賢い犬10選!しつけがしやすく頭がいい犬に育てるためのコツも解説

「ワンちゃんを飼うなら、賢くてしつけやすい子がいいな」——そんな想いを抱く飼い主さんは少なくありません。
ただし、「賢さ」とは単に芸を覚える速さだけではありません。飼い主との意思疎通のしやすさや、初めての環境に順応できる力など、ワンちゃんにとっての“賢さ”は多面的です。
この記事では、ワンちゃんの知能を「本能的知能」「服従知能」「適応知能」という3つの観点から解説し、特にしつけがしやすく家庭犬として人気の高い賢い犬種を10種ピックアップ。さらに、賢い犬の育て方や、信頼できるブリーダーの選び方までご紹介します。
賢い犬はどんな犬?

最初に押さえておきたいのは、「賢さ」にもいろいろな種類があるということです。
たとえば、命令にすぐ従えるワンちゃんもいれば、自分で考えて行動するのが得意なワンちゃんもいます。
ここでは、犬の知能を理解するうえで基本となる3つの分類を紹介します。
犬の賢さは3種類
本能的な知能
本能的な知能とは、犬種ごとに遺伝的に備わっている“仕事の能力”のことを指します。たとえば、
- ボーダーコリーが羊を集める
- ラブラドールが回収作業(レトリーブ)を得意とする
- ビーグルが嗅覚で獲物を追う
といった行動は、生まれつき備わった能力のあらわれです。人間が教えなくても、環境さえ整えば自然と発揮されます。
このような知能は、犬種のルーツや役割に密接に関わっており、現代の家庭犬でも日々の遊びや生活に生かすことができます。
服従知能
服従知能とは、人間の指示を理解し、従う能力のことです。しつけの入りやすさや訓練の吸収力は、主にこの知能によって左右されます。
「おすわり」「待て」「ハウス」といった基本コマンドをすぐ覚えるワンちゃんは、服従知能が高いと言えるでしょう。
家庭内でのルールを覚えるのも早いため、初心者の飼い主さんにも扱いやすい傾向があります。
ただし、強制的に従わせるのではなく、信頼関係に基づいたトレーニングが大切です。
適応知能
適応知能は、環境や状況の変化にうまく対応する力、いわば「応用力」や「問題解決能力」のようなものです。
たとえば、
- 留守番中にトラブルが起きたとき、パニックにならずに待てる
- 遊びの中で工夫しておもちゃを使う
- 飼い主の表情や行動から次にすべきことを判断する
など、日常のさまざまな場面でその力が発揮されます。
この知能は、遺伝だけでなく育った環境や経験によっても大きく左右されるため、日々の接し方が重要です。
賢い犬種10選
ここでは、特に服従知能や適応知能が高く、しつけがしやすいとされる代表的な犬種を10種類紹介します。家庭犬としての飼いやすさに加え、ワンちゃん自身の満足度も高めやすい犬種たちです。
プードル

抜群の知能と学習能力を誇り、ドッグショーでも訓練競技でも高い評価を得るプードル。
人懐っこく愛情深いため、飼い主とのコミュニケーションをとても大切にします。
覚えが早いだけでなく、「こうすれば喜ばれる」ということを自ら考えて行動する姿に感動する飼い主も多いです。
被毛の手入れは必要ですが、抜け毛が少なくアレルギーにも配慮しやすい点も人気の理由です。
ゴールデンレトリバー

大型犬でありながら、とても穏やかで優しい性格が特徴。
人の感情に寄り添う力が高く、子どもや高齢者との暮らしにも向いています。
服従知能が高く、トレーニングにも前向き。家庭犬としてだけでなく、介助犬やセラピー犬として活躍する姿は、その知性と適応力の高さを物語っています。
ラブラドールレトリバー

好奇心旺盛で陽気、そして働き者のラブラドール。
特に訓練性能に優れ、警察犬や盲導犬、災害救助犬としても多く活躍しています。
人の指示に素直に従うだけでなく、先回りして気配りするような行動も見られ、まさに“頼れる相棒”といえる存在です。
パピヨン

小さな体に似合わぬ知性を持つパピヨン。蝶のような耳が印象的なこのワンちゃんは、好奇心旺盛で新しいことを学ぶのが大好きです。
俊敏で軽やかな動きから、アジリティ競技でも人気が高く、飼い主と一緒に楽しめる遊びがたくさんあります。
小型犬にしては集中力があり、しつけも比較的入りやすい点も魅力です。
ボーダーコリー

「世界一賢い犬種」とも称される、牧羊犬の王様。
複雑な指示や状況判断もこなす高度な知能を持ち、長時間の集中力も備えています。
ただし、賢すぎるゆえに刺激や運動が足りないと、ストレスや問題行動につながることも。しっかりと向き合える環境が必要です。
ジャーマンシェパードドッグ

忠誠心と冷静さを併せ持ち、指示にも的確に反応する優れた使役犬。
警察犬、軍用犬、災害救助犬としての活躍がその知能と信頼性を証明しています。
人との絆を重視する性格なので、飼い主と密にコミュニケーションを取ることで、安心感と安定感のある関係を築けます。
ドーベルマン

知的でありながらも勇敢で、自立心のある性格が魅力。
番犬としても優れた能力を持ち、家族への忠誠心が非常に強い犬種です。
適切なトレーニングと社会化によって、非常に穏やかで信頼できるパートナーに育ちます。
シェットランドシープドッグ

「小さなボーダーコリー」とも言われるほど、牧羊犬としての知性と観察力を兼ね備えた犬種。
家族の動きや雰囲気をよく察知し、まるで話しかけてくるような表情を見せることも。
飼い主との一体感を大切にする子が多く、しつけも入りやすい傾向があります。
ロットワイラー

護衛犬としての歴史を持ち、非常に落ち着いた判断力と冷静さが魅力。
忠実でありながらも自分の考えを持って行動できる、まさに“信頼される護衛役”です。
しっかりと信頼関係を築けば、家族の一員として心強い存在になってくれます。
オーストラリアンキャトルドッグ

牧畜犬として培われたスタミナと、指示への的確な反応が光る犬種。
飼い主に対する忠誠心が強く、一緒に活動することが生きがいになります。
運動と知的刺激の両方を求めるため、アクティブな家庭との相性が非常に良いでしょう。
賢い犬は初心者でも飼いやすい?

賢いワンちゃんは、一般的にしつけが入りやすく、人とのコミュニケーションもスムーズなため、初心者の飼い主さんにも向いていると言われています。
「おすわり」「まて」などの基本コマンドをすぐに覚え、飼い主の意図を汲み取って動けるため、生活の中で困る場面が少ない傾向があります。
ただし、知能の高さは裏返せば“退屈を感じやすい”という一面でもあります。
特に運動不足や刺激の少ない生活が続くと、「家具をかじる」「無駄吠えをする」「いたずらをする」などの問題行動が出やすくなることも。
これは「問題行動」ではなく、「退屈からの自己表現」ともいえるのです。
また、賢いワンちゃんは「よいこと」だけでなく、「悪いこと」もすぐ覚えてしまいます。
たとえば、かわいいからと人の食事中におやつをあげる習慣がつけば、「ねだればもらえる」とすぐに学習してしまいます。
そのため、賢い犬=放っておいても育つ、ではなく、「適切な関わり方をすれば、非常に育てやすく、信頼関係も深まる存在」だと理解しておくことが大切です。
賢い犬に育てるためのコツ

ワンちゃんの知能は、生まれつきの能力だけで決まるわけではありません。
日々の関わり方やしつけの仕方によって、その賢さをさらに伸ばすことができます。
ここでは、ワンちゃんの知性や信頼関係を育てるために、飼い主さんができる3つのポイントをご紹介します。
子犬期から一貫したルールでしつける
ワンちゃんのしつけにおいて最も大切なのは、「子犬期=学習のゴールデンタイム」をどう活かすかです。
特に生後8週〜16週の「社会化期」は、さまざまな刺激を受け入れ、学び取る力が最も高まる時期。この期間に受けた経験は、成犬になってからの行動にも大きな影響を及ぼします。
ここで重要なのが「一貫性」です。
たとえば、「ソファに乗ってもいい日とダメな日がある」といった対応のブレは、ワンちゃんを混乱させてしまいます。
家族内でルールを統一し、「こうすればいい」「これはダメ」を明確に伝えることが、信頼関係の第一歩になります。
また、良い行動をしたときはすぐに褒めることで、「人と一緒にいると楽しい」と学びます。これは、のちのしつけの土台にもなります。
感情的でなく冷静に接して信頼関係を築く
しつけでNGなのは、「怒鳴る」「手を上げる」といった感情的な反応。
ワンちゃんは人の声のトーンや表情に非常に敏感なため、大きな声や急な動作は“恐怖”として記憶されてしまいます。
恐怖によって行動を止めるのではなく、冷静かつ毅然とした態度で「なぜダメなのか」を教えてあげましょう。
たとえば、「いたずらをしたら無視する」「静かになったら声をかける」といった対応が効果的です。
また、日常の中でこまめに声をかけたり、アイコンタクトをとったりすることで、「この人は自分のことを見てくれている」「安心できる存在だ」とワンちゃんが感じるようになります。
信頼関係は、一朝一夕には築けません。だからこそ、丁寧な積み重ねが、賢さを引き出す鍵になります。
知育玩具を使って遊ぶ
知能の高いワンちゃんは、日々の遊びや刺激を通じてさらに賢くなります。
特におすすめなのが、フードを隠したり、仕掛けを解いておやつを取り出すタイプの「知育トイ」や「パズルおもちゃ」。
これらは単なる遊びではなく、
などを自然に養えるトレーニングツールでもあります。
また、外での散歩や人との交流、ドッグランなども「社会的な刺激」として重要です。
人や犬と触れ合う機会を設けることで、柔軟な対応力や落ち着きも身につきます。
「遊び=しつけ」ではありませんが、「遊び=学び」にもなるのが、賢いワンちゃんたちの特徴なのです。
賢い犬に出会うには優良ブリーダーが安心

賢いワンちゃんと出会うためには、犬種の特徴を理解することはもちろん、「どんな環境で、どんな人のもとで育ったか」がとても重要です。
知能の発達やしつけのしやすさは、生まれつきの素質だけでなく、子犬期の経験や人との関わり方によって大きく変わるからです。
そのため、どんな子犬を選ぶかと同じくらい、“どんなブリーダーから迎えるか”が鍵になります。
以下は、優良なブリーダーさんに共通する、5つの大切な特徴です。
見た目よりも“健康と犬種の本質”を大切にしている
流行のサイズや毛色ばかりを追うのではなく、その犬種が本来持つ性格・体型・運動量・暮らし方までを正しく理解し、尊重しています。
「小さければ小さいほどかわいい」といった一面的な見方ではなく、一生を健やかに暮らせる体づくりと性格形成を大切に考えています。
無理のない繁殖計画に責任を持っている
母犬の健康や心身の状態をしっかり管理し、出産回数や間隔に配慮して、母犬の体に負担がかからないような繁殖スケジュールを徹底しています。
「子犬の数が多い=良いブリーダー」ではなく、**質を守るために必要な“待つ勇気”**を持っているのが、本当に信頼できるブリーダーです。
健康と生活環境に細やかな配慮がある
育つ環境は、ワンちゃんの性格や安心感にも大きく影響します。
優良なブリーダーは、
- 清潔で衛生的な環境の維持
- 適切な温度・湿度管理
- 良質な食事と栄養管理
- 親犬・子犬への定期的な健康診断
など、心身両面の健康に細やかな気配りを欠かしません。
子犬期からの社会化を重視している
賢さを育てるうえで欠かせない「社会化」。これは、生後3週〜12週の間に人や音、物、他の犬などに慣れる経験のことを指します。
この時期の過ごし方が、その後の性格や学習意欲に大きく影響するため、優良なブリーダーはこの社会化に力を入れています。
たとえば、
- 子犬を親犬や兄弟犬としっかり過ごさせる
- 家の中で人間と一緒に生活させる
- 掃除機やドライヤーなど日常の音に慣らす
といった環境を整え、「人と暮らす準備」が自然にできるよう配慮しています。
「売って終わり」ではなく、ずっと寄り添う姿勢がある
本当に信頼できるブリーダーは、譲渡して終わりではなく、“その後の暮らし”にも寄り添ってくれる存在です。
ワンちゃんとの暮らしで困ったことがあれば気軽に相談でき、アドバイスやフォローをしてくれるため、初めての飼い主さんでも安心です。
このような関係性は、まさに「子犬育ての伴走者」といえるでしょう。
Breeder Familiesでは、こうした理念を大切にし、健康・福祉・育成環境に配慮した優良ブリーダーさんのみをご紹介しています。
「しっかり向き合える子を迎えたい」「生涯を見据えた出会いをしたい」——そんな方にこそ、ぜひ知っていただきたい出会いの場です。
まとめ
ワンちゃんの賢さは、単なる芸の覚えやすさだけでなく、飼い主との関係性のなかで育まれていくものです。
生まれ持った知能に加えて、どんなふうに育てられ、どんなふうに接してもらったか——その積み重ねが、ワンちゃんの個性や思考力、そして柔軟な対応力につながっていきます。
しつけがしやすい賢い犬種は、たしかに初心者にとっても頼れる存在かもしれません。
けれど本当に大切なのは、「この子と一緒に学び合いながら暮らしていく」という気持ちで接することです。
賢さとは、ただ言うことを聞いてくれる便利さではなく、心と心が通い合う深いパートナーシップのかたちなのだと思います。
どんな犬種でも、愛情と信頼を注ぎながら丁寧に育てれば、きっとあなたにとってかけがえのない存在になってくれるはずです。
そんな出会いを、ぜひ大切にしていただけたらと思います。