おとなしい犬種なら集合住宅でも安心!優しく温厚な犬の性格や育て方を解説

ワンちゃんを飼いたいけれど、「鳴き声で迷惑をかけないか心配」「小さい子どもがいるから穏やかな子がいい」と悩んでいませんか?
そんな方におすすめなのが、無駄吠えが少なく、人にやさしく落ち着いた性格をもつ“おとなしい犬種”。集合住宅でも安心して暮らせるパートナーになってくれます。
この記事では、おとなしい犬種の特徴や、飼いやすい小型犬・大型犬の具体例、そして優しい性格に育てるための育て方まで、動物福祉の視点も交えて詳しく解説します。
初めてワンちゃんを迎える方も、今の暮らしに合う子を探している方も、ぜひ参考にしてください。
おとなしい犬種の特徴

おとなしい性格のワンちゃんには、共通するいくつかの特徴があります。こうした特徴を知っておくことで、「自分の暮らしに本当に合う子かどうか」を見極めるヒントになります。
無駄吠えが少ない
おとなしい犬種は、音や人の動きに過剰に反応せず、冷静に周囲の状況を受け入れる子が多いです。そのため、来客や外の物音に対しても「いちいち吠えない」ことが多く、近隣とのトラブルが起きにくいのが特長です。
もちろん、全く吠えないわけではありませんが、「何に対してもすぐに吠える」というタイプではないため、静かな環境を好む方やマンションなどの集合住宅でも飼いやすいでしょう。
また、無駄吠えが少ないということは、ワンちゃん自身がストレスを感じにくく、落ち着いたメンタルを持っている証でもあります。
穏やかで落ち着いた性格
おとなしい犬種は、興奮しにくく、感情の波が小さい傾向があります。知らない人に出会ってもすぐに警戒せず、「様子を見てから判断する」ような慎重さがあります。
そのため、小さなお子さんや高齢者と触れ合う機会が多いご家庭でも安心して暮らすことができ、急に噛みついたり吠えたりといったトラブルが起きにくいです。
また、落ち着いた性格のワンちゃんは、環境の変化や外出先でも冷静に対応できるため、旅行やドッグカフェなどにも連れて行きやすいというメリットもあります。
飼い主とのコミュニケーションを好む
おとなしいワンちゃんは、飼い主との信頼関係をとても大切にする傾向があります。目を合わせたり、声をかけるとしっぽを振って応えてくれるなど、コミュニケーションに対して前向きです。
こうした子は、「どうすれば飼い主が喜ぶのか」を自然と考えるようになり、しつけや日常のルールを覚えるのも早いです。
また、人の感情に敏感なタイプも多いため、飼い主が安心していれば、ワンちゃんも安心できる──そんな心地よい関係を築きやすいのが、おとなしい犬種の魅力です。
おとなしくて飼いやすい小型犬

おとなしくて飼いやすい小型犬は、限られたスペースでも快適に過ごせるため、マンションやアパートでの暮らしにもぴったりです。
また、小柄な分、日々の運動量もそれほど多くなく、初心者でも無理なくお世話できます。
さらに、今回ご紹介する犬種はどれも穏やかで人に優しい性格をしており、初めてワンちゃんを迎えるご家庭でも安心して暮らせます。
トイプードル

高い知能を持ち、しつけがとても入りやすい犬種です。人の話や表情をよく理解しようとする姿勢があり、「褒められることが嬉しい」と感じる子が多いため、ポジティブなしつけでぐんぐん成長します。
また、抜け毛が非常に少なく、においも少ないため、室内での飼育に向いています。被毛は定期的なトリミングが必要ですが、トイプードル特有のふわふわの姿を保つ喜びもまた魅力のひとつです。
シーズー

「マイペースでのんびり屋さん」という言葉がぴったりの犬種です。外の音や他人に敏感に反応することが少なく、無駄吠えも控えめ。集合住宅でも比較的ストレスなく過ごせます。
飼い主とのスキンシップが大好きで、抱っこされるのも平気な子が多いため、小さなお子さんがいるご家庭にも安心しておすすめできます。
パグ

おっとりしていて、どこか愛嬌たっぷりな表情が魅力的。知らない人にもフレンドリーに接し、攻撃的な一面はほとんど見られません。
飼い主と一緒に過ごすことを何より喜ぶタイプで、穏やかな家庭環境を好みます。
ただし、短頭種(鼻が短い犬種)なので、呼吸器系のトラブルには注意が必要です。暑さが苦手なため、夏場の室温管理は必須です。
マルチーズ

白く美しい被毛が特徴で、「小さな天使」とも呼ばれるマルチーズは、性格も非常に優しく穏やか。飼い主に対する愛情が深く、常に寄り添ってくれるパートナーです。
また、吠えることもありますが、警戒心は強すぎず、しっかりしつけをすれば静かに過ごせるようになります。甘えん坊で、抱っこされるのも大好きです。
ビション・フリーゼ

陽気で社交的、初対面の人や他のワンちゃんともすぐに打ち解けられる懐の深さを持つ犬種です。
表情が豊かで、まるでぬいぐるみのような見た目と性格が人気の理由です。
アレルギー対策としても注目される「抜け毛の少なさ」も大きな魅力。活動的すぎず、静かすぎず、ちょうど良いテンションで家族に笑顔を運んでくれます。
おとなしくて飼いやすい大型犬

体は大きくても、性格はとても穏やか──それが大型犬の魅力のひとつです。
しっかりした体格である一方、落ち着きがあり、騒がしくない性格の子が多いため、丁寧にしつけを行えば安心して暮らすことができます。
広めのスペースと日常的な運動は必要ですが、それ以上に得られる信頼感や愛情の深さは、小型犬とはまた違った魅力を持っています。
ゴールデンレトリバー

「家族の一員」としての意識が強く、人を喜ばせることが大好きな性格です。特に小さなお子さんとの相性が良く、どんなに動き回っても優しく見守ってくれる懐の深さがあります。
また、知能も高く、しつけやルールの理解も早いため、初めて大型犬を飼う方にも向いています。毎日の散歩や遊びでしっかりエネルギーを発散させてあげましょう。
ラブラドールレトリバー

陽気で愛情深く、人が大好きな犬種です。介助犬・盲導犬としても活躍するほど信頼性が高く、穏やかで柔軟な性格が魅力です。飼い主の行動をよく観察し、「今は静かにしていよう」「今は遊ぶ時間だ」と切り替えができる賢さも持ち合わせています。
運動欲求が高いため、ボール遊びやアクティビティが好きなご家庭にぴったり。体を動かすことで精神的にも安定し、より穏やかな性格になります。
セント・バーナード

大きな体からは想像できないほど、おとなしくて優しい性格です。小さな子どもにも辛抱強く接し、動じることのない落ち着きが魅力。
もともと山岳救助犬として活躍してきた歴史もあり、人に尽くす本能が根づいています。
ただし、体重が50kg以上になることもあるため、住環境や床の強度には配慮が必要です。暑さにも弱いため、涼しい環境での生活が理想的です。
温厚で優しい犬に育てるコツ

ワンちゃんの性格は「遺伝」だけでなく、「育て方」や「過ごす環境」によっても大きく変わります。
生まれつき穏やかな性質を持つ犬種でも、適切な関わりがなければ不安定な性格になってしまうことも。
逆に、やや警戒心の強い犬でも、愛情と信頼の中で育てれば、穏やかで優しい子になります。
ここでは、ワンちゃんを温厚に育てるために大切な3つのポイントをご紹介します。
子犬のころからしつけ・社会化を行う
ワンちゃんの性格形成にとって特に重要なのが、「社会化期」と呼ばれる生後3週~16週ごろ。この時期にどれだけ多くの人・音・環境・他の動物などに触れ、ポジティブな経験を積むかで、その後の行動や性格が決まるといわれています。
たとえば、知らない人に触れられる経験を重ねておくことで、「人は怖くない」と学びます。掃除機の音や車の音も、子犬のうちに聞かせておけば、大人になってからパニックになるリスクが減ります。
また、基本的なトレーニング(アイコンタクト、トイレ、呼び戻しなど)もこの時期に始めることで、ワンちゃん自身の自信にもつながります。
ストレスが溜まらないようにする
穏やかな性格を保つには、ワンちゃんが日々の生活の中で安心できることが大切です。必要以上に我慢をさせたり、刺激が強すぎる環境に置くことは、ストレスの原因となり、問題行動にもつながる恐れがあります。
十分な運動や遊びはもちろん、「静かに過ごせる居場所」を用意してあげることも重要です。たとえば、サークルやクレートなど、落ち着ける空間を確保しておけば、ワンちゃん自身が「今は休もう」と自ら気持ちを切り替えられるようになります。
また、生活リズムがバラバラだと不安になりやすいため、できるだけ一定のスケジュールでごはんや散歩を行うと、精神的にも安定しやすくなります。
愛情を注ぎ信頼関係を築く
ワンちゃんとの信頼関係は、叱ることではなく「信じてくれること」から始まります。普段の何気ない会話、目を見て話しかける時間、優しく撫でてあげるひととき──そうした毎日の積み重ねが、「この人といると安心」と感じる土台になります。
叱る場面でも、「ダメ!」と一方的に怒るより、「○○したら褒められる」という“行動の代替”を教えてあげることが効果的です。
たとえば、吠えたら無視し、静かになった瞬間に「いい子だね」と褒めることで、「静かにしている=嬉しいことが起こる」と学んでくれます。
そうした関わりが、長い目で見て、穏やかな性格につながっていきます。
まとめ

おとなしい犬種は、無駄吠えが少なく落ち着いた性格で、初めてワンちゃんを飼う方や、集合住宅での暮らしにもぴったりの存在です。小型犬から大型犬まで、さまざまな穏やかな犬種がいるので、自分のライフスタイルに合った子を見つけることが大切です。
また、生まれつきの性格だけでなく、育て方や飼い主との信頼関係によっても、ワンちゃんの性格は大きく変わります。子犬期の社会化、ストレスの少ない環境、たっぷりの愛情──これらが「優しくて穏やかな子」に育つカギとなります。
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