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犬のマイクロチップ費用はいくら?義務化の理由やメリット・デメリットを解説

ワンちゃんの安全と飼い主の安心を守るために、マイクロチップの装着が重要視されています。マイクロチップは、迷子や盗難などのトラブルから愛犬を守り、飼い主との再会を可能にする手段です。本記事では、マイクロチップの仕組みや費用、装着の流れ、変更登録のポイントについて詳しく解説します。特にブリーダーから迎える際の注意点も含めて、正しい知識を身につけましょう。

犬のマイクロチップとは

犬のマイクロチップは、直径約2mm、長さ約10〜12mmの小さな電子デバイスです。シリコンやバイオガラスのカプセルで保護されており、ワンちゃんの体内に安全に埋め込むことができます。マイクロチップには、ワンちゃん一頭ごとに割り振られた15桁の識別番号が記録されており、専用のリーダーで読み取ることで飼い主情報と照合できます。

マイクロチップの仕組み

マイクロチップは電源不要で、RFID(無線自動識別)技術を使用しています。スキャナーがチップに近づくと微弱な電波を発信し、チップ内の番号が読み取られます。

ワンちゃんの体への影響と安全性

  • 装着時の痛み:注射と同程度の痛みが伴いますが、処置は短時間で終わり、麻酔の必要はありません。
  • 安全性:生体適合性のある素材が使用されており、アレルギーや炎症が起こるリスクは低いです。
  • 稀なリスク:ごくまれにチップが皮下で移動することがあるため、定期的な確認が推奨されます。

犬のマイクロチップはなぜ必要?

マイクロチップは、ワンちゃんと飼い主にとって大切な安全ツールです。その必要性には、以下の理由があります。

1. 迷子になった際の発見率向上

ワンちゃんが迷子になった場合、マイクロチップがあれば、保護団体や動物病院が飼い主情報を照会し、迅速に連絡することができます。首輪や迷子札は外れてしまう可能性がありますが、マイクロチップは体内にあるため確実です。

2. 盗難防止

盗難に遭った場合でも、マイクロチップがあれば正当な飼い主を証明できます。第三者による不正な所有権主張を防ぎ、ワンちゃんを取り戻す手がかりとなります。

3. 動物病院での情報管理

マイクロチップに登録された情報があれば、ワンちゃんの予防接種や治療歴の確認がスムーズになります。緊急時にも迅速な対応が可能です。

4. 法律や規制への対応

日本では2022年6月から、ブリーダーやペットショップで販売される犬へのマイクロチップ装着が義務化されました。マイクロチップは法令遵守のためにも重要です。

犬のマイクロチップの費用はいくら?

マイクロチップ装着には、以下の費用がかかります。

  • マイクロチップ本体費用:2,000円~5,000円
  • 装着費用:3,000円~10,000円(動物病院での施術費)
  • 登録費用:1,000円~2,000円(新規登録および変更登録手数料)

ブリーダーから迎える場合は、譲渡前にマイクロチップが装着され、初期登録も完了しています。費用は譲渡価格に含まれていることが多いため、事前に確認しましょう。

マイクロチップを装着するまでの流れ

2022年6月の法改正により、ブリーダーやペットショップで販売される犬には、マイクロチップの装着が義務化されています。そのため、一般的にはブリーダーやペットショップが装着・登録を行います。ただし、法施行以前に生まれたワンちゃんや保護犬の場合、飼い主が後から装着することがあります。

以下、それぞれのケースに分けて手順を説明します。

1. ブリーダーやペットショップが行う場合

ブリーダーやペットショップでは、ワンちゃんを譲渡する前に、以下の手順でマイクロチップの装着および登録を行います。

  • 健康状態の確認:生後30日~60日頃にワンちゃんの健康状態を確認し、装着可能か判断します。
  • 動物病院での装着処置:獣医師が専用の注射器を使用して、肩甲骨の間にマイクロチップを埋め込みます。処置は数分で完了し、麻酔は必要ありません。
  • 初期登録手続き:ブリーダーやペットショップが、販売業者としてデータベースに登録します。この時点では飼い主情報は登録されていません。
  • 登録証明書の発行:マイクロチップ番号が記載された登録証明書が発行されます。
  • 譲渡時の確認:飼い主は譲渡時に登録証明書を受け取り、マイクロチップ番号と登録情報が正しいか確認します。
  • 飼い主情報への変更登録(次章詳細):ワンちゃんを迎えた後、飼い主が自身の情報に変更登録する必要があります。
     

2. 飼い主が行う場合(例外的なケース)

法施行以前に生まれたワンちゃんや、保護犬・譲渡犬など、マイクロチップが未装着の場合、飼い主が後から装着することが可能です。

装着手順はブリーダーやペットショップが行う場合と基本的に同じです。動物病院で健康診断を受け、マイクロチップを装着し、その後飼い主情報を登録する流れになります。

マイクロチップの変更登録が必要な場合

マイクロチップの登録情報は、ワンちゃんの安全を守るために、常に最新の状態に保つことが重要です。登録情報が古いままだと、万が一迷子になったり、トラブルが発生した際に飼い主に連絡が届かない可能性があります。

変更が必要なケース

変更が必要な主なケースは、以下の3つです。

  • 引っ越しによる住所変更:飼い主が引っ越しをして住所が変わった場合。
  • 電話番号や連絡先の変更:飼い主の電話番号や緊急連絡先が変わった場合。
  • 飼い主が変わった場合:ブリーダーやペットショップからワンちゃんを迎えた場合や、知人間での譲渡、保護団体から引き取った場合が該当します。
     

変更登録の手続きの流れ

変更が必要なケースに該当する場合、以下の手順で登録情報の変更手続きを行います。

  • 録証明書の確認:まず、現在登録されている情報が記載された登録証明書を確認し、どの情報を変更する必要があるか把握します。
  • 変更申請書の準備:登録機関(AIPOや日本獣医師会など)の公式サイトにアクセスし、変更申請書をダウンロードまたはオンラインフォームに必要事項を入力します。
  • 必要書類の準備:変更内容に応じて、以下の書類を用意します:
    • 住所変更の場合:本人確認書類(運転免許証、保険証など)
    • 電話番号変更の場合:本人確認書類
    • 飼い主変更の場合:譲渡証明書、本人確認書類、ワンちゃんの情報(マイクロチップ番号など)
  • 申請の提出:申請書と必要書類を、オンラインまたは郵送で提出します。申請先は登録証明書に記載されている登録機関になります。
  • 手数料の支払い:変更手数料として、1,000円~2,000円程度が必要です。支払い方法は、登録機関によって異なるため確認しましょう。
  • 登録内容の確認:変更手続きが完了したら、新しい登録証明書が発行されます。データベースで正しく情報が更新されているか確認し、登録証明書を大切に保管しましょう。 

ブリーダーから迎えた場合の注意点

ブリーダーやペットショップでワンちゃんを迎えた場合は、「3. 飼い主が変わった場合」に該当します。ブリーダーが初期登録を行っているため、飼い主は譲渡後に以下の点を確認し、変更登録を行いましょう。 

変更登録の注意点

  • 迅速な手続き:引っ越しや譲渡後は、できるだけ早く変更登録を行いましょう。情報が古いままだと、緊急時に連絡が取れないリスクがあります。
  • 登録機関の確認:登録機関は複数あるため、ワンちゃんのマイクロチップがどのデータベースに登録されているかを確認してから手続きを行いましょう。
  • 手続きの控えを保管:変更手続き後、控えや新しい登録証明書を大切に保管し、必要な際にすぐに取り出せるようにしておきましょう。

マイクロチップ装着のメリット・デメリット

マイクロチップの装着には、ワンちゃんと飼い主にとって多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。メリットとデメリットを理解し、マイクロチップの重要性を正しく把握しましょう。

マイクロチップ装着のメリット

1. 迷子になった際の発見率向上

万が一、ワンちゃんが迷子になった場合、マイクロチップがあれば保護団体や動物病院でスキャンして、すぐに飼い主情報にアクセスできます。首輪や迷子札は外れるリスクがありますが、マイクロチップは体内に埋め込まれているため、確実に身元確認が可能です。

2. 盗難防止と所有権の証明

盗難に遭った場合、マイクロチップによる識別番号が正当な飼い主を証明する手段になります。不正な所有権主張を防ぎ、ワンちゃんを取り戻す手助けになります。

3. 海外渡航時の手続きが簡単に

海外へ渡航する際、多くの国ではワンちゃんにマイクロチップの装着が義務付けられています。マイクロチップが装着されていれば、検疫手続きがスムーズになり、余計な手間やストレスを軽減できます。

4. 動物病院での情報管理

動物病院では、マイクロチップによってワンちゃんのカルテや治療歴といった情報を正確に管理することができます。特に緊急時には、迅速な治療に役立ちます。

マイクロチップ装着のデメリット

1. 装着時の痛み

マイクロチップは専用の注射器で皮下に埋め込むため、注射と同程度の痛みが伴います。処置は短時間で終わりますが、敏感なワンちゃんにとってはストレスになる可能性もあります。

2. 稀なトラブルやリスク

チップの移動:ごく稀に、装着後にマイクロチップが皮下で移動することがあります。定期的に動物病院で位置を確認してもらうと安心です。
アレルギー反応:非常に稀ですが、マイクロチップが原因で軽度のアレルギー反応や炎症が起こる可能性があります。

3. 費用がかかる

マイクロチップ本体、装着費用、登録費用を合わせると、5,000円~15,000円程度の費用がかかります。ブリーダーやペットショップによっては、譲渡価格とは別途請求される場合もあります。

4. 情報の変更手続きが必要

引っ越しや連絡先の変更、譲渡があった際には、飼い主情報を更新する手続きが必要です。変更を怠ると、いざという時に役立たなくなります。手続きには手数料と書類の提出が必要です。

5. すぐに発見できるとは限らない

マイクロチップはGPS機能ではないため、ワンちゃんの位置をリアルタイムで追跡することはできません。発見された後にスキャンされて初めて効果を発揮します。そのため、迷子札や首輪など、外部識別手段との併用が推奨されます。

マイクロチップ装着費用の補助金

マイクロチップ装着はワンちゃんの安全を守るために重要ですが、費用が負担に感じる飼い主さんもいるでしょう。そのため、一部の自治体や動物福祉団体では、マイクロチップ装着費用の補助金制度を設けています。補助金を活用することで、費用負担を軽減することが可能です。

補助金制度の概要

補助金制度は、自治体や動物愛護団体がマイクロチップ装着の普及促進と迷子・遺棄の防止を目的として実施しています。補助金額や対象者、条件は自治体や団体によって異なります。

  • 補助金額:1,000円~5,000円程度が一般的です。全額ではなく、一部を補助する形が多いです。
  • 対象者:その自治体に在住している飼い主や、保護犬を迎えた方が対象になることが多いです。
  • 対象動物:犬や猫が対象。保護犬や保護猫の場合、追加の補助が受けられることもあります。
     

補助金を受けるための条件

補助金を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。主な条件は以下の通りです。

  • 居住地の条件:補助を提供している自治体に居住していること。
  • 装着時期の条件:補助金申請前にマイクロチップの装着を行うことが条件となる場合が多いです。
  • 申請期限:補助金には申請期限が設けられていることがあるため、早めに申請する必要があります。
  • 証明書の提出:装着証明書や獣医師の診断書、領収書が必要です。 

補助金申請の流れ

補助金申請の流れは以下の通りです。

  • 補助金制度の確認:お住まいの自治体の公式サイトや窓口で、マイクロチップ装着費用の補助金制度があるか確認します。
  • 装着手続きの実施:動物病院でマイクロチップを装着し、装着証明書と領収書を受け取ります。
  • 申請書類の準備:申請書に必要事項を記入し、以下の書類を揃えます。
    • 装着証明書
    • 領収書
    • 本人確認書類(運転免許証、保険証など)
    • 飼い犬登録証(自治体によって必要な場合があります)
  • 申請の提出:自治体の窓口やオンライン申請システムで申請を提出します。
  • 審査と交付:審査が完了すると、補助金が交付されます。銀行振込が一般的です。

補助金制度を調べる方法

  • 自治体の公式サイト:「マイクロチップ 補助金」などのキーワードで検索するか、動物愛護センターのページを確認しましょう。
  • 動物病院での相談:地域の動物病院は、補助金制度についての情報を持っていることが多いです。
  • 動物愛護団体の案内:地域の動物愛護団体が独自に補助金や助成金を提供している場合があります。

まとめ

マイクロチップは、ワンちゃんの安全と飼い主の安心を守るための大切な手段です。2022年6月から、ブリーダーやペットショップで販売されるワンちゃんには装着が義務化され、迷子や盗難防止、海外渡航時のスムーズな手続きなど、多くのメリットがあります。一方で、費用や装着時の痛み、情報変更手続きが必要といったデメリットも理解しておくことが大切です。

補助金制度を活用すれば、費用負担を軽減することができます。ブリーダーから迎える際には、初期登録の確認や譲渡後の変更登録を忘れずに行いましょう。マイクロチップと外部識別手段(迷子札や首輪)を併用し、愛犬との安心で安全な生活を守りましょう。

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