ゴールデンレトリバーの性格や特徴は?飼いやすさや飼い方のコツを解説

ゴールデンレトリバー

穏やかで人懐っこく、しつけもしやすい──そんな理想の家庭犬として知られる「ゴールデンレトリバー」。

子どもや高齢の方とも安心して暮らせるその性格から、世界中で長年愛され続けています。

この記事では、ゴールデンレトリバーの魅力的な性格や身体的特徴に加え、実際に迎えるうえでの飼いやすさ、日々のケアや注意点まで、専門的な視点から丁寧に解説します。

これからワンちゃんとの暮らしを考えている方に、役立つ知識が満載です。

 

ゴールデンレトリバーの性格

ゴールデンレトリバー

ゴールデンレトリバーの性格は、温厚・社交的・賢いといった家庭犬として理想的な資質にあふれています。この章では、ワンちゃんの“心の中”に注目し、どんな感情や反応を見せる子なのか、どういう付き合い方ができるのかを詳しく紹介します。

穏やかで優しい

ゴールデンレトリバーの最大の魅力は、「温厚で優しい性格」。怒りっぽさがなく、ゆったりとしたテンポで物事に対応するため、子どもが多少手荒に接してしまっても、じっと我慢して見守ってくれるような包容力があります。

飼い主の感情の変化にも敏感で、「空気を読む」力にも長けています。

人懐っこく友好的

知らない人にも物怖じせずに近づき、しっぽを振って愛想よく接するのがゴールデンのスタイル。

人間に対する深い信頼感をもっており、誰かと一緒にいることに喜びを感じるタイプです。

犬同士の関係づくりも上手で、争いごとを避けて平和に共存しようとする傾向があります。

賢く忠実

知的好奇心が強く、学ぶことが好きなため、しつけやトレーニングにも高い意欲を見せます。

特に「人の役に立つこと」が大好きで、飼い主の喜ぶ顔を見たい一心で命令を覚えていくような一面も。

忠誠心が高く、「家族」という意識がとても強い犬種です。

忍耐強く辛抱強い

多少のストレスや不快な状況にも動じず、冷静に受け止める精神的な安定性があります。急な環境変化や新しい来客にも、吠えたり暴れたりせず静かに対応できる子が多いです。

これにより、家庭内だけでなく、施設訪問やセラピードッグとしても活躍の場を広げています。

 

ゴールデンレトリバーの特徴

ゴールデンレトリバー

ここではゴールデンレトリバーの「見た目」や「身体的な特性」「原種としての背景」に焦点をあてます。性格ではなく、“どんな体つきでどんな能力をもったワンちゃんなのか”という観点からご紹介します。

大型犬ならではのたくましい体格

ゴールデンレトリバーはその名の通り、大型犬に分類される堂々とした体格を持っています。

肩幅が広く、胸が深いため安定感があり、力強く持久力にも優れています。特に成犬のオスは30kg前後になることもあり、しっかりとした体力管理と適切な運動が必要になります。

垂れた大きな耳にウェーブした長い被毛

長く美しいダブルコートの被毛が特徴的で、ゆるやかなウェーブが優雅な印象を与えます。

耳は大きく垂れており、表情をより穏やかに見せてくれます。毛色にはゴールド、クリーム、ダークゴールドなどのバリエーションがあり、光の当たり方で表情が変わる美しさがあります。

アメリカンとイングリッシュの2種類

外見や印象に差がある2つのタイプが存在します。アメリカンタイプは体がスリムで脚が長く、より活動的でスポーティな印象。

イングリッシュタイプは骨太でがっしりしており、顔立ちもやや丸みを帯びて落ち着いた雰囲気を持っています。

どちらも純粋なゴールデンですが、好みやライフスタイルに合わせて選ぶ楽しみがあります。

水遊びや体を動かすのが好き

もともと水鳥の猟犬として活躍していたルーツから、泳ぐことが得意で、水場に対して強い興味を示します。

ダムや川などに飛び込んで全身で楽しむ姿は、まさに原種の本能を感じさせるもの。広い場所で思い切り走り回ったり、水辺で遊んだりする時間は、心身の健康維持に欠かせません。

 

ゴールデンレトリバーの飼いやすさ

ゴールデンレトリバー

ゴールデンレトリバーは、性格の穏やかさや学習能力の高さから、「飼いやすい犬種」として広く知られています。

ただし、大型犬ならではの配慮が必要な点も多いため、家庭環境やライフスタイルとの相性を見極めたうえでの迎え入れが大切です。

初心者でも飼いやすい?

初めてワンちゃんを迎えるご家庭でも、ゴールデンレトリバーは比較的扱いやすい犬種といえます。

感情表現が豊かで、飼い主の気持ちに寄り添うような対応を見せてくれることが多く、「意思の通じるパートナー」として良好な関係を築きやすいです。

ただし、大型犬である以上、「可愛いから」と安易に迎えるのではなく、毎日の運動や食費、医療費などのコストをしっかり想定しておくことが必要です。

特に室内飼育の場合は、ある程度のスペースや床材の工夫など、安全面への配慮も求められます。

しつけのしやすさ

ゴールデンレトリバーは、飼い主の言葉や感情をよく理解しようとする能力に長けており、しつけが入りやすい犬種です。

学習欲求が高く、教えられることを楽しむタイプなので、「褒めて伸ばす」ポジティブなトレーニング法が効果的。

一方で、繊細な一面もあるため、大きな声で叱ったり無理に矯正しようとすると萎縮してしまうことも。信頼関係を築きながら、日々の生活のなかで自然に学ばせていく姿勢が大切です。

多頭飼いとの相性

社交性の高さから、多頭飼いにも非常に向いています。他のワンちゃんに対して攻撃的な態度をとることは少なく、年齢や性格の違いがあってもバランスをとりながら共存できる器の広さを見せてくれます。

ただし、相性の良し悪しや個体差もあるため、初対面時には丁寧な紹介と十分な見極めが必要です。

子犬のころから他犬との交流を重ねておくと、よりスムーズに多頭飼育へ移行できます。

子供や高齢者との相性

穏やかな性格と抜群の包容力から、子どもや高齢の方がいるご家庭でも安心して飼うことができます。

子どもが予期せぬ動きをしても動じることなく対応してくれるため、初めて動物と触れ合う子どもにとっても素晴らしい“先生”となる存在です。

また、高齢者にとっても、散歩や日常の触れ合いが生きがいや健康維持に繋がるという点で、ゴールデンレトリバーは非常に良いパートナーになります。

ただし、体が大きく力も強いため、安全に付き合うためには家族全体でのサポート体制が重要です。

 

ゴールデンレトリバーの飼い方

ゴールデンレトリバー

ゴールデンレトリバーを健やかに育てていくためには、「食事・運動・お手入れ・しつけ」の4本柱が不可欠です。大型犬としての特徴を理解し、日々のケアを丁寧に積み重ねていくことで、ワンちゃんにとっても飼い主にとっても快適な暮らしが実現します。

日々の食事

ゴールデンレトリバーは食欲旺盛で、与えた分だけ食べてしまう傾向があります。

そのため、年齢・運動量・体重に応じた食事管理が必要です。成長期にはたんぱく質やカルシウムをしっかり摂取し、シニア期には関節ケアや消化に配慮したフードを選ぶのが理想です。

また、肥満になりやすい犬種のため、おやつの量やタイミング、食事と食事の間隔などにも注意が必要です。毎月の体重測定と体型チェック(ボディ・コンディション・スコア)を習慣化すると、病気の予防にもつながります。

散歩や運動

体力と運動欲求の高い犬種なので、1日2回・合計1時間以上の散歩は必須です。

単調なコースでは刺激が足りず、ストレスが溜まりやすくなるため、ドッグランでの自由運動や水遊び、ボール遊びなども取り入れてバリエーションを持たせましょう。

運動不足は、肥満だけでなく問題行動の原因にもなります。心身のバランスを整えるためにも、飼い主が積極的に関わる時間を確保することが大切です。

定期的なお手入れ

ゴールデンレトリバーはダブルコートの長毛種であり、抜け毛が非常に多い犬種です。

特に春と秋の換毛期には大量の毛が抜けるため、ブラッシングは毎日が理想。

皮膚トラブルの予防にもつながります。

シャンプーは月1〜2回程度を目安に、汚れたときは部分的に洗う程度で十分です。また、耳が垂れていて通気性が悪いため、外耳炎予防のためにも週1回程度の耳掃除が推奨されます。

しつけ

子犬のうちからの社会化と基本的なしつけは、将来のトラブル防止に直結します。

「おすわり」「待て」「呼び戻し」などの基本指示に加えて、家庭内で必要なルール(ソファに乗らない、玄関に飛び出さない等)も丁寧に教えましょう。

大型犬である以上、成犬になってからの問題行動は物理的にも制御しづらくなるため、しつけは早ければ早いほどよいです。

可能であれば、パピー教室やドッグトレーナーのサポートも活用するとよりスムーズです。

 

一緒に暮らすうえで注意すること

ゴールデンレトリバー

ゴールデンレトリバーは性格も良く飼いやすいワンちゃんですが、大型犬ならではの健康管理や生活環境に関する注意点もあります。

この章では、飼育中に特に気をつけたい4つのポイントを紹介します。

抜け毛対策

ゴールデンレトリバーはダブルコート(アンダーコート+オーバーコート)を持つため、抜け毛が非常に多い犬種です。特に春と秋の換毛期には、毎日のように大量の毛が抜けます。

日々のブラッシングを欠かさないことはもちろん、掃除の負担を軽減するためには以下のような工夫も効果的です。

  • 換毛期はブラシの種類を使い分ける(スリッカーブラシ+抜け毛取り用のラバーブラシ など)
  • 自動掃除機や吸引力の高い掃除機を導入する
  • 毛が付きにくい家具やファブリックを選ぶ

また、毛玉や皮膚炎の予防にもなるため、単なる掃除対策だけでなく、ワンちゃんの健康維持の一環としてブラッシング習慣を整えていきましょう。

かかりやすい病気

ゴールデンレトリバーは比較的健康な犬種ですが、遺伝的な背景や体格の大きさから、以下のような病気に注意が必要です。

  • 股関節形成不全・肘関節形成不全:成長期に骨と関節のバランスが崩れることで発症します。遺伝的な要因に加えて、滑りやすい床や階段の上り下りなどの生活環境も影響します。
    → フローリングには滑り止めマットを敷き、階段の使用は極力避けるなど、予防的な住環境整備が重要です。
  • 進行性網膜萎縮(PRA):目の網膜が徐々に機能しなくなる遺伝性疾患で、夜盲症から始まり最終的には失明することもあります。
    → 視力の変化は日常では気づきにくいため、定期的な眼科検診が早期発見につながります。
  • 皮膚疾患やアレルギー:湿気がこもりやすい耳や皮膚に炎症が起きやすく、アレルギー体質の子もいます。
    → 定期的なシャンプーや耳掃除、食事管理(アレルゲンフリーのフードなど)を行いましょう。

信頼できるブリーダーから迎えることで、遺伝性疾患のリスクを減らせるという点も大切なポイントです。

誤飲誤食

ゴールデンレトリバーはとても好奇心旺盛な性格で、「何でも口に入れて確かめる」傾向があります。特に成長期の子犬は誤飲事故が多く、家庭内の思わぬ場所にあるものが命の危険に直結することもあります。

注意すべきもの:

  • チョコレート、キシリトール、ぶどうなどの中毒物
  • ボタン電池、輪ゴム、小型おもちゃなど
  • お風呂用バスマットや布類など飲み込みやすい繊維製品

日常的に「手の届く範囲」を見直すことが予防の第一歩です。特に子犬の時期は目を離さず、遊ばせる部屋を制限する“ゾーニング”を活用するのも有効です。

肥満

食べるのが大好きで、運動量に対して摂取カロリーが上回りやすいゴールデンレトリバーは、肥満傾向にある犬種のひとつです。
肥満になると、関節への負担が大きくなり、股関節疾患・心臓疾患・糖尿病などさまざまな病気のリスクが高まります。

肥満予防のポイント:

  • おやつやフードの量を正確に計量する
  • 「おねだり」に屈しない習慣をつける
  • 適度な運動を毎日継続する
  • 定期的に体重・BCS(ボディコンディションスコア)をチェックする

「少しふっくらしていて可愛い」では済まされないのが、大型犬の肥満の怖さです。長く健康に暮らすために、日々の管理がとても重要です。

 

まとめ

ゴールデンレトリバーは、温厚で賢く、家族に寄り添うように暮らしてくれる理想的なパートナーです。その一方で、大型犬ならではの運動量や健康管理のポイントも多く、しっかりと準備と理解をもって迎えることが大切です。

ワンちゃんとの暮らしは、何気ない日常を特別なものに変えてくれます。ゴールデンレトリバーを迎える前に、性格や特徴、飼い方や注意点を知っておくことで、お互いに安心して楽しい時間を過ごすことができます。


ぜひ本記事を参考に、ゴールデンレトリバーとのかけがえのない日々をスタートしてください。

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