せな時間を少しでも長く過ごせるよう、日常のケアを大切にしましょう。

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